戦姫と狩人   作:暇を持て余す火の玉

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第2章:異界三鳥騒動、突入です!


第2章:異界三鳥騒動
第1話:狩人の死活問題


「…全員、集まったね。」

S.O.N.G.潜水艦内の生活スペースに、アインス、アルニ、テイン、スィーヨ、ゴロウの5人は集まっていた。

アルニの表情は、いつもの明るい表情ではなく、非常に真剣な表情だった。

 

「おう。

集まってくれって言われたから全員集めたぜ。」

「そんな表情で、扉の前には立ち入り禁止の張り紙までするなんて、よほど大事な話なんだな?」

「その通り。

今回皆に集まってもらったのは、大事な話をする為なんだ。

とても大事な…ね…。」

アインスの言葉に、アルニ達は気を引き締める。

 

「さて、前置きなしで本題に入るね。

…実は、回復薬が底をつきかけているんだ。」

『!』

回復薬。

ハンターにとって、まさに命綱ともいえるアイテム。

それが底をつきかけている。

それはつまり、いざという時に戦えなくなる事を意味していた。

 

「因みに、今どのくらい残ってるんだ?」

「…グレートを含めて、僕達みんなで使って約3回分、響さん達にも使うと、1回分くらいだよ。」

「マジかよ…。」

「当然の事ながら、こちらの世界には回復薬なんて売ってるわけないし、調合で作ろうとしても、材料が手に入らないからそれも無理。」

「なるほどな。

確かにこりゃやばい話だな。」

「そこで、これからどうするか皆の意見を聞かせて欲しいんだ。」

「意見…といっても、こればかりはどうにもならないんじゃないか?」

「ああ。

だって、材料手に入らないんじゃ話にならねぇだろ?

薬草とハチミツはともかく、アオキノコなんて絶対ねーだろ。」

「…アルニやテインの言う通りだ。

アオキノコなど、この世界には絶対に存在しないであろう。

仮にあったとしても、見た目が似ているだけの毒キノコであろうな。」

「流石のぼくでも、これはどうにも出来ないよ…。」

「…だよね…。

今僕達に出来る事と言ったら、使わない様にする…つまり、怪我をしない様にする事くらいかな…。」

「それが妥当だろうな…。」

「ぼくの方でも、エルフナインさんに頼んで同じ物を作れないか聞いてみるよ。」

「ありがとう、スィーヨ。」

その時、突然生活スペースの扉が開き、クリスが入って来た。

 

「…お前ら、何やってんだ?」

「うわあっ!?」

「クリス?立ち入り禁止の張り紙見なかったのか?」

「張り紙?そんなのどこにも…あ、床に落ちてた。」

「わりーが、用なら後にしてくれねーか?

今オレ達大事な会議中なんだよ。」

「会議中って…アタシはおっさんにアンタらを連れて来てくれって言われたから来たんだぞ?」

「弦十郎さんが?それなら仕方ないか…わかった。

じゃあ、この話は一旦おしまい。皆、司令室に向かうよ。」

「了解だ。」

「おう。」

「わかった。」

「…御意。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「連れて来たぞ、おっさん。」

「ありがとう、クリス君。」

「弦十郎さん、こんにちは。」

「それで、俺たちを呼んだ理由はなんなんだ?」

「うむ。

前回のランポスやジャギィの件もあるので、他の並行世界でも同じ様な事が起こっていないかを調べて来てもらいたい。」

「調べるだけか?

それなら、コイツらだけでも大丈夫だろ?」

「いや、万が一他の並行世界で同じ事が起こっていて、そこでモンスターが暴れていたら、我々だけではカバーしきれない可能性が高い。

なので、君達にはその時の為に一緒に行って貰いたいんだ。」

「つまり、護衛って事だね。」

「そう言う事だ。」

「それなら、ぼくが一緒に行くよ。」

「良いかもな。スィーヨは狩猟笛でサポートが出来るしな。

それに、回復薬も節約できるしな。」

「そうだね。」

「では、よろしく頼む。」

「…ところで、さっきは何の話をしていたんだ?」

先程の事に関して質問するクリス。

それに、弦十郎も反応した。

 

「む?どう言う事だ?」

「私が呼びに行った時、何か難しい顔で話し合いをしていたんだよ。」

「ああ…実はこっちの世界に持って来ていた回復薬が底をつきそうなんだ。

新しく作ろうにも、材料がないから作れなくて…どうすれば良いのかなって言う話をしていたんだ。」

「一応、エルフナインさんに頼んで同じ物を作れないか頼もうと思ってるんだけど…。」

「あの回復薬ってかなり強い効果があるよな…。

確かに、あれがなくなるのはかなりヤバいかもな。」

「ならば、丁度良い所だったな。」

それを聞いて、弦十郎はそう言った。

 

「丁度良い?

それってどう言う事?」

「今回君達に向かって貰いたい世界には、有能なブレインがいる。

その人に頼めば、作ってくれるかもしれないぞ?」

「本当!?

因みに、そのブレインって…?」

「…フィーネとウェルだよ。」

「…え?」

“フィーネ”と言う名を聞いた瞬間、アインス達はピキッと固まった。

 

「えっと…?

フィーネって、確かこっちの世界では月を破壊したりとか色々大変な事をした人じゃなかった…?」

「ああ。

ついでに言うと、ウェルも似た様な事をしでかしたな。

でも、それはあくまでこっちの世界での話だ。」

「クリス君の言った通りだ。

彼女達は、並行世界間で我々と協力関係にある。

少々複雑に思うかもしれないが、安心して欲しい。」

「弦十郎さんがそこまで言うなら…まあ、信じるよ。」

「では、今回はクリス君とスィーヨ君の2人に、並行世界へ向かって貰う。

ここに、今までのモンスターの情報、及び戦闘データが入っている。

向こうに着いたら、渡してくれ。」

「了解だ。」

「了解だよ。

じゃあ、アインス。ちょっと行って来るね。」

「うん。行ってらっしゃい!」

こうして、クリスとスィーヨは、フィーネ達がいる並行世界に向かう事になったのであった。

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