ファンタジア!~異世界転移した私は勇者を目指します~   作:ヤマタ

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第59話 暁のタイタニア

 アンフェルダウンの結界へと侵入し、詩織達は倒すべき魔龍ドラゴ・プライマスとルーアルに立ち向かう。恐ろしい形相をしたドラゴ・プライマスは強いプレッシャーを放っており、常人なら立ち竦んでしまうだろうが詩織はむしろ闘志を燃やしている。

 

「怯えもせず、この我に立ち向かう勇気だけは褒めてやろう。だがそれだけでは勝てぬ。力の差、見せつけてやる!」

 

 ドラゴ・プライマスの翼に魔力が集中し、眩く発光して多数の魔弾を発射した。ダークオーブの手助けもあって圧倒的な火力を発揮し、リリィとシエラルは回避に専念するが詩織は左手に握ったガーベラシールドで的確に魔弾を防ぎながら接近していく。

 

「当てる!」

 

 聖剣グランツソードではなくシオリリウムロッドを右手に装備し、ドラゴ・プライマスの顔面めがけて魔弾を放つ。敵の攻撃を防御しながらなので精密なコントロールをしている余裕はないが正確な照準で魔弾は飛翔していく。

 

「こざかしい技を!」

 

 ドラゴ・プライマスは首を傾けて魔弾を避けるが、その詩織の魔弾に気を取られて動作が鈍った。その隙を突いてシエラルが魔剣ネメシスブレイドに魔力をチャージする。

 

「沈め!デモリューション!!」

 

 紫色の輝きが魔剣を包み込み、魔力の刀身を形成してドラゴ・プライマスへと伸びた。シエラルをただの適合者と内心見下していたドラゴ・プライマスは予想以上の攻撃が迫って来たことに焦るも、図体が大きいことが災いして回避は間に合わない。

 

「しかしこの程度でな!!」

 

 咄嗟に展開した魔力障壁で大技デモリューションを防ぐことには成功したが、魔力障壁は砕けて無防備となる。そこにリリィの魔弾が飛び、ダメージとはならないでも目くらましのようになった。

 

「そこだっ!!」

 

 シエラルとリリィの連携でドラゴ・プライマスが怯み、そこへ大きくジャンプした詩織の聖剣が振り下ろされる。

 

「ぬぅ!」

 

 胸部のダークオーブを切断され、ドラゴ・プライマスはよろけた。ダークオーブを破損したことで戦闘力は落ちてしまい、これでは使用できる魔力も減ってしまう。

 そんな魔龍に更なる追撃を行おうとした詩織だが、魔女ルーアルの魔弾に妨害されて退かざるを得ない。

 

「あの魔女はワタシが倒す!シオリ、魔龍を任せられるか?」

 

「はい、任せてください!」

 

「すぐに合流するからな」

 

 詩織の魔力こそ魔龍への有効な武器だ。だからこそ詩織がドラゴ・プライマスとの戦いに集中できるようシエラルはルーアルへ襲い掛かる。

 

「貴様の相手はワタシだ!」

 

「つくづく私の邪魔をするヤツだな!」

 

 親子揃っていけ好かないヤツらだと思っていたルーアルは、シエラルへの怒りを魔弾に乗せる。だがその強烈な一撃は容易に回避され、近接戦へと持ち込まれそうになることに焦りを感じていた。

 

「何が皇帝一族だ!所詮人間の分際で調子に乗りおってからに!」

 

「確かに皇帝の血族だからと偉そうにするものではないな。だが、そうやって他者を見下す貴様こそ何様のつもりだ」

 

「魔女だぞ!」

 

 感情の昂っているシエラルはいつも以上の高機動でルーアルの至近距離に迫り、魔剣が振るわれた。

 

「ちっ!」

 

 杖を魔力でコーティングして魔剣をガードするも、強力な斬撃のせいで弾かれる。姿勢を崩したルーアルは隠していたフォースダークオーブを展開し、そこからシエラルを狙った魔弾が撃ち出された。

