ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
それは風神バルバトスが1000年前にモンドから姿を消す時に国の守護を託した眷属たち。かつてはバルバトスと共に信仰され、それぞれを祀る神殿も建設された。だがおよそ500年前の大変動で四風守護への信仰は廃れ、さらに長い年月が経った事でその存在は多くの人々の記憶から忘れ去られてしまった。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ東風の龍
初代にして現守護者は今では風魔龍として人々から恐れられてるトワリン。バルバトスとは旧知の仲であり、最も長い間信仰されてきた守護者だ。しかし長い眠りから目覚めた今では守るべき人々から忘れられ、再び「国を襲う龍」として恐れられた事から悲しみと憎しみに駆られ、その地位を自ら捨て去りモンドの脅威へと変わり果ててしまってる。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ西風の鷹
初代守護者は西風騎士団初代団長にして初代
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ南風の獅子
初代守護者は後に西風の鷹へと姿を変えるヴァネッサが兼任しており、現守護者は代理団長を務め、団長クラスの地位のみに授けられる
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ北風の狼
初代守護者はデカラビアンの支配する旧モンドに宣戦布告をした狼の魔神“北風の王“アンドリアスが自身の力が人々を苦しませる事しか出来ないと知り、自ら命を絶った後その魂が風神バルバトスとの契約により四風守護の一柱へと姿を変えた“奔狼の領主“ボレアス。今も尚その魂はモンドの地に宿り、
現守護者はボレアスを象徴する
因みに四風守護の存在はほとんどのモンド人から忘れ去られているが、西風教会や西風騎士団の一部ではその歴史は語り継がれている。故にジンやファルカに四風守護の称号が授けられているのだ。
「ここが
「ここが……」
道中襲い掛かってくる大型スライムやヒルチャール達を吹き飛ばしながら辿り着いた南風の獅子の神殿。リサが言ってた通り、見た目には変化がないものの中からは何やら不穏な空気が漂ってきてるな。俺からしてみれば可愛いもんだが。
「んじゃ、行くかぁ」
「も、もう行くのか?」
「当たり前だろ。とっととトワリンへの力の供給を止めねぇと面倒な事になりかねないしな」
それぞれの神殿に残ってる力が僅かとはいえ、それらが全て吸い付くされた結果トワリンがどれ程の強さを得るか分からない。どれだけ強くなっても叩きのめす自信はあるが、戦いの被害を増やしたくねぇし。
「蛍は準備いいか?」
「うん。私はいつでも大丈夫だよ」
「オイラはちょっと心配だけど……まぁ、アレンがいれば敵なしか!」
どうやらパイモンは俺の強さに信頼し切ってるみたいだが、蛍の実力も見定めないとなぁ。ここに来るまでの間、蛍と雑魚共との戦いを見させてもらったがやっぱりある程度の強さを持ってる奴じゃなきゃ実力の判断は難しいって。
「よしっ、じゃあ行くとするかぁ」
さてさてさ~て……一体何が出てくるのやら?
テイワット大陸各地に点在する神殿や遺跡などを総称する“
その四風守護の神殿の1つ、南風の獅子の神殿には雷元素を利用したギミックが色々な場所に仕組まれてる。これは他の神殿同様、中に侵入者や魔物などを入れない為だ。だが長年放棄された結果、それは意味を成さず元素生物の発生などを許しギミックは人々の出入りを困難にさせてしまってる。
「
指先から小さな雷の玉を放ち、扉を開けるギミックを動かす為の石碑に当てる。一応これは雷砲の派生技に当たるが、その威力は低い。精々一般人に当てれば気絶させる位である。だが逆に威力が大きい技だとギミックそのものを壊しかねない為、こういった小技もたまに必要になるんだよなぁ。
「アレンさんって、本当に色々な技を持ってるんだね」
「おう。テイワット中探しても俺以上に技を持ってる奴はきっといないぜ?」
