戦姫と狩人   作:暇を持て余す火の玉

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第1章:世界の境界超克し、最終話です。
この小説では、ゲームで単体攻撃である技も、複数体攻撃できる様な描写をします。
普通に考えたら、一部の単体攻撃って絶対複数体当たってるだろって突っ込みたくなる様な威力ですよね…。


第13話:仮初の平穏

「モンスターに…乗った!?」

ドスジャギィの背中に飛び乗ったアルニを見て、セレナは小さく呟いた。

その途端ー

 

『グオッ!?グォオッ!!』

背中に乗ったアルニを振り落とそうと、ドスジャギィが暴れ始めた。

しかし、アルニはしっかりとしがみつき耐え続ける。

 

「セレナ!

俺がしばらくドスジャギィを抑えておく!

今の内にマリアのところへ行け!!」

「は、はい!」

アルニの叫び声にハッと我に帰り、セレナはマリアの元へ疾走する。

 

「姉さん、大丈夫!?」

「ええ。

まさか、尻尾で攻撃して来るとは思わなかったけれど、擦り傷程度ですんだわ。

彼は?」

「ドスジャギィを抑えてくれてるよ。

今の内にジャギィを…!」

「ええ!」

そう言うと、2人は背中合わせになる様に立ち上がり、武器を構える。

 

「私達姉妹の力を合わせれば…」

「敵はいません!」

そして、同時に周囲のジャギィ達へ走り出す。

 

「手加減はしないわよ!」

それと同時に、空中に短剣が数本召喚され、放たれる。

 

ー『INFINITE†CRIME』ー

 

放たれた短剣は白銀の刃となり、ジャギィの群れを切り裂いた。

 

「行きます!」

一方、セレナも二つの短剣を空中へ投げる。

二つの短剣は、ジャギィノスの群れの上空に飛翔し、光のリングを生み出す。

そこから、光の弾幕が放たれた。

 

ー『IGNIS†FATUUS』ー

 

放たれた弾幕は光の雨となり、ジャギィノスの群れに降り注ぐ。

2人の攻撃により、ドスジャギィの周囲に集まっていたジャギィやジャギィノスはいなくなった。

 

「流石は姉妹ってところか。

俺も負けられないな!」

ドスジャギィの背中にしがみつきながらその様子を見て、アルニは小さく呟くと、何処からかナイフを取り出し、ドスジャギィの背中に連続で刺し始める。

 

『グォオーッ!!』

背中に走る痛みに、ドスジャギィは苦悶の鳴き声を上げながら、更に激しく暴れる。

しかし、ドスジャギィが暴れるタイミングを見極め、背中にしがみつき続ける。

そして、疲れて暴れるのが止まったタイミングで、再びナイフで連続刺しをお見舞いする。

ーと。

 

『グォオッ!!』

「うおっと!」

遂に痛みに耐えきれなくなり、ドスジャギィは大きく転倒した。

その拍子にアルニも背中から落ちるが、空中で体制を立て直して地面に着地する。

そして、地面に倒れてもがくドスジャギィへ疾走する。

 

「このタイミングで、行くぜ!

俺の“狩技”!」

そう言い、双剣を再び重ね合わせ、赤い光を纏わせる。

 

「血風独楽!!」

叫ぶと同時に、全身をまるでコマの様に回転させながら、ドスジャギィに連続斬撃をお見舞いした。

アルニの狩技、『血風独楽』だ。

赤い光を纏った二つの刃は、ドスジャギィの体を切り裂き、顔についていたエリマキもズタズタにした。

 

『グ…グオッ!』

なんとか立ち上がるドスジャギィ。

しかし、息を切らし足も引きずっている為、体力も限界が近い様だ。

 

「後一息だな。

マリア、セレナ!美味しい所は持って行け!!」

「わかったわ!」

「これで…終わりです!」

その瞬間、アルニの背後からマリアとセレナが飛び出し、それぞれの短剣を振るった。

白銀の双刃は、ドスジャギィの体を切り裂き、吹っ飛ばす。

吹っ飛んだドスジャギィは地面に倒れ、力尽きた。

 

「…終わった…のかしら?」

「ああ、討伐完了だ。」

「マリア!セレナ!ドスジャギィを倒したデスか!?」

「切歌?調達も?」

「ジャギィの群れはどうした?」

「さっきまでぼく達も戦っていたんだけど、ジャギィ達が急に撤退を始めたから、もしかしたらと思って来てみたんだ。」

「群れの中の一体が、ドスジャギィがやられたのを見たのかもな。」

[こちらでもジャギィの群れの撤退を確認しました。

数も予定数よりも多めに減らせた様ですね。

皆さん、お疲れ様でした。]

ナスターシャからの通信も入り、作戦は終了したのであった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「皆さんのお陰で、この研究所を守る事ができました。

ありがとうございます。」

「なに、礼には及ばないさ。

ハンターとして、やるべき事をやっただけだからな。」

「コレでここが狙われる心配も無くなったのかな?」

セレナの疑問に対し、スィーヨとアルニは少し難しい表情になる。

 

「それなんだけど…実を言うと完全に無くなった訳では無いんだ。」

「え?」

「どう言う事デスか!?」

「ドスジャギィって言うのは、“ジャギィの成熟個体”でもあるんだ。

だから、今回逃げ出したジャギィが、ドスジャギィになるって事だよ。」

「今はリーダーがいなくなった事により、群れが散り散りになったが、時間が経てば新しいドスジャギィが誕生し、再び群れを形成するだろうな。」

「そんな…!」

「じゃあ、ここがまた狙われるという事なの!?」

「ああ。」

「でも、大丈夫。

ジャギィがドスジャギィになるのにはそれなりに時間がかかるし、あんな大きな群れになるのにもまた時間がかかる。

だから、その間に対策を講じれば良い話だよ。」

「それに、何かあった時は、俺たちが真っ先に駆けつけるからな!」

「そうね。

私達もいるんだもの。きっとなんとかなるはずだわ。」

「皆さん…ありがとうございます!」

「これからも、よろしくお願いしますね。」

「おう!」

こうして、並行世界間でも協力する事になったアルニ達であった。

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