 

「これで二体一と同じだ!」

 

「だからどうした!」

 

 ルーアルの近くに滞空するフォースダークオーブは自動砲台のように援護射撃を行うが、熟練のシエラルは脅威だとは感じていない。射線を完全に読んでおり、ルーアル自身の魔弾を弾きながら再び目の前に迫った。

 

「このままでは・・・」

 

 ドラゴ・プライマスの援護も期待できない今、シエラルを自分で対処せざるを得ず、劣勢に追い込まれているなという気持ちを振り払いつつ対峙する。

 

「ならばな!」

 

 シエラルの背後にフォースダークオーブを移動させ、魔力を暴走させる。

 

「何をっ!?」

 

「死ねよ!」

 

 フォースダークオーブは漆黒の魔力を放出し、爆散した。魔弾が飛んで来るものだと思っていたシエラルは予想外の攻撃を受け、爆圧で吹き飛び床に転がる。

 

「私の勝ちだな」

 

 結界内の地面は無限に広がっているわけではなく、半透明の円形で端があった。ルーアルはその端近くに倒れたシエラルを踏みつけ、地面の途切れた先の宇宙にも似た奈落へと落とそうとしている。

 

「この結界は捻じれた時空のハザマにある。つまり、ここから落ちれば歪んだ時空に呑み込まれて永遠に虚無空間を漂うことになるのだ」

 

 それは拷問に近い。もしかしたら運よく別世界にでも行けるかもしれないが、間違いなくこの世界には戻ってはこられないだろう。

 

「じゃあな」

 

 そんな空間にシエラルを蹴り飛ばそうとしたが、

 

「甘いな、貴様は」

 

「なっ!?」

 

 シエラルはルーアルの足を掴み、横に払う。思わぬ反撃を受けたルーアルは杖でトドメを刺そうとするがもう遅い。

 

「虚無に消えるは貴様だ!」

 

 痛む体を立ち上がらせて魔剣を振りあげ、杖を持ったルーアルの右腕と片翼を切断する。

 

「ば、ばかな!」

 

「さようならだ」

 

 回し蹴りがルーアルの腹部に直撃し、ルーアルはそのまま時空の捻じれの中へと落下していく。翼を斬られてしまったために飛ぶこともできず、自分が負けたことが信じられないという驚愕の表情で暗黒の渦へと消えていった。

 

「くっ・・・!」

 

 ルーアルを倒すことには成功したがフォースダークオーブの自爆でダメージを受けており、シエラルは視界がくらんでその場に倒れた。

 

 

 

「もう許さん!」

 

 ルーアルが消滅するのを視界の端に捉えていたドラゴ・プライマスはヴォーロクリスタルを持ち、それを右腕と融合させた。すると右腕がクリスタル製の巨大な剣へと変異し、大きく振りかざして詩織とリリィを威嚇する。

 

「そんなことができるのか・・・・・・」

 

 あまりにも凶悪なドラゴ・プライマスの大剣に気持ちが圧倒されるが、詩織は聖剣を構えて引き下がらない。魔女を引きつけてくれたシエラルの頑張りを無駄にはしたくないし、最も倒すべき相手なのだから逃げるなんてことはしたくないのだ。

 

「図体が小さい、力は貧弱、おまけに空を飛ぶための翼もない。そんな下等生物の人間如きが魔龍に逆らうなど!」

 

「確かに私には翼はない。でも私は天使になるつもりはないし、そんなモノが無くたって地に足を付けて生きていく。一人一人の力が弱くたって、人間は力を合わせて大きな事も成し遂げられる!」

 

「一人で強くなければゴミなのだよ!自分以外のヤツなど利用するだけの駒に過ぎん!」

 

