元モンド最強騎士はそろそろ彼女を作りたい   作:白琳

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今、自分がハマっている原神の二次創作を勢いだけで執筆しました!最後まで読んでいただけると嬉しいです!


ACT.ORIGINAL
プロローグ


モンドが風魔龍の脅威に晒されるようになった頃から数年前、西風(セピュロス)騎士団には『モンド最強』、『モンドの守護者』、『英雄ヴァネッサの生まれ変わり』などと謳われる騎士がいた。

 

その名は雷鳴(らいめい)騎士・アレン。

 

彼は幼少時、モンドにとって忌み嫌われる名前を持つ事から貧しい生活を強いられていた。しかし偶然か必然か、彼はある人物との出会いによりその名前を捨て、現在代理団長を務めるジン、その妹であり、西風教会の牧師兼アイドルであるバーバラの義兄となったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

グンヒルド家の一員となって数年後、彼は西風騎士団に入った。元の名前を知る騎士や住民から騎士団を辞めさせるよう反対されたり、罵声を浴びせられる事もあったがそれを彼は受け入れ、乗り越えた。

そして天性の強さと努力から生まれた実力、モンドの脅威を幾度も振り払った功績、モンド中から得た数多の信頼──────それらにより、彼はモンド最強の座へと辿り着いたのだ。

 

だが若くも最強へと登り詰めた彼に嫉妬の目を向ける者は少なからずいた。しかしそれをかき消す程に彼を信頼する者は多くいた。

 

西風騎士団に命を救われ、恩返しにと偵察騎士小隊を作り、自ら騎士達を訓練・引率した偵察騎士アンバーの祖父。

 

幾多の戦いを共に潜り抜け、西風騎士団に失望するまで彼を戦友と呼び、今尚も交流を続けているアカツキワイナリーのオーナー、ディルック・ラグヴィンド。

 

義兄でありながらも本当の兄のように慕い、アレンとヴァネッサに憧れを抱いて騎士となり、自分も兄達のようになりたいと彼らを目指し続けるジン・グンヒルド。

 

他にも大団長ファルカや冒険者協会からも信頼を得ている彼は次期副団長候補とされていた。しかしアレンはその申し出を迷いもせず断り、ただの西風騎士であり続けた。その理由をファルカに尋ねられた時、アレンは屈託のない笑顔で答えたと言う。

 

 

 

「俺も自由にやりてぇんだよ、大団長。だから地位なんていらねぇ。自由こそがモンドの象徴、そうだろ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが──────アレンがモンド最強の座に居続ける事はなかった。何故なら彼は……──────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ、リサが知ってる人で誰かいねぇか?俺と付き合いたいって人」

「……突然来たと思ったら何の話?それとそのクッキー、食べないでもらえるかしら」

 

西風騎士団本部の休憩部屋でアフタヌーンティーを楽しんでいた図書司書、リサは怒っていた。顔は微笑んでいるが、目が笑っていない。頬がぴくぴくと動き、怒りの爆発は程遠くないだろう。

ノックもせずにドアを開け、こちらに歩いてきたかと思えばもう一つ用意してあった椅子に座り、さらには許可無しにアフタヌーンティー用のクッキーを食べる始末。

 

ここまでやられて制裁を加えないのは、仮にも彼が元西風騎士にして元モンド最強、そして年齢は違えど自分の同期だったからである。でなければ、今頃彼……アレン・グンヒルドは黒焦げになっていたに違いない。

 

「えー、いいじゃねぇか。このクッキー、どうしたんだ?」

「……私が焼いたのよ」

「へぇ、お前が料理ねぇ!……うん、すげぇうめぇじゃん。初めて食ったな、こんなうめぇクッキー」

「そ、そう。それは……ありがとう」

 

目の前で自身が焼いたクッキーを本当に美味しそうに食べるアレンを見つめるリサ。先程まで抱いていた怒りの感情は、彼からの言葉により消え失せたのだった。

 

「あ、わりぃ。ほとんど食っちまった」

「はぁ……貴方に礼儀というものはないのかしら?突然入ってきて人様の物を食べるなんて非常識よ」

「だから悪かったって。今度、土産に何か持ってきてやるから許してくれよ」

 

つまり今回は持ってきてないのね、と心の中で呟くリサ。別に期待していなかったけれど、とも思っていた。

 

「もうそれでいいわ。それでさっきの話、どういう事よ?」

「どういう事って?」

「そのままの意味よ。急にどうしたのよ……私に貴方と付き合えそうな知り合いがいるとかいないとかって」

 

表面上は冷静を装っているリサだったが、実際は心の中で汗をダラダラと流していた。

 

──────アレンが誰かと付き合うですって?しかも私に紹介してもらいたい?……本当に、鈍感過ぎるんじゃないかしら。私も、()()()()も苦労するわね。

 

「俺ももう20過ぎただろ?彼女でも作って母親を安心させようと思ったんだよ。血筋は引いてないが、俺が長男だしな」

「まだいいんじゃないかしら?ディルック様やガイアだって独身よ」

「あの兄弟はどうだっていいんだろ、そういうの」

 

3年前。まだ騎士団に失望せず、ディルックが西風騎士として活躍していた頃、彼は完璧な紳士と周囲から思われ、自信と笑顔が溢れる姿に誰もが惹かれていた。特に女性には年齢関係なく絶賛人気だった。

 

まぁ、あの頃でも色事にはさっぱり興味なかったけどなー、と在りし日の戦友を思い出しながらアレンは呟いた。

 

「誰かいてくれたらいいんだけどな、俺の事好きな人。男は憧れるもんだぜ、そんな運命に」

「……意外と近くにいるんじゃないかしら?例えば貴方の──────きゃっ!?」

 

貴方の目の前にとか、と言おうとしたリサだったがアレンが突然立ち上がった事に驚いた彼女はその先を言えずに、可愛らしい小さな悲鳴を上げてしまった。

 

「マジか!?俺の近く……よっしゃ、片っ端から聞いてみるか!さんきゅっ、リサ!あとご馳走さま!」

 

そう言って駆け出し、部屋を出ていくアレン。数秒後、唖然とするリサの耳に「アンバー!俺の事好きだったりするか!?」「ぶふっ!?な、何言ってるんですかアレン先輩!?」「に、兄さん!?突然何を言い出してるんだっ!?」などという声が団長室から聞こえてきたとか。




誰をヒロインにするかはまだ決めてませんが、女性キャラは全員出したいです!(一人とは言ってない)
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