破界僧〜Fateの世紀〜   作:ヤン・デ・レェ

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彼の私的な資料は一切残っておらず、その人柄などはシュルカヌスの最初の主人である小ドルルスの著作である詩集「勇者シュルカヌス」、のちに妻としてシュルカヌスとローマを導いたネロ著の「余のシュルカヌス」に詳しい。後世に残る数少ない資料である。

「伝 シュルカヌス日誌」とは、シュルカヌス本人による唯一の自伝であり、その存在は歴史から事あるごとに運悪く(崇勘的には運良く)も失われ、近代に入る頃には完全に消失した幻の書物である。
内容は全て統一性がなく、多種多様な時代、国家、文明を跨いだ数多の文字で書かれていたという。
また、そのため誰一人として読むことは叶わなかず不明な点が殆どだという。
現代語に似た記述に関してはロストテクノロジーもしくは未来人説、はたまた異世界人だという論文も出されるなど大いに波乱を呼んだとか呼ばないとか。


伝 シュルカヌス日誌

*月*日

 

この記念すべき日に日記を書き始めようと思う。

 

そう、この記念すべき日に…

 

私の社会デビューが開始する間も無く詰んだという記念日だ!!

 

社会人の基本装備とかって言われて方眼ノートとペンを持ったのが功を奏した…のか?

 

肝心の財布とかを持ってないあたりやはり運がない。

 

名前は運が良さげなんだが。

 

ま、それはともかくだ。

 

なぜに…?

 

はぁ、よりによってこの日とはまっこと運がない。

 

今日は疲れた…。

 

いつも窓から外を見ていたが、まさかこんな…だだっ広い世界が広がるとは思わなかったな。

 

はぁ…すっかり様がわりした玄関の外には言葉を失ってしまったよ。

 

ま、その玄関も帰る家もなくなったしまったがな。

 

庭はあったがパッとしない。

 

お隣さんがいない。

 

食事は母の声に従って作って食べる。

 

食材は家にあった冷蔵庫に気付けば入ってる。

 

…そんな変な家ではあったが、なければないで寂しいものだなぁ。

 

…もう寝よう。明日から周囲を回ろう。

 

よしっ!托鉢ライフと行こうか!!

 

あ、日付は最後に過ごした日から始めることにする。

 

 

 

 

 

*月○日

 

どうやら外国らしい…。

 

 

昨日はしばらく歩いてからすぐに空が暗くなったので、不安ではあったけどもどうしようもなかったから青空(暗闇だったけど)ベッドで眠ったんよ。

 

そんで今日こそは人に会おう、そう思ってずっと歩いてたら街に着いてね。

 

文字は何故かわかった。

 

でな、そんで街にいざ入ろうとすると呼び止められたというわけだ。

 

それにも、まぁ答えられたんよ。

 

言葉は、どうにか通じるようだ。

 

実に運がいいな、良かったよ。

 

だがどうにもワタシは奇異の視線を受けていたようだ。

 

パクられた……涙。

 

まあね、そうだね。

 

みんなタオルみたいなの体に巻いたりしてるし、ズボンとかって感じじゃないもんな。

 

不審者を確認!っていう声にはビビったよ。

 

焦りすぎて逃げたのも悪かったのかな?

 

お陰でここがどこかもわからないままに鎧を着た兵士に捕まってしまった。

 

着の身着のままで牢屋に入れられたおかげでこうして日記を書けるというものだ。

 

だが、それにしてもこれはないだろう…あんまりだ!

 

石の床は硬くて痛いし。

 

水洗トイレはないし。臭いし。

 

あ、でも何でもいいから食事をもらえたのは良かったな。

 

今日のメニューは…ダイヤモンドみたいにカチコチのパンと美味しい美味しいお水〜外国仕立て〜。

 

うーん。一応托鉢ライフは始められたっぽいかな?

 

まー、よし!寝よう!

 

何もやることがないのでインクを無駄にしないうちに寝ることにする。おやすみ。

 

 

 

 

 

○月☆日

 

ワタシノナマエハ ケルクヌブス・シュルカヌス デース。

 

なんてな!

 

今日は一日取り調べ?だった。

 

1日っつっても1時間おきに声をかけられるくらい。

 

どこから来たー?とか、名前はー?とか。

 

だから言ったよね、外に出たのは昨日初めてだったからどこの人間かは正直自信なかったけど。

 

日本から来たよー、名前は極運坊崇勘と申しますだよ〜って。

 

そしたら極運坊崇勘がケルクヌブス・シュルカヌスに大変身したわけ。

 

外国だししゃーないのかな?

 

すまんな、一度も人に呼んでもらうことなく名前がかわっちゃったよ。

 

そーいや。仕事は?ってもきかれたな。

 

だから、強面のオジサンに自称坊主とは流石に言えなかったから就職中って答えたら「何だそうだったのか!」って言われたんだよ。

 

それで今日はおしまい。

 

昨日よりずっといい食事がてましたとさ!!美味しいとは言えなかったけどな!

 

………。

 

なんだなんだ?嫌な予感がするぞ。

 

怖いのでさっさと寝る。おやすみ。

 

 

 

 

 

○月$日

 

ワタシは給仕になります。

 

?!?!?!

 

就職中とはいったが、まさか職にありつけるとは。

 

この国はいい国みたいですな。

 

経緯も〜、書いとくかなぁ。

 

まず今日の朝、偉そうな人が来まして。

 

朝ごはんのマジで硬いあのパンを水に浸して食べてた時にね。

 

まさかグルメ番組だったか⁉︎とか思ったけど、鉄格子越しに無言で見つめられたんだよ。

 

ワタシを少し見た後に、よし!って言ったかと思えば牢から出されまして。

 

でっかい建物の中に連れて行かれまして。

 

牢屋とおんなじクラスの狭めの汚部屋を貰いまして。

 

この前に見たタオルみたいな動きにくそうな服をもらいまして。

 

扉バタン!!オヤスミナサイ!