 ドラゴ・プライマスは翼を広げて飛び上がり、滑空しながら詩織とリリィに斬りかかった。まるで大型トレーラーのような大剣が空気を振動させながら迫り、かろうじて二人は回避する。

 

「リリィ、大丈夫?」

 

「ええ。でもあんなデカブツが直撃したら即死ね」

 

 聖剣でも防げるか分からない。防御は命取りになるだろう。

 

「いつまでも避けられると思うなよ、小娘ども!」

 

 ちょこまかと斬撃を回避する人間に苛立ちを募らせたドラゴ・プライマスは口を開き、魔力を収束させて火炎を吐き出した。灼熱の炎が地面を焦がし、詩織とリリィを取り囲む。

 

「チッ・・・行動範囲を狭める作戦ね」

 

 これでは大剣を避けても炎に焼き殺されてしまう。リリィは詩織と共に燃えあがる地点から後退しようとしたが、

 

「遅いな!」

 

 広げられた翼からいくつもの魔弾が撃ち出され、その一発がリリィの近くに着弾して爆発に巻き込まれてしまった。

 

「リリィ!!」

 

 幸いリリィが倒れた場所は炎上していないが、このままではトドメを刺されてしまう。詩織は捨て身の勢いでドラゴ・プライマスに突進し、聖剣で斬りつけた。

 

「それで我を殺せるものか!」

 

「くっ・・・!」

 

 聖剣はドラゴ・プライマスの大剣に防がれ、弾かれてしまう。そしてお返しとばかりに魔弾を照射してきた。

 

「やらせない!」

 

 魔弾はギリギリで当たらず、冷や汗をかきながら詩織はガーベラシールドのトリガーを引いて拡散魔道砲でドラゴ・プライマスの胴体を撃つ。いくらかのダメージは与えられたが致命傷にはほど遠くあまりにも火力不足だ。

 

「この勝負、もらった!」

 

 勝機は自分に有りと強気なドラゴ・プライマスは詩織へと一気に接近し、左手でパンチを繰り出した。

 それを当然回避する詩織だが、その回避先を読んでいたドラゴ・プライマスは大剣を振るう。

 

「あぐっ・・・」

 

 敵の斬撃を避けるのは不可能と判断して詩織は仕方なく聖剣で防御を行う。だが鍔迫り合いなどにはならず、歴然たるパワーの差で吹き飛ばされて地面に転がった。

 

「そんな・・・・・・」

 

 詩織の力を体現し、いくつもの敵を葬ってきた聖剣グランツソードの刃が折れていた。いくら勇者用の特殊な魔具とはいえヴォーロクリスタルで形成された大剣相手には分が悪かったようだ。

 

「これまでだな」

 

 余裕の表情をしたドラゴ・プライマスが近づいてくる。魔弾ではなく、その手で確実に仕留めようとしているようだ。

 

「シオリ・・・・・・」

 

 ダメージを引きずるリリィは必死に立ち上がり、詩織の元を目指そうとするが痛む足では一歩さえ踏み出せない。

 

「終わりだな、勇者」

 

 こんなところで終われるかと詩織は策を考え、ひとつの希望を見出した。

 

「アレは・・・・・・」

 

 詩織の視界に入ったのはソレイユクリスタルだ。ドラゴ・プライマスが魔力障壁を展開するために設置したもので、障壁が破られた後は忘れ去られていた。

 

「いけるか・・・?」

 

 ドラゴ・プライマスがやったように武器として使えるかもしれない。この劣勢を覆すためには確証がなくとも試してみるしかないのだ。

 だがソレイユクリスタルを回収するにはどうしても隙ができてしまう。それでなくてもドラゴ・プライマスはもう近くに来ている。

 

「シオリ!」

 

 詩織の意図を察したリリィはソレイユクリスタルを取りに行くよう目線で伝え、シオリリウムロッドを構えてドラゴ・プライマスへと魔弾を飛ばした。全く傷は与えられないが、これは魔龍を倒すための攻撃ではない。

