ゲルマニクスはもういない
「ドルススよ。お前もそう思うのか?」
昼頃に我が息子ドルススが、是非申し上げたいことがあると言うので元老院の議場にて話を聞くことになった。
現れたのは私の息子ドルススと、その息子の命の恩人であり私の身を守る近衛隊の長官を任せている勇敢な功労者である元給仕のシュルカヌスであった。
シュルカヌスが言うことは要するに、ゲルマニクスの血族との精神的な和解をせよと、そう言う内容であった。
…難儀であるが、私とて考えたことがないわけではない。
だが、軽いことではないことはシュルカヌスも理解しておるはず。
ましてやドルススは尚よく知っているはずだ。
では何故…。
故に、私は皇帝として、そして同時に父として臣下である息子に問うたのだ。
「陛下。私の命を救ったのは他ならぬシュルカヌスです。しかし、その恩以上に私は彼の能力を買わざるを得ないのです。」
「それは何か?」
「その包容力です。陛下。」
包容力?
「何故それを買うのであるか?」
「それはわざわざ名前を変えた近衛隊の長官に、功績を吟味したとしても早々に登用された父上がよく知るところかと。」
私が、よく知る、と。
確かに、ドルススの言うことは一理ある。
セイヤヌスを誅殺したとはいえ、腹心に有能な軍人がいなくなったわけではない。
だが、何故私は敢えて給仕の出のシュルカヌスを選んだのか?
私は自分が思っている以上に息子の命の恩人を高く買っているからか?
単なる功績を讃えてのことか?
いや…それ以外に思いつくことといえば一つだけだろう。
私は息子の痩けた身体を満たしてくれた恩人に私の身を守る任を与えた。
息子は私の元によく訪れるようになった。
シュルカヌスのもと、つまり私の執務室だ。
強くシュルカヌスという男を慕っていることがわかった。
私は何故か強く安心を抱いた。
父親としてありたい私はシュルカヌスに幾度となく声をかけた。
どこの生まれなのか?
どうしてドルススの誘いを断ってまでアグリッピナの給仕として仕えたのか?
…今思ってみれば私はいつのまにか私事を話すほどにシュルカヌスに心を開いていたのか。
…息子との、ドルススとの間で会話が増えたのもまた、シュルカヌスによるところが大きい。
シュルカヌスは人と人とを繋げてくれる。
ドルススはそう言いたいのやも知れん。
シュルカヌスは長官になってからしきりに近衛隊の部下へこう言っていた。
「然るべき時に仕事を始め、然るべき時に仕事を完遂する。」(訳:定時出勤。定時退社。俺の仕事を増やさぬように!)
それは貴賎に関係なく重要だと。
私にとって、ゲルマニクス一族との和解を果たすのに然るべき時は今だと言うのか?
「父上…お分かりいただけたでしょうか。」
「……」
「悩まれるのは構いません。父上も人間です。しかし、同時に皇帝でもあります。なにがローマにとって重要であるか。よくお考えください。」
「いや。もう構わん。…シュルカヌスよ。」
「はっ!」(俺?)
「ありがとう。ようやく目が覚めた。かような過去の些事…貴様が私とドルススに与えてくれた恵みに比べるまでもなかったな。」
「父上…。」
「滅相もありません…。」(え??俺が何したって?)
「よかろう!大アグリッピナの罪科、その全ての判決を取り消しののち、大々的に名誉回復に叙すこととする!」
「ありがとうございます!」(よくわかんないけど良かったね!ユリアさんのお母さん!もう島に戻らなくていいみたいですよ!)