もちろん技が多ければ強いというわけではないが、様々な状況で威力が大きい技を生み出してる内にいつの間にかその数が膨大になっていったのだ。しかしそれでもそれぞれにちゃんと用途があり、使わない技ってのはないけどな。
「あっ!おい、スライムが出てきたぞ!」
進んだ先にあった部屋に入ると、至る場所からスライムが現れ始めた。スライムとは自然界に存在する元素から生まれる元素生物の一種であり、その数は元素と同じく7種類である。小型スライムは一般人でも1匹ならどうにか退治できるレベルだが、大型スライムは平凡な神の目所有者が相手なら十分脅威になるレベルだ。
「スライムと戦った事はあんのか?」
「うん、モンドに着いてから何度かあるよ」
「なら1つアドバイスしとくぜ。スライムは自分と同じ元素は無効化するから攻撃には気を付けろよ?つっても威力が大きい攻撃には耐えきれねぇけど、なっ!」
振り抜かれた雷腕がスライムの一体に直撃し、雷元素を纏った衝撃波が他のスライム達を一瞬にして塵へと変える。その中には本来なら攻撃が通じない大型雷スライムもいたが、他と変わらずに散っていった。
「ん?……なぁ、蛍、パイモン。ちょっと急いだ方がいいかもしれねぇ」
「えっ?」
「神殿の奥に強い元素の塊がある。それがトワリンに力を与えてんだろうが……それとは別に強い元素があるんだよ」
少なくともスライムなどとは比べ物にならないな。この中は元素の流れが奥の一点に集中してるという異常事態だし、そもそも今のモンドは元素の流れが不安定だ。その崩れた元素のバランスが神殿内に凶暴な魔物を生み出してしまったのかもしれない。
「オ、オイラは何も感じないぞ?」
「蛍、“
「うん、使ってみるよ」
元素視覚とは元素の痕跡、元素の流れ、生き物や物体が影響を受けてる元素などを“視る“神の目の持ち主だけが使える能力だ。狭い範囲しか効果がないが、あの元素の塊は2つ共強い為かここからでもよく視える。
「……本当だね。何か強い元素が奥に視えるよ」
「ならそこ目指して行こうぜー。どっちにしても調べる必要があるからなぁ」
元素の塊は核を壊せば解決するが、もう1つの方はとっとと倒さないと、放置しといたら更に力を増すかもしれない。これ以上問題を出さない為にも頑張らないとなぁ。
「ん?なぁ、あそこに生えてるあの苗木って何だ?」
神殿のギミックを解きつつ、発生してる元素生物を吹き飛ばしながら辿り着いた大部屋の中心には赤い苗木が見えた。それにパイモンが興味を示すが、確かアレは。
「ありゃあ
「ばくえんじゅ……?」
「ああ。簡単に言えば植物の化け物だ」
爆炎樹、それは元素を取り込んだ植物が長い年月をかけて突然変異を起こした怪物の一種である。普通は元素を取り込んでもトリックフラワーという魔物や
そして爆炎樹は名前の通り炎元素を操り、見た目を“怒りの炎“と表すように凶暴性・攻撃性が高い。放っておけば崩れた元素のバランスが更なる変異をもたらし、神殿内で暴れ出す可能性だってある。その前に今ここで倒しておくか。
「まずは爆炎樹を倒すとしようぜ。放っといたらめんどくさい事になりかねないからなぁ」
「あんな小さいのが……?」
「今は休眠状態だからな。近付けばこっちの気配を察して目覚めるが、その前にここから攻撃を……あ、待てよ?」
爆炎樹クラスの敵となればその強さは今まで出会ってきた雑魚とは比べ物にならない。つまり蛍の実力を測るには丁度いい相手なんじゃないか?ちょっと強すぎるかもしれないが、本当に危ない時は俺がぶっ飛ばせばいいし。
「蛍。お前、爆炎樹と戦ってみる気ねぇか?」
「えっ?」
「お前がどれだけ強いか見たいんだよ。危なくなったらすぐ俺が助けてやるからさ。な?」
「で、でもあいつ強いんじゃないか?名前を聞いただけでも凄そうだぞ!?」
パイモンが慌てて心配をする傍ら、蛍は聞いた時こそ驚いていたものの考え込んでいた。そして答えが決まったらしく俺に視線を向けてくる。
「うん……いいよ。あの魔物を倒して私の実力を見せてあげる」
「ほ、本当にやるのかよ~!?」
「大丈夫だよ、パイモン。危なくなったらアレンさんが助けてくれるって言うし……それに私も
ん?何だ、今の実力を知りたいって事は蛍自身もよく分かってないのか?それは……いや、今はそこまで考える必要はないか。
「アレンさん、パイモンは頼んだよ」
「おう、任せとけ。一応言っとくが、助けに入るからