戦姫と狩人   作:暇を持て余す火の玉

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第7話:戦姫と狩人の交流

「…ん…んん〜…!よく寝たぁ…!」

共闘同盟が締結された翌日の朝、アインスはベッドから伸びをしながら起き上がった。

 

「こんなに寝心地のいいベッドで寝たのは、生まれて初めてだよ。

S.O.N.G.の人達がいい人でよかった!」

此処は、S.O.N.G.潜水艦内の生活スペース。

弦十郎がこの世界に滞在している間の生活場所として提供してくれたのだ。

流石に5人全員が同じ部屋に入ると狭いので、それぞれ3人と2人ずつに分かれているのだが。

 

「うーっす。おはよう、アインス。」

「おはよう、アルニ。よく眠れた?」

「ああ!よく眠れたぜ!!

今日も頑張れそうだ!」

「ふふっ、良かった。

さあ、テイン達を起こしに行こう。」

そう言ってアインスとアルニは隣の生活スペースに入った。

 

「…アインス達か。」

「おはよう、ゴロウ。」

「…相変わらずお前の寝方は独特だなぁ…。」

苦笑しながら呟くアルニ。

その理由は、ゴロウは壁に寄りかかりながら寝袋の中で寝ていたからだ。

モンスターや夜襲に備えてとの事らしいが…。

 

「流石に此処にはモンスターは来ないって。」

「…万が一の時、素早く行動出来なかったらどうする。」

「だからってな…いや、もう良いぜ。

それより、テインはまだ寝てるみたいだな…。」

ベッドを見ながら呟くアルニ。

その視線の先では豪快ないびきを立てながら眠っているテインがいた。

 

「ンガガァー…ZZZ…ンゴゴォー…ZZZ…」

「…こっちも相変わらずだね。」

「お前、よく眠れたな…。

俺だったらうるさくて不眠症になるぞ…。」

「耳栓は必須だったよね…。

さて、起こそうかな。おーい、朝だよー!」

ユサユサと肩を揺さぶると、ムックリと体を起こした。

 

「ファア〜…ア…。アインスか…おはよーさん。」

「おはよう、テイン。あれ?スィーヨが見当たらないけど…。」

「…スィーヨなら、早朝に起きて何処かへ行った。

何やら浮かれている感じだった。」

「スィーヨがウキウキする事って言ったら…。」

「…自分の知識を誰かに教える事だな。

という事は…エルフナインの研究室か?」

「…恐らく。」

「よし、行ってみよう。」

そうして、アインス達はエルフナインの研究室に移動した。

 

「…種類についてはこんな感じかな。」

「なるほど…。

鳥竜種、獣竜種、飛竜種、海竜種、牙竜種…“竜”とつく種別だけでも色々存在するんですね。」

「そう。

しかも、それらは自分達が生息する環境に合わせて様々な進化をして来たんだ。

同じ種別でも、住んでる環境によって姿や食性が全く異なるし、知れば知る程奥が深いんだ。」

「そうなんですね…もっと教えて欲しいです!」

「勿論!何処から話そうかな…。

やっぱり飛竜種からかな?」

「あー…オホンッ!その続きは後にして貰えるかな?」

「あっ!アインス!?

いつからいたの!?」

「種類について語り終わった辺りからだよ。

エルフナインさんも自分の仕事があるんだし、今日は残りの装者と挨拶をするんだから、一旦ストップね。」

「わかった。それじゃ、また後でね。」

「はい。お待ちしてます!」

「それじゃ、朝ごはんを食べに行くよ。」

そうして、アインス達はエルフナインの研究室を後にし、食堂に向かった。

食堂には、S.O.N.G.オペレーターの“友里 あおい”と“藤尭 朔也”の姿があった。

 