シュルカヌスに早く報告しに行くが良いと言い退出させた。
この場には私と息子の二人のみ。
「のう、ドルスス。」
「はい。父上。」
「シュルカヌス…彼は大したものだな。」
「えぇ。本当に。」
息子のことを、次の皇帝のことを頼んでも構わんかもしれんな。
なぜ、死に際してこのようなことを思い出したのやら。
自分の身がもう長くないと分かる。
すっかり老いたな。
ローマの市民は相変わらず私を嫌っているようだ。
散々娯楽を引き締めてしまったからな。
ふと思えば何もかも息子のためだったのやも知れん。
なんてな。
ドルススよ。我が息子よ。
お前はきっと次の帝位を継ぎたいとはもう思っておらんのだろう。
父にはわかるぞ。
日に日にシュルカヌスに思い上げては、さながら乙女のようではないか。
お前はシュルカヌスのことを支えることに悦を見出しておる。
お前のそれは、皇帝の生き方ではない。
ああ、何故か。
何故か無念ではない。
父としてできることは少なかったが、一度は失うと思った息子が何かに熱中している所を、たとえ何であれ垣間見れたのは幸いか。
この老ぼれはもはや先も見えぬ。
ドルススよ、お前に心から本当に託すことがあるとすれば一つだけだ。
私の代わりに見届けよ。
ローマの行く末をな。
まさか、ドルスス殿が帝位を余に譲ろうとは。
余はガイウス・ユリウス・カエサル・アウグストゥス・ゲルマニクス。
ローマ帝国第3代皇帝である。
市民と軍人は多くが余をカリグラと呼ぶ。
幼少の頃、父ゲルマニクスに随い戦地を回った際に履いていた小さな軍靴に因まれて呼ばれている。
余は、この名を好まぬ。
余は…余は、父の残した偉大な影の焼き付けに過ぎぬと、そう呼ばれているような気がするのだ。
先帝ティベリウスはゲルマニクスとの人気が比較されていた。
そのことは奴の自尊心に大きな傷をつけたのであろうな。
対して、余はその英雄ゲルマニクスの実子だ。
幼少から戦地でローマの戦士たちに愛されてきた。
父ゲルマニクスが皇帝になれば、自然と余が帝位についたであろう。
だが、父は熱病で早世した。
帝位は初代皇帝アウグストゥス帝の腹心ティベリウスに受け継がれ、ティベリウスの死後はその子ドルススが担うはずであった。
余は…余はゲルマニクスの血族は不遇に甘んじていた。
だが、ドルススは先帝の信頼厚い給仕上がりの近衛隊長官であるシュルカヌスという人物から勧められて帝位を余に譲った。
そして今、帝位を継承するための儀を行なっていると言うわけだ。
衆目は英雄ゲルマニクスのなしえなかった皇帝就任を、その子が果たすという感動的な生身の歌劇にうつつを抜かしている。
舞台の陰から帝位を受け継ぐべく台上に登る。
騒がしい雑音がローマの市民の間を広張る。
一人としてこの劇を演じる余の心情を知るまい。
この帝位は父が就くはずだったものだ。
即ち、此奴らの目には余ではなく、余の父が写っているに違いなかった。
死したティベリウスに代わりその子ドルススによる帝位の禅譲への説明が長々とつむがれた。
最後に、そういい私に向くと彼は言った。
シュルカヌスを頼るがいい、と。
何が言いたい?
その時の余にはわからなかった。
もはや帝位の継承は今なされた。
市民に向き直り胸を張り宣言する。
「余はガイウス・ユリウス・カエサル・アウグストゥス・ゲルマニクス!ローマ第3代皇帝である!ローマの誇り高き市民全てに約束しよう!父ゲルマニクスの意思を継ぎ!このローマに最高の繁栄をもたらすと!!」
…余は、それでも父の威光を被らざるを得なんだ。
余には、自ら築いた実績など一つとして無いのだから。
あぁ、父よ!何故!何故余にその偉大なる威光のみを遺したのか!!
余は!余はカリグラではない!ガイウスである!
