『ギギャアッ!!』
一頭のマッカォが、アインスに飛び掛かる。
「ふんっ!せいっ!!」
しかし、その一撃は、アインスの片腕に装着された盾によって防がれ、逆に短剣による反撃を受けて力尽きる。
その背後から、もう一頭のマッカォが飛び掛かろうとするも、防ぐのに使用していた盾によって殴られ、そのまま力尽きてしまう。
「はっ!たっ!オラオラオラッ!ハアッ!!」
その一方で、アルニは両手に握った双剣を振り回し、襲い掛かるマッカォを容赦なく斬り伏せている。
俊敏な速度で振るわれる二つの刃による攻撃には隙がほとんど無く、距離を詰めても一瞬で斬り伏せられてしまう。
この為、現時点で彼に触れられたマッカォは0だ。
「オラオラオラァッ!
ブッ飛ばされてぇ奴から、かかって来やがれ!!」
そのまた一方では、テインが巨大なハンマーを振り回し、大暴れをしていた。
ブォンブォンという風切り音を立てながら、まるでコマの様に回転する。
ハンマーは流石に重量があるので、素早く動き回るマッカォには少々当てにくいが、回転する事によって飛び掛かって来たマッカォが次々と吹っ飛ばされていく。
「ええいっ!やあっ!!」
また一方では、スィーヨが狩猟笛を振り回してマッカォを吹っ飛ばし、響達の元へと向かっていた。
狩猟笛は、振るう度に音色が奏でられ、音が溜まっていく。
そうしている内に、マッカォがスィーヨの周囲に集まり、そのまま取り囲んだ。
「あーもー、ギャーギャー煩いなぁっ!
君達に構ってる余裕はないんだよ!
道を開けてもらうからね!!」
少々イラついた様に言うと、狩猟笛を縦に構えて吹き鳴らす。
辺りに不可思議な音色が響いた、次の瞬間ー
ーーーーー!!!!!
『ギギギャアッ!!!?』
高周波の鋭い音が鳴り響き、マッカォ達が動きを止める。
その隙を逃さず、狩猟笛を振り回しマッカォを吹っ飛ばした。
「フッ!セッ!ハッ!ハッ!ムンッ!…デヤアッ!!」
また一方でも、ゴロウが太刀を振るいながら響達の元へと向かっていた。
長いリーチと扱いやすさが特徴の太刀が振るわれる度に、間合いにいた多くのマッカォが次々と斬り伏せられていく。
そうしてマッカォを斬り伏せながら、ゴロウも響達の元へと向かっていく。
5人の狩人達が参戦した事により、マッカォの数がみるみる内に減っていく。
戦況は傾きつつあった。
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「な…何者なんだ、彼等は…!?」
S.O.N.G司令室で、メインモニターを見ていた弦十郎は驚きを隠せずにいた。
突然姿を現した5人の少年達。
そんな少年達が、未確認生物に対して臆せず蹂躙しているのだから。
「彼等の持つ武器は、フォニックゲインの反応がありません。
つまり…」
「純粋な武器って事?
でも、何処から調達したのかしら。」
「少なくとも、敵ではない様だが…。
油断は出来んな…。」
「…それよりも気になる事があります。
彼等は未確認生物を、“マッカォ”と呼んでいました。
あの生物の事を知っている様です。」
「…コレが終わったら、色々聞く必要があるな。
取り敢えず、未確認生物は“マッカォ”と呼ぶ事にしよう。」
この後の事を考えながら、弦十郎は言うのであった。
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5人の少年達がマッカォを次々と倒して行く光景を見て、
響と未来は目を見開いていた。
「あの子達、凄く強いよ!?」
「それに、戦い慣れているみたい…。一体何者?」
その時ー
「えいやぁあっ!!」
「ハアッ!!」
マッカォの群れを突破して、スィーヨとゴロウがやって来た。
すぐに武器をしまうと、2人に駆け寄る。
「やっと着いた!