 

????

 

何が起きたの??

 

と、いうことで。

 

どうやら二人部屋みたいなので、えー。

 

先輩としましょう。

 

その先輩に話を伺いました。

 

すると、どうやらワタシは給仕らしいね。

 

いや、もっとワカラン。

 

しかし確実なことがわかったな。

 

再びさらば南無南無ライフ!

 

そしてようこそ!くるんじゃないよ!重労働ライフ!!!

 

アシタガタノシミー!

 

…もう寝る。最近ついてないな…。

 

 

 

 

 

 

%月€日

 

久しぶりに日記をつける。

 

とんでもない労働の洗礼を受けたよ。

 

ハードワーク…聞きしに勝るヤバさだったわ!!

 

死ぬかと思ったわぁぁぁ!!

 

この国は職業訓練とかないからね!!

 

身をもって知るハメになったわい!!

 

一月近く駆けずり回ってたな〜。

 

なんというか…結構頑張ったよ。うん。

 

本当に何も知らないとこからやればできるもんだな。

 

だけどな…今日はミスっちった。

 

だってよ!何でワタシなんだよ!

 

臨時だか、人手不足だか知らないけどこんな下っ端に頼むなよって話だよ!!

 

偉そうな女の人から渡されたコップ?を落としたらめっちゃ怒られた!

 

ドレッサー?ドルススム?うん、ドルススムだな。

 

そのドルススムさんが偉い人で、その人の飲み物だったっぽい。

 

偉い人にやらかしちまったな…。どーしよ。

 

疲れてあんまり書けない。

 

しばらく日記は書けないかもしれない。おやすみなさい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

¥月♯日

 

久しぶりに日記を書く。

 

なんか一年は経った気がする。

 

忘れそうだから何があったか軽く書いとくかな。

 

最近特に忙しくてね。

 

ワタシが最後に日記を書いた次の日から書こう。

 

まず、何かドルススムさんがワタシを気に入ったっぽい。

 

何でもあの日ワタシが杯をこぼしてから体調が良かったらしい。

 

そんで、縁起がいいのかよくわからんけど兎に角採用!だって。

 

…いや、知らんわ。

 

ましてや偉そうなオバハンからは睨まれとるし。

 

まじナムアミである。

 

そんでそれからしばらくの間はドルススムさんのお世話をしてたわけですよ。

 

偉い人だから愚痴もあるらしく、ワタシに言ってくるんだよ。

 

でも反応に困るんだよなあ。

 

まぁでもドルススムさんと段々仲良くなってきたきがする。

 

やったぜ。

 

ドルススムさんは少し体の調子が悪いっぽい。

 

うーん。こんくらいかな?

 

あ、あとはご飯が美味しくなくて困ってるくらいかな。

 

味のある飲み物…具体的にいうと清涼飲料水が恋しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆月×日

 

やばい。ドルススムさんの飲み物勝手に飲んでたのがバレた。

 

あのなんか〜、えと…。

 

ウィ〜!!みたいな名前の、ドルススムさんの奥さん?

 

たまたま口に入ったら甘かったからついつい飲んじゃったのが始まりだなぁ。

 

ドルススムさんに直接渡せば良いのにさ、あのウィ〜さん?でいいか…そのウィ〜!!さんがワタシに渡すもんだからさ。

 

そりゃ飲むわ!

 

あいつ嫌いやし!!

 

まいっかい小言言うじゃん⁉︎

 

はぁ〜。

 

そんで、しばらく飲みほしては水を注ぎ、飲み干しては近くにあった酒を注ぎと、していたわけだ。

 

何でかわからんけど、ウィ〜!!さんが寄越してくるのって絶対甘いんだよ。

 

3回目くらいからはあまりの甘さに流石にちょっと飽きてきたな〜なんて思ってきてたよ!

 

けど、さぁ〜。

 

なんというか、食事がまったく良くならないんだよ。

 

ワタシのばっか何かちょっと侘しいな〜、なんて思うくらいだったんだけど、どうもウィ〜!!さんの嫌がらせだったらしいんだよ。

 

相手は偉い人なんだけど、ワタシも腹が立ったワケ。

 

それ故の、奥さんの想いは夫に届かない作戦!!

 

正直なところ美味しく感じなくなってたけど義務感と食事の恨みで飲んでたっけなぁ〜。

 

そして昨日…今日で最後にしよう!なんて思ってがぶ飲みしてるところをドルススムさんに見られたの。

 

最近は調子が良くなったって喜んでてさ、なんか昨日は早めにきちゃったみたいで、寝室の前でスタンバッテたところをガブ飲み事件だったわけよ。

 

不敬罪です。はい。

 

そんで今は牢屋。

 

ただいま思い出の独房!

 

明日もこの日記を書くことができますように!!

 

 

 

 

 

 

☆月$日

 

やったぜ。

 

投稿者 仕事がクビ土方

 

クビで済んだっぽい。

 

よ"がっ"だぁ"ぁ"ぁ"!!!

 

ありがとうドルススムはん!

 

命があることに感謝!

 

そして、ウィ〜!!さんとはおさらばバイバイだ!

 

あばよ!今度こそ南無南無ライフがワタシを待っている!!

 

今日は寝床を探すためにここらで終わりますわ。

 

そろそろインクが切れる。どうしよ。

 

 

 

 




日記形式は書きやすくていいね。
テンポよくいきますよ。
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