ゲルマニクスの幻影に追われる哀れな遺児には人々の無責任な期待ほど恐ろしいものはなかった。
気が狂うほどに恐ろしい。
人々は彼に乱心あらば神秘にその責任を求めることだろう。
愚かなことだ。
ただの一人も皇帝その人を見ようとはしないのだから。
皇帝カリグラの誕生は、ティベリウスによる一切の否定から始まった。
倹約を唾棄し、検卵極まる宴会が各地で催された。
数限りない資金、物資、食料が浪費された。
吐いては食べる豚のような貴族達を見るカリグラの顔は恐ろしいほどの寛容を表現していた。
母と妹から離されティベリウスの元で育ったカリグラには、ティベリウスの変化も、ティベリウスの不人気もよく知っていた。
堅苦しいティベリウスの治世は人々の支持を削ぎ落とすばかりだったが、しかし賢治の世でもあったため長く続いた。
ティベリウスが死ぬ数年前、カリグラは妹のアグリッピナの邸宅のほど近くに住まいを移された。
理由は明白、息子ドルススの健康回復と逆賊セイヤヌスの死、そして一連の立役者で元給仕のシュルカヌスという男の存在だった。
カリグラは妹のアグリッピナとシュルカヌスに関係があることを聞くと、妹に聴き入った。
溌剌とした妹から初めに教えてもらったのはシュルカヌスについてではなく、母大アグリッピナの死であった。
穏やかな死。
名誉回復の発表が間も無くティベリウスにより市民に伝えられた。
多くの市民はティベリウスが点数稼ぎのために行うのだと考えたため彼の支持が上がることはなかったが。
カリグラはシュルカヌスという会ったこともない男に感謝した。
母と妹の心を救ったシュルカヌス。
カリグラはシュルカヌスに興味を持った。
そして、帝位に就くと間も無くアグリッピナがシュルカヌスをカリグラに紹介した。
カリグラが受けた第一印象は、穏やかそうな、黒い髪をした、しかしこれといった特徴のない凡百の輩であった。
興味が半減したカリグラはその後シュルカヌスを呼ぶことはなかった。
ドルススまでも…奴のどこに惹かれると言うのだ。
カリグラは疑問に思わずにはいられなかった。
どうしても気になり始めていることに彼は気づいていない。
黒髪の男シュルカヌス。
この男が何者なのかわからない。
帝位就任に際してドルススから伝えられた私事は祝辞でもなく捨て台詞でもない。
シュルカヌスという男の推薦のみ。
ゲルマニクスへのコンプレックスはティベリウスに始まり、皮肉にもゲルマニクスの実子に受け継がれた。
カリグラはその余りある人気を、父の威光を大いに使った。
善政を敷き、自らを、自分という皇帝を見てもらおうと。
だが愚かなる人々は睨め付けるように皇帝カリグラに歓喜し、ゲルマニクスを讃えた。
声にならない苦悩はカリグラの内に父への、そして自らの負う父の威光へのコンプレックスに薪をくべた。
じわじわと焼けるようにカリグラは歯止めの効かない悪政にでお掛け始めてしまった。
豪勢な食事。
放蕩の限りは、始め周囲の権力者に伝播し、限りない腐敗を育み始める。
放蕩に耽り、幾度目かの煌びやかな宴会において、寛容なる新皇帝の思考は恐怖と自己嫌悪、快楽への耽溺に凝り固まっている。
周りのやんごとなき輩は飢餓に咽ぶ貧民のごときがめつさで美食に耽っている。
何度見たかもわからない光景。
気が狂いそうだ、まるで何か熱にでも侵されているみたいだ。
気がつけば体が熱かった。
おかしい。
まるで燃えるようだ。
誰か助けてくれ。
耐えられない。
熱いのだ。
そう言おうとして声を上げようとした時。
自身の身にある変化が起きているのに気がついた。
何かがトグロを巻いていた。
じっとりと汗ばむ体の随所から油が漏れ出るようにそろそろと、それは私の足元に影を落とす。
誰か…。
バシャっ!
「へ、陛下に何をするのか!!」
「あ。」(やべぇーーーーー!!また手ェ滑らしちまったぁぁぁ!しかも今回は皇帝の頭の上かい⁉︎)
何が
起きた。
体が熱かったのが柔らぎ、身にしたたる赤い液体にぼんやりと目を向ける。
葡萄酒か?