 

「悪あがきを!」

 

 ドラゴ・プライマスの注意がリリィに向けられる。

 

「今!」

 

 その一瞬を見逃さない詩織が駆け、ソレイユクリスタルを手に取った。そして半壊した聖剣に押し当てる。

 

「何をっ!?」

 

 リリィを殺そうとしたドラゴ・プライマスだったが詩織から強い魔力を感じて向き直り、何をしたのかを悟った。

 

「貴様!我に張り合う気か!」

 

 聖剣の刃が復活していた。否、ソレイユクリスタルと融合して進化したと言っていいだろう。詩織達の立つ地面のように透き通り、穢れの無い刃は間違いなくクリスタルによって形作られたものだ。

 

「ソレイユグランツソード・・・これがお前を討つ聖剣だ!」

 

「魔具を直せたからと調子に乗るなよ!またへし折ってやる!」

 

 詩織はパワーアップした聖剣ソレイユグランツソードに魔力を流して大技を放つ準備を始め、それを察知したドラゴ・プライマスは右腕のヴォーロクリスタル製大剣を振りかざして阻止しようとしたが、側面から紫色の魔力の奔流を受けて姿勢を崩す。

 

「遅くなったな」

 

 全ての魔力を消費し、渾身の大技を放ったシエラルが詩織にサムズアップする。

 

「闇を裂く光・・・夢幻斬りっ!!!!!」

 

 高く掲げられた聖剣ソレイユグランツソードからまるで太陽光のような閃光が立ち昇った。この結界をも貫くような輝きで、詩織はそのまま聖剣を振り下ろす。

 

「バカなっ!そんな力があるのか!?」

 

 シエラルの大技でよろけていたドラゴ・プライマスは飛び立つこともできず、右腕の大剣に全魔力を流して防御する。しかし聖剣とクリスタルという二つの神秘の組み合わせは単なる乗算ではなく計測不能な性能を発揮し、詩織の魔力も相まってドラゴ・プライマスをも超える力となった。

 

「勇者っ・・・我を、貴様はぁぁぁああああ!!!!!!!!!!!!」

 

 大剣は砕け、夢幻斬りがドラゴ・プライマスの頭部を切断。そのまま胴体も光の中へと消えていき、災厄を振り撒こうとしていた魔龍の長は完全に消滅した。

 

「勝ったんだ・・・・・・」

 

 詩織は力を使い果たして座り込み、聖剣を見つめる。もうここに敵はおらず、魔龍の野望は詩織の手によって見事打ち砕かれたのだ。

 

「シオリ、さすが勇者ね」

 

「みんなで掴んだ勝利だよ」

 

「ふふ、相変わらず謙虚なのね」

 

 リリィが詩織を抱き寄せ、その頭を優しく撫でる。疲れた詩織はその心地良さに心底安堵していた。

 

「メタゼオスを代表してお礼を言うよ。ありがとう、シオリ」

 

「こちらこそありがとうございます。シエラルさんの助けが無かったら勝てませんでした」

 

 差し出されたシエラルの手を握り、辛い戦いを共に乗り越えた戦友として互いを褒め合う。

 

 巨敵を倒した詩織達は結界から元の世界へと帰還し、アイリアやミリシャ達と合流した。彼女達もアンフェルダウンに巣食っていた敵を蹴散らし生き残っていたのだ。そして詩織達の生還と勝利を喜び、こうしてリリィストーム作戦は人類の勝利で幕を閉じたのだった。

 

 

 

 

 

 アンフェルダウンでの決戦から約三か月が経ち、詩織は新たな旅立ちを迎えようとしていた。まだ夜明け前であるが、荷物をまとめた詩織は与えられた部屋を一瞥する。

 

「これで準備は完了かな」

 

 荷物といってもこの世界における詩織の私物など無いに等しいので食料やサバイバル用の道具類などだ。

 部屋を出た詩織はそのまま城門へと向かい、既に用意の済んでいたリリィ達と合流した。

 

