戦姫と狩人   作:暇を持て余す火の玉

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新並行世界編突入です!


第8話:少女と首飾り

「到着だよ!」

「うおっとっと…!

やっぱ慣れねぇな、この感覚。」

「その気持ちはわかる。

私も、この感覚にはまだ少し慣れていないからな。」

スィーヨとクリスがバルベルデに向かっていた頃。

響、翼、テインの3人は、並行世界にやって来ていた。

目的はスィーヨ達と同じく、並行世界にモンスターが出現する等の異変が起きていないかの調査の為である。

本来は装者だけで充分だが、モンスターが出現していた時の専門家、及び護衛としてテインも一緒にやってきた。

 

「それにしても、この世界に来たのも久しぶりだなぁ…。」

「響、ここに来た事があんのか?」

「うん!」

「その時、立花も大活躍だったな。」

「へぇ…んでもって、こっちで何か嬉しい出会いがあったのか?」

響の顔を覗き込みながらテインは尋ねる。

 

「えっ!?そうだけど、よくわかったね!?」

「ハンターの観察力を舐めてもらっちゃ困るぜ?

日頃からモンスターの動きを観察したりしているし、何よりお前は顔に出まくるタイプだからな。

ここに来てから表情が緩んでたから、すぐにわかったぜ?」

「す、すごい…。でも、その通りだよ。

久しぶりにその子に会えるから嬉しくて!」

「あの子は立花に懐いていたからな。

無理もない。」

「そうなのか。

オレも仲良くなれっかな?」

「それは、会ってお話ししないと!」

「さあ、2人共。

早速本部へ向かうぞ。」

「はーい!」

「うーっす。」

歩き出す翼の後を追う2人であった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「失礼します。」

並行世界、特異災害対策機動部二課の本部に3人はやって来ていた。

3人を出迎えたのは、眼鏡をかけた男性、“風鳴 八鉱”だった。

 

「よく来てくれた。

む…今日は見慣れない人がいるな。」

「自己紹介しとくか。

オレはテイン。並行世界から来たハンターだ!」

「ハンター…?」

「詳しい事はここに来た目的と一緒にお話ししますが、彼は私達の世界で起こっている異変を解決する為に協力してくれています。」

「そうなのか。

私は、特異災害対策機動部二課司令、風鳴八鉱だ。」

「よろしくな。」

「すみません、“シャロン”ちゃんはいますか?」

「シャロンか。

あの子なら、たった今君達が来た事を伝えたから、恐らくー」

その時。

 

「響お姉ちゃん!」

八鉱が言い終わるより前に、司令室の扉が開き、白髪の幼い少女が入って来た。

首元には、覚める様な蒼色の鉱石の首飾りをつけている。

 

「シャロンちゃん!

久しぶりだね、元気だった?」

「うん!」

「なあ響。

もしかしてこの子か?」

「そうだよ!

シャロンちゃん、この人はテインさん。

ちょっと怖い所もあるけど、とっても優しい人だよ!」

「あ!?

ちょっと待て、どういう紹介だ!?」

「っ!?」

いきなり大声を上げたので、シャロンは思わずビクッとする。

それに気付き、テインもハッとする。

 

「あ…あー、驚かせちまったか。悪かったな…。」

頭をソッと優しく撫でながら謝るテイン。

 

「シャロンちゃん。

テインさんは、優しい人だから安心してね?」

「…うん。」

「さて、オレ達は一旦退散するか。

これからちょっと難しい話をするみたいだしな。」

「シャロンも、君が来るのを楽しみにしていたから、一緒にいてあげて欲しい。

詳しい話は、後で連絡しよう。」

「分かりました!

シャロンちゃん、一緒にお散歩しよっか。」

「うん!」

「オレも一緒に行くぜ。」

そうして、シャロン、テイン、響の3人は司令室を後にした。

 

「…さて、こちらに来た目的を聞かせてもらおうか。」

「はい。

今回、私達がこちらに来た目的は、この世界で何か異常事態が起こっていないかどうかを調査する為です。」

「異常事態…?」

「先程の彼…テインにも関係して来る話なのですが…。」

そこから、翼はこれまでに自分達の世界や他の並行世界で起こった異変を事細かく話し始めた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

一方その頃、響達は商店街の中を歩いていた。

因みに、テインは街中での活動着に着替えている。

装備一式は、持って来ていたキャリーバッグの中に入れている。

 

「へぇー、シャロンには姉がいるのか。」

「うん。

皆、八鉱おじさんと同じ位優しいよ。」

「オレにも、兄と弟がそれぞれ2人ずついるぜ。

皆、良い奴だし、きっとお前ともすぐに仲良くしてくれる筈だぜ。」

「そうなんだ!

会ってみたいな…。」

「フフッ!

すっかり仲良くなれたみたいだね。」

そんな光景を見て微笑みを浮かべる響。

その時、シャロンの首飾りが太陽の光を反射してキラッと光った。

 

「ところで、シャロンちゃん。

その首飾り綺麗だね!」

「本当?ありがとう!」

「蒼色でとっても綺麗!サファイアかな?」

「確かに覚めるような蒼色で、綺麗だ…ん?」

その首飾りにぶら下がっている石に目を向けた時、テインは首を傾げた。

 

「?どうしたの?」

「いや、なんかこの石…見覚えがある様な気がしてな。

シャロン、ちょっとこの首飾りをもう少し良く見せてくれねーか?」

「えっ?」

困惑するシャロンに、テインは慣れない様子で微笑む。

 

「大丈夫だ、ちょーっとだけ見るだけだからな。

壊しはしないからよ。」

「う、うん…わかった。」

頷きながら首飾りを外すと、テインに渡す。

 

「ありがとな。

じゃ、ちょっと失礼するぜ…。」

そう言いながら、テインは真剣な表情で首飾りの石をジッと見つめる。

見る角度を変えたり、光に透かしたり、指で軽く叩いたりする。

それを見て、シャロンと響は首を傾げた。

 

「…やっぱり、間違いねぇな…。

ありがとうな、返すぜ。」

暫くして、小さく呟くとシャロンに首飾りを渡す。

 

「う、うん…。」

「どうしたの、いきなり首飾りを見つめて…。」

「その首飾りの石、なんか見覚えがあると思ってな。

そう思ってよく観察してみたら、予想的中だったぜ。」

「え、どう言う事?

この石は、なんなの?」

「ああ。

シャロンの首飾りの石…それは“マカライト鉱石”だ。」

「マカライト鉱石…?」

「オレ達の世界に存在する鉱石でな。

かなり硬度が高くて、熱にも強いから色んな武具の材料になるのさ。」

「へぇー、結構便利な物なんだね?

…え、でもそれってテインさんの世界にしかない筈なんだよね?」

「ああ。だからおかしいんだよ。

シャロン、お前この石を何処で手に入れたんだ?」

顔を寄せながら尋ねるテイン。

 

「こ、これはね…この近くにある公園に落ちていたの。

とっても綺麗だったから、八鉱おじさんに頼んで首飾りを作って貰ったんだ。」

「そうなんだ。

その公園って、この近くにあるんだよね?」

「うん。」

「…その公園が気になるな…ちょっと行ってみるか?」

「うん。

シャロンちゃん、案内してくれるかな?」

「わかった。こっちだよ。」

こうして3人は、シャロンがマカライト鉱石を拾ったと言う公園へ向かうのであった。




今回はシャロンちゃんのいる並行世界でのお話です。
次回、もしかしたら嫌な思い出を持つ人がいるかもしれない、あのモンスターが登場です…。
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