2人共、大丈夫!?」
「え、えっと…はい。怪我はしてない…です…?」
「それなら良かった!」
「…しかし、万が一もある。
一応、コレを飲んでおくのだ。」
そう言いながら、ポーチから青緑色の液体が入った小瓶を2つ取り出し、2人に差し出す。
「これは?」
「応急薬だよ。
軽傷なら1発で治せる位の効果はある。」
「「…。」」
一瞬顔を見合わせるが、彼等は信用できると判断し、
そのまま小瓶の中身を飲んだ。
「…!?」
その瞬間、体に付いていた傷があっという間に消えて行った。
その効果に、2人は驚きを隠せない。
「大丈夫?」
「あ…うん!大丈夫だよ!」
「…ならば良し。」
「2人共、戦える?」
「うん…まだいける気がして来た!
未来もいけるよね?」
「もちろん…だよ!」
立ち上がりながら響と未来は答えた。
「それじゃあ、もう少し頑張ろう!
“マッカォ”もアインス達のお陰でかなり数が減ってきてるし、このまま押し切ろう!」
「…マッカォ?
もしかして、あの生き物の名前?」
「…然り。だか、詳しい説明は後だ。」
「…そうだね。詳しい事は…」
「後で!」
そうして、響と未来の2人も戦線に加わった。
「私も負けられない!」
そう言いながら扇子を構える未来。
すると、扇子が円形に展開され、そこから細かい光線が放たれた。
ー『閃光』ー
放たれた光線は大量のマッカォに命中した。
「なんの!私だって!」
それに対抗する様に、腕のアーム部分を掴み撃鉄を起こすと、そのまま拳を突き出す。
その瞬間、衝撃砲と言うべき光線が放たれた。
ー『我流・燕撃槍』ー
射程上にいたマッカォは次々と吹っ飛ばされて力尽きる。
「す、凄い…。」
狩猟笛を振り回してマッカォを吹っ飛ばしながら言う。
そうこうしている内に、マッカォは一頭だけになった。
「ラストワン!テイン!!」
「コイツでブッ飛べやオラァアッ!!!!」
最後の一頭に、ハンマーを全力フルスイングするテイン。
フルスイングを喰らったマッカォは、吹っ飛ばされてビルの壁に激突し、力尽きた。
「ふう…いっちょ上がりだぜ!」
「うん!クエスト完了!皆お疲れ様!」
アインスの宣言と共に歓声をあげるテイン達。
「やれやれ。
一時はどうなるかと思ったけど、なんとかなって良かった。」
「ねえ!
さっきは一緒に戦ってくれて、ありがとう!」
「いや、お礼を言われる程ではないよ。
僕達は、自分達のやれる事をしただけだからね。」
「それでも、私達を助けてくれた事に変わりはないよ。
本当にありがとう。」
「…えへへ。なんだか照れ臭いや…。」
そうして穏やかムードになっていた時、一台のバイクが走って来た。
「ん?あの乗り物は?」
「あっ、多分翼さんが来たんだ。」
「それって、君の仲間かな?」
「うん。」
走って来たバイクは、響達の側で停車する。
「立花…例の未確認生物は…?」
被っていたヘルメットを取り周囲を見回しながら尋ねる翼。
「あー…えっと…。」
「ごめんなさい。もう終わったんです。」
「何…?」
「お前、この2人の仲間か?
マッカォならもう狩り終わったぜ。」
ハンマーを担ぎながら言うテインに目を向ける翼。
「立花。この子達は?」
「私達と一緒に戦ってくれたんです。」
「一緒に?
…そうか。君達が司令の言っていた…。」
「えっと…?」
不安そうな表情になるアインス。
それを見て、翼は優しい笑みを浮かべた。
「ああ、心配はいらない。
立花達を助けてくれたのだろう。
感謝する。」
「それはどうも…。」
少し緊張しながらもペコリとお辞儀をするアインス。
その時、翼の通信機がアラームを鳴らした。
「はい。こちら翼です。
今現場に到着しましたが、既に状況は終了していました。
…はい…はい…わかりました。」
通信を切ると、アインス達を真っ直ぐに見つめる。
思わず背筋を正すアインス達に翼は言った。
「…申し訳ないが、今から私達と来てくれないだろうか。
司令があなた達と話をしたいらしい。」