「おまたせ、リリィ」

 

「準備はもう大丈夫?旅に出たら暫くは帰れないからね」

 

「うん。いつでも行けるよ」

 

「よし」

 

 リリィは詩織に頷き、見送りに来てくれたクリスやアイラ、ターシャへと向き直る。

 

「では出発します」

 

「うむ。この旅の目的は分かっているな?」

 

「はい、クリスお姉様。他国を直接視察し、政治や文化を学んで今後に活かすためです」

 

「そうだ。リリィは王族なのだから今後は政治にも関わっていかなければならない。だから今のうちに見識を広め、より成長することが目的だ」

 

 リリィはこれまで政治や国家運営に関わることはなかった。だが国王デイトナが亡くなり、新しい世代に引き継がれたタイタニアの中ではリリィも王族として立ち振る舞わなければならない。そのためにタイタニアやメタゼオスだけでなく、他の国についても学ぶよう指令を受けたのだ。

 

「道中は気を付けるのだぞ。ドラゴ・プライマスを討伐したことで異質な魔素の流出は止まって凶暴化した魔物も落ち着きを見せはじめたが、完全に影響が無くなったわけではない」

 

「分かりました。気を付けます」

 

「もし何かあれば帰ってこい。命を落としては意味が無いからな」

 

 国王としてではなく姉としてのその言葉は優しかった。

 

「シオリ、リリィのことを頼んだぞ」

 

「はい。必ずリリィを守り抜いてみせます」

 

「キミは名実ともに立派な勇者だ。異世界から来たりし適合者だから勇者なのではなく、本物のな。そんなシオリがリリィの傍に居てくれると頼もしいよ」

 

 伝承の魔龍ドラゴ・プライマスさえ討った詩織は勇者として注目の的になっていた。本人としてはまだ実感があることではないが、その実力と名声はタイタニア中で轟いており、もう本当に勇者だと言って差し支えない。

 

「そういえば、メタゼオスの新皇帝になったシエラルから伝言を預かっているぞ。”キミ達の旅の無事を願っている。帰還したら生まれ変わったメタゼオスに招待しよう”とな」

 

 魔龍との戦いで疑いが晴れたシエラルは新たな皇帝としてメタゼオスを率いていくことになった。彼女ならナイトロのように道を踏み外すことはないだろうし、側近として支えるイリアンと共に良い国造りをしていくことだろう。

 リリィは旅が終わったら顔を見せてやろうと脳内にメモしつつ、気になっていることをターシャに訊いた。

 

「ターシャはこれからどうするの?」

 

「新設される特務部隊ハウンドの指導を行うことになりました。私自身の体も治療の効果で少しずつ回復し始めていますし、いずれは前線に復帰することも考えています」

 

「ターシャなら上手くやれるわ。それと、今までわたしの指導をしてくれてありがとう。こんなわたしでも見捨てないでいてくれて」

 

「お礼を言うのは私のほうです。リリィ様の教育係に任命されて良かったですし、とても有意義な時間でした。これからもリリィ様のご活躍を楽しみにしています」

 

 教育係の任は解かれたが、ターシャがリリィの師であることはこれからも変わらない。リリィの心の中ではターシャの教えは確実に根付いている。

 

「じゃあそろそろ行きましょうか。ミリシャとアイリアが城門前で待っているわ」

 

「うん」

 

 リリィが詩織の手を引いて二人は城を出て門へと歩き出す。空は白み、夜明けの時はもう近い。

 

「これからもよろしくね、シオリ」

 

「こちらこそよろしく、リリィ」

 

 見つめ合う詩織とリリィを暁の光が包んでいく。

 

 

 異世界転移し、何よりも大切な人と出会った詩織の新しい人生がここから始まる。

 これは後世まで語り継がれる勇者詩織の物語。

 

 

         -完-


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