「2人共、おはようございます!」

「おはよう。

皆も朝ごはんを食べに来たの?」

「勿論だ!腹が減っては狩りは出来ぬってな!」

「ここの食事のレパートリーが豊富で助かったぜ。

ゴロウは和食しか口にしないからな…。」

「向こうの世界にいた時も、そんな感じだったのか?」

「そう。

ただ、新大陸での食事には和食が存在しないから、嫌々食べてたって感じだけどね…。」

「…色々大変だったのね…。

確か、今日は他の装者と顔合わせをするんだったわよね。」

「そう。初めの挨拶は大事だからね。

という事で、さっそく朝食と行こうか!」

その後、朝食を食べたアインス達は生活スペース内で武器の手入れ等をしていた。

それから10分後、アインス達は司令室に集まっていた。

司令室には、アインス達が初めて見る少女達が集まっていた。

 

「…という事で、改めての紹介だ。

並行世界からやってきた、5人のハンター達だ。

左から順に、アインス、アルニ、テイン、スィーヨ、ゴロウという。

彼らは今回の事態において、我々に協力してくれる。

心強い仲間として歓迎してほしい。」

「話は昨日の通信で聞いていたわ。

私はマリア・カデンツァヴナ・イヴよ。」

「なっげえ名前だな。

呼びにくいからマリアで良いか?」

「ええ、構わないわ。

他の皆もそう呼んでいるから。」

「次はあたしだな。

雪音クリスだ。よろしく頼む。」

「ああ。よろしくな。」

「次は私。月読調だよ。」

「よろしくね。

それにしても、背低いね。」

「それは、僕達も同じだよスィーヨ…。」

「最後はあたしデース!

暁切歌デス!!」

「マリアさん、クリスさん、調さん、切歌さんだね。

改めて、よろしくお願いします!」

代表して、アインスが深々とお辞儀する。

 

「さて、これからの活動方針だが…。

まず、モンスター達がどこからこの世界に流れ着いているのかを調べる必要がある。」

挨拶が済んだところで、弦十郎は真剣な表情で言った。

 

「ああ。

マッカォ達も、俺達と同じ経緯でこの世界に来たと考えた方がいいな。」

「ギャラルホルン経由でこの世界に来たのなら、何処かにギャラルホルンの出口が出来ている筈よ。

問題は、その出口が何処にあるのかなのだけれど…。」

「虱潰しに探すにしても、アイツら色んな所から現れるからなぁ…。」

「それに、ギャラルホルンの出口が1つだけとは限らないよ。」

「そうか!俺達が通ってきた出口か!!」

「うん。」

さてどうしたものかと考え込む一同。

そんな時だった。

 

「…ん?司令!少し良いですか?」

「藤尭?どうした。」

「民間の方からの通報です。

どうやら、マッカォの群れを目撃したらしいです。」

「なにっ!?」

「また出たのか?それなら、また狩ってやるだけだぜ!」

「詳細な情報は?」

「数は以前のような大群ではなく、数頭程の小さな群れだそうです。

ただ…。」

突然言葉を濁らせる藤尭。

 

「ただ…どうした?」

「ただ…その群れの中に、一頭だけ普通とは異なる個体が混じっていたとの事です。」

「普通とは異なる個体、だと?」

「同じ様な内容の通報が、何件か届いています。

どれも、群れの中に一頭だけ、普通とは異なる個体がいたようです。」

「ふむ…。」

「普通とは異なる個体って、具体的にはどう違うんだよ?」

当たり前に抱く疑問を口にするクリス。

 

「ちょっと待って…どこかの監視カメラに映ってるかもしれないわ。」

「すぐに調べてみてくれ!」

「はいっ!」

そう言うと同時に、パネルを素早く操作し監視カメラを次々と検索する。

…すると。

 

「…!ありました!

都市部近郊のビルに設置されている防犯カメラにそれらしき物が!」

「モニターに映します!」

すぐに、メインモニターに映像が映し出される。

映像を見てみると、マッカォが数頭、軽い足取りで走っていっている。

やがて、マッカォが6頭程通り過ぎて行った頃だった。

 

『っ!?』

「な、なんだアレは!?」

映像に映ったソレを見て、一同は驚きを隠せない。

なぜならばー

 

他のマッカォよりも大きな体格のマッカォに似た外見の生物が映っていたからだ。

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