余は、何が起きたのかを確かめるように周りを眺めた。
すぐ隣で肥えた元老院の連中に酷く罵られている黒髪が覗いた。
「貴様が…やったのか?」
余の声に潰れたような醜い体型の官僚どもがさらに腰を低くして余に訴える。
「こ、此奴めが!こやつめが貴方様を酒をぶちまけるなどという粗相を!こ、これは許し難いことですぞ!きっと、わざとに違いありません!」
「わざと?」
「えぇ!そうですとも!何せコイツはわざわざ玉座の前まで歩いて行って酒を陛下の頭から垂らしたのですよ!!」
もしそうなら反逆罪で死罪です!
豚の周りの豚のような取り巻きが吠えた。
余に頭から酒をかけるとは…何故か?
「…貴様、シュルカヌスであるな?」
「はい…。(どうしよ…名前覚えられてんじゃん。)」
「何故こんな真似をしたのか?」
妹は私の変貌に冷たかった。
あれだけ優しい妹が、だ。
口を開けばシュルカヌス、シュルカヌス。
余の誘いに乗ることはなかった。
さぁ、貴様は何者だ。
答えをよこせ。
「あ(んたの顔が気に食わないから!なんて言ったら死ぬな。うん。)」
「あ?」
「(本当に単なるミスなんだが…ええいままよ!!)暑そうだな、と。思いまして。」
「熱そうだな、か。」
貴族達の顔は見ものであった。
あんぐり口を開けた驚きの顔。
驚きを通り越して、更に呆れを通り越してもう一度驚いたという顔だな。
「クククっ。そうか、熱そうだな…か。」
焼けるような体の熱さも。
漏れでるような油の滴りも。
肉に蠢く悪意のとぐろも。
気づけば無くなっていた。
嫌に清々しく気分がいい。
「気分が良い。余に感謝せよ。」
貴族どもの反論を切り捨て、シュルカヌスを許した。
護衛をつけて返してやらねば貴族に襲われるであろうな。
指示を部下に出そうと思えば既にシュルカヌスの側には重装備の近衛兵がついていた。
そういえば奴はティベリウスの元で近衛隊長官をしていたな。
その時の評判は部下達からすこぶる良かったはずだ。
ローマの一般的な市民がまともな食事を取れるのは外食くらいのものだ。
人が密集したローマの都市部の集合住宅では火を起こして温かい食事を作ることすら難しいと聞く。
廃れた現在の余は欠片も心に止めてはいないことだった。
そんな環境にあって、シュルカヌスはその収入の大半を部下の食費に注いでいたと聞く。
だが、珍品や高級な食材に金をかけ、豪勢な食事を出すわけではない。
毎日律儀に練兵場で自ら火を起こし(風呂にも入りたいし、自分が食べたいから。)大鍋で粥や煮込み料理を調理してはそれを部下にも振る舞っていたという。
「同じ窯の温かい飯を食べることが士気高揚と団結への上道である。」
(訳:屈強な飢えたおっさんズとかマジ勘弁である。でもなぁ、金品とかを入手する伝も無いし…タダ飯という名の上司の奢りで気を遣わせる作戦!と行こう。それしかない。さぁ!俺の奢りだ!形だけとはいえ君たちのスーパー上司の俺の奢りだ!どんどん食べてくれ!俺の奢りだからきがねなく食べてくれよぉ〜!気なんか使わなくって良いんだよぉ〜。うん。あ、一応言っとくけど、一口でも食べた人は是非とも有事の際は私の盾となり矛となり頑張ってくれよ!よろしくね!)
