商店街の一角で、戦闘音と歌声が響く。
戦っているのは、聖遺物『ガングニール』のギアを纏った立花 響と、
聖遺物『シェンショウジン』のギアを纏った少女、小日向 未来だ。
「うぉおりゃああああああああっ!!」
気合と共に拳を振るう響。
正拳突きをまともに喰らった未確認生物…マッカォはそのまま吹っ飛んで力尽きる。
しかし、その背後からもう1頭のマッカォが飛び掛かる。
「させないっ!」
しかし、未来が放った光線を喰らい力尽きる。
「未来、ありがとう!」
「まだ安心は出来ないよ、響!」
そう言って、再び光線を放つ未来。
未来の言った通り、マッカォはまだ次々と現れる。
力こそ弱いが、数が意外と多いので、油断は出来ない。
「うん!てりゃああああああっ!!」
再び飛びかかって来たマッカォに、強烈な回し蹴りを打ち込みながら答える響。
その時、2人の通信機に再び通信が入る。
[2人共!今翼さんがそっちに向かっているわ!
翼さんと合流するまで、耐えて!]
「分かりました!」
「響!」
「わかってるよ!
翼さんが来るまで、この生き物達をなんとかしよう!」
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「装者2名、未確認生物群とエンゲージ!
アメノハバキリも、現在急行中!」
「翼が到着するまで、あとどのくらいだ!」
「早くてもあと15分です!」
「未確認生物数、なおも増え続けています!」
「くっ…!翼が到着するまで持ち堪えられるか…!?」
S.O.N.G司令室で、弦十郎は焦りの声を漏らした。
これまで夜間に出現していた未確認生物が、突然昼間に姿を現したのだから、無理もない。
「それにしても、この数…今まで何処に姿を隠していたんだ?」
「建物の隙間や下水道等に隠れていたのかもしれません。
活動時間を夜から昼に変えたのは、恐らく獲物が姿を見せる時間帯を知ってしまったからなのかも…。」
「いずれにせよ、危険である事がわかった以上、放置は出来ない。
翼や他の装者が到着してくれると良いが…。」
メインモニターを見ながら弦十郎は言葉を漏らすのであった。
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…一方その頃…
「おい!マッカォの群れの所にはまだつかねえのかよ!」
「急がないと大変な事になってしまうぞ!」
「…焦るな。
人の目を掻い潜りながら進むのは困難なのだ。」
ビルとビルの間の狭い道を、アインス達は進んでいた。
アルニとテインが焦っている気持ちもわかる。
彼等にとって、マッカォはかなり弱いモンスターだが、それはあくまでアインス達にとっての話であり、今戦っている者達にとってはそうではない可能性が高いのだ。
しかも、人の目を避けながら進んでいる為、中々進めないでいる。
そんな時だった。
…♫…♫♪…♬♬…
『!』
何処からか、聞き覚えのある歌声が彼等の耳に聞こえて来た。
「この歌声!?」
「ああ!
オレ達がここに来る時に聞こえたのと同じ歌声だ!」
「ここからそんなに離れてないみたい。
歌声の元へ行こう!」
そして、彼等は耳に聞こえて来る歌声を頼りに、足を早めるのであった。
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「はあああっ!」
光線を放ちながらマッカォを倒す未来。
しかし、その表情には疲れが見えている。
それは、響も同様だった。
その理由は単純明解、マッカォの数が全く減らないからだ。
倒しても倒しても、何処からともなく新手のマッカォが現れ、響達に襲い掛かって来る。
キリがないにも程があるという物だ。
「くう…!響、大丈夫…?」
「少しだけ、キツいけど…へいき、へっちゃらだよ!」
飛び掛かって来たマッカォに掌底を打ち込みながら答える響。
その時だった。
『ギキャアッ!!』
「ぐっ!?」
響のすぐ背後のビルの隙間から一頭のマッカォが飛び出し、そのままタックルをして来た。
疲労が溜まり判断力が鈍っていた響は、まともに喰らってしまう。
「響!?」
『ギキイッ!!』
「きゃあっ!?」
それに気付いて思わず視線を逸らしてしまった未来は、マッカォのタックルを喰らってしまう。
2人同時にビルの壁まで吹っ飛ばされ、なんとか立ち上がった時には、マッカォの群れに取り囲まれてしまっていた。
その数、数十頭。このままだと、リンチは確実だ。
取り囲み、じわりじわりと距離を詰めていくマッカォ達。
それに対し、未来を庇う様に立ち上がる響。
そして、群れの内の一頭が、響に飛び掛かろうとしたー
ーまさにその瞬間だった。
ープゥアーン!プゥアーン!プゥアーン!ー
『っ!?』
突然、辺りに高らかな角笛の音が響き渡った。
その音源に視線を向けるマッカォの群れと装者2人。
そこにいたのはー
様々な武器を背負った5人の少年だった。
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「着いたっ!!歌声はここから聞こえて来たよ!」
歌声を頼りに、走り続けて数分。
アインス達は、マッカォの群れがいる場所に到着した。
そこで目にしたのは、2人の少女が数十頭のマッカォの群れに取り囲まれている光景だった。
「おいおい!
案の定大変な事になってるじゃないか!?」
「なんとかしてあいつらの気を引かねえと!」
「アインス、何か持ってない!?」
「丁度良い物があるよ!」
そう言って、アインスはポーチから角笛を取り出す。
吹き鳴らす事によって、モンスターの注意を自分に向けさせるという、少々危険なアイテムだ。
「なるほど、確かにそれを使えば奴等の注意を逸らせるな!」
「うん!それじゃあ、行くよ!」
「「おうっ!」」
「うん!」
「…(コクリ)。」
全員の意志を確認すると、アインスは角笛に口を当てて思い切り吹いた。
その瞬間、戦場…いや、“狩場”に角笛の音色が響き渡った。
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突然辺りに響き渡った角笛の音。
その音源に目を向けると、そこには背中に武器を背負った少年達がいた。
なぜこんな所に?彼等は何者?そんな疑問が響と未来の脳内を駆け巡るが、マッカォの群れの視線が彼等に向けられている事に気付き、そういった疑問を頭の隅に追いやった。
「そこの方!ここは危険だから、早く逃げて!」
彼等を逃そうと、大声で叫ぶ響。
「逃げる?ハッ!笑わせんな!」
「目の前でピンチの女の子を放っといて逃げるなんて、そんな恥ずかしい事が出来るかよ!」
「それでも危険ですから!早く逃げて!」
「それは聞けない相談だね。
ぼく達を、普通の人達と一緒にしてもらっては困るよ!」
「…然り。」
「マッカォの10頭や20頭、僕達にとっては敵じゃない!」
そう言うと同時に、5人はそれぞれの獲物を構える。
そして、マッカォの群れに片手剣を向けながら、アインスは叫んだ。
「さあ、皆っ!狩りを始めるよ!!」
『オーッ!!』
それと同時に、5人の少年達は、マッカォの群れに突撃して行った。
ーこの時、5人の狩りが始まったのであった。ー