朽ちぬ花の花言葉   作:ゆゆゆ民

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書き貯めからニ話をドロー!


ニ話

奇妙な浮遊感から解放され、軽い酔いのような感覚に体を慣らしつつパチリと目を開ける。

 

「......悪趣味。」

 

目の前にあったのは、じっとりとした嫌な空気を醸す薄暗い地下牢。どうやら山奥の自然洞窟を改造して作られているらしい。

壁に並んでいる鉄格子の奥からは嗅ぎ慣れた鉄錆と酸い臭いが漂って、ここで何が行われていたかを懇切丁寧に教えてくれる。

 

「っ......最低でも、七十人......」

 

なぜもっと早く発見できなかった、と己を戒めつつ、足音を殺して石造りの床を歩いていく。

そうして向かった通路の突き当たりには、一際目を引く二メートルほどの鉄扉がそびえ立っていた。

 

扉に耳をあて室内の音を盗み聞くと、この場所を管理している主であろう数人の男の声。

あまり大きな音では無いため内容は分からないが、人数と位置は把握できた。

扉から少し離れて背中の刀を抜き、ヒュッ、と振り抜けば三分割された扉が崩れ、男達の驚きの声があがった。

 

「何者だ!」

 

「ここに侵入者だと!?」

 

中に居たのは聞こえた通り四人、生かしておく必要があるのは一人、それ以外に用はない。

瘴気を刀に伝わせ刃を返して駆け抜けざまに三人を打ち、魂を破壊する。

後に残ったのは人だったモノと、首に刀を添えられ尻餅をついた仮面の男一人。

こいつも同じ結末を迎えることに変わりはないけれど、その前に少し"お話し"しなくては。

 

「きっ、貴様!我々に手を出せば天教団が黙っては『パキン』ぅぐぁぁ!?」

 

「指の一本折れた位で大袈裟だね?自分はもっと酷いこと沢山してきたっていうのに......まぁいいや。他の拠点とか色々、教えて?」

 

見れば、踏みつけている男の手がカタカタと震えている。

全く、わざわざ美少女がお願いしてるのに怯えるなんて変な人だなぁ......?いやまぁ、どうでもいいが。

 

「こんな事をしてっ、タダで済むと思っ『パキン』ぎぃっ!?」

 

全く、余計な口を利くのがよほど好きらしい。

私にも後始末やら明日の仕事やら色々ある。こんなつまらない事に時間をかける暇は無いのだ。

 

「ほら早く喋って?」

 

『パキン』

 

「痛いの嫌でしょ?」

 

『パキン』

 

「叫んでるだけじゃ何にも伝わらないよ?」

 

『パキン』

 

『パキン』

 

『パキン』............

 

 

 

「あーあ、結局ろくに情報も吐かないまま気絶しちゃって......もういいや。」

 

頭を掴み瘴気を流していつも通り魂を破壊し、部下に連絡してさて帰ろう。と思ったところで違和感を覚えた。

壁際の大きな薬品棚の裏、その奥から巧妙に隠されているが神気......いや、呪いのようなモノが感じ取れた。

 

棚を横にずらすと、入り口の鉄扉よりもかなり小さい、普通の木の扉があった。

......まぁ、普通と言っても扉に隙間すら無いほどビッシリと貼り付けられてはいる札に目を瞑れば、だが。

取り付けられた取っ手を引くと、きぃ、と音を立てて扉が開き真っ暗な洞穴が見えた。どうやら一般家庭の浴室程の広さは有るらしい。

中に何があるか探ろうと一歩踏み出す、その時だった。

 

「............だ......れ?」

 

呪いで澱んだ闇の奥から微かな声が聞こえ、奥にじっと目を凝らして、ハッと息を呑んだ。一際深く呪いの溜まった場所に誰かが捕らえられている。

 

「っ、大丈夫ですか!?」

 

そう言って駆け寄り、肌を灼く呪いを無視しその誰かを抱え起こして顔を見た私は、更に大きな驚きに包まれた。

なにしろ、ひどく見覚えのある顔だったのだ。

私の知る彼女より幾らか幼く、やせ細っているが、

 

「友奈......!?」

 

私にとって絶対に忘れられない人の、今は何世代にも渡って神殺しの力を持つ証であるその顔だった。




原作キャラ現在未登場......まるでオリ小説みたいだぁ......
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