シュルカヌスはそう言っていたのだと、余の近くに仕えている近衛兵が誇らしげに語っていたのを思い出した。
位が高くとも軍人は賃金に不満が多い中で、身銭を切って本来ならそれなりにするであろう温かい食事を腹一杯部下に食わせるのだから、懐の深さもさることながら、名誉や金以上に人を大切にする人徳には驚くべきところがある、その時の余は確かそう思ったはずだ。
シュルカヌスの両脇を固める兵士は、おそらくその時のシュルカヌスの部下達なのだろう。
余はどうしてもシュルカヌスのことが気になり、床が汚物に汚れた不快な宴会場を後にし、彼らを追った。
柱の影から覗けば、他愛もない話でもしながら歩いているのか、シュルカヌスの周りには笑顔が絶えなかった。
堅苦しく顔を顰めて突っ立っている感情のない像のような衛兵達はその顔をどことなく緩めている。
一段背の低いシュルカヌスを気遣い、彼の歩速に合わせて進んでいるのがわかった。
シュルカヌスが道を通り、宮殿の出口に着くまでの間に何人もの衛兵がすれ違っては彼に道を譲った。
確かな尊敬を感じるそれはシュルカヌスに向けられている。
シュルカヌスはその礼を受けて優しく微笑んでは労いの言葉をかけていた。
「ご苦労。しっかり食べているか?家族は壮健か?」
(訳:いゃ〜いつもお疲れ様です。君は確か…あぁやたらと食い意地張ってたあの子かぁ〜。ちゃんと食べてるの?ほーん。ならええやん。ご家族元気?かかあ天下だった気がするけど。プププ!奥さんを大切にな!)
公私に渡り部下を気遣う…成る程。宮殿の近衛隊から並々ならぬ尊敬を一身に受けるわけだ。(残念ながらまさかの事実)
余は、いつのまにかゲルマニクスとは似ても似つかぬ黒髪の男に英雄を幻視した。
いや、幻視ではない。
憧憬であろう。
余はその日女を呼ぶことも、酒を飲むこともなく眠りについた。
まるで溢れるように意識を失い、次の日は目覚めがこれまでになく良かったのを今も覚えている。
起きた余は部下に命じてシュルカヌスを呼び出した。
「貴様に新しい任を与える。」
「はっ!」(うわー。きましたわ。来るとは思ったんだよなぁ。死刑!とかはご勘弁願うぜ…。)
「……その堅苦しい様を辞めよ。」
「堅苦しいとは…?」(なんぞや?まさかっ⁉︎お前敬語使わんかったから不敬罪で死刑!とか??)
「貴様は自身を俺と呼ぶであろう。…それで構わぬというのだ。」
「……わかりまし「それもよい。"わかった"で構わぬ。」…っわかった。」(な、直したゾォ。…ど、どう来るんだ?)
「それでよい。して、貴様…」
この日、余は決めたのだ。
そして、余は…
「余の…余の"ゲルマニクス"になってくれ!!」
そして、余は…余は 真の友 を得た。
「いや。無理では?」(そもそもゲルマニクスて誰ぞ…。)
「なぁっ⁉︎⁉︎」
「ハハハハハ!!いゃ〜傑作だな⁉︎」
「またそれかよ…どこにツボがあるのか俺はさっぱりなんだが…。」
「ふっくくく…いやはや。余もまさか断られるとは思わなんだ。」
「だろうなぁ。…で、俺はゲルマニクスとやらになれたのかな?」
「…愚問だな。」
「ゲルマニクスは死んだ。父はもういない。」
「だが、余には貴様がいる。ゲルマニクスを超える逸材。月の女神から余の心を取り返した貴様がな!」
「なんだそりゃ!照れるじゃんかよー。」
「ハハハハハ!そうだ存分に照れるが良い!余は幸せだぞ、貴様のお陰で余は名君でいられた。」
「そんな貴様に頼みがある。」
「なんだ、まだあるのか?健康管理と神祇官と近衛長官と…既に肩書きが十分重たいんだけどなぁ。」
「まぁ、そう言うな。」
「なぁ、シュルカヌスよ。」
「なんだ?カリグラよ。」
「 ネロを頼んだぞ 」
「任せておけ。多分何とかなる!」
「…フハ!ハハハハハ!!!貴様は変わらんな!」
「だがそれで良い。」
読者諸賢が今作に対して如何にお考えかは甚だ私の知るところではございません。
しかし、私は私の赴くがままの歴史への愛情と信念とをこの二次創作に投影したいと思う次第です。
Fateという一種の寛容の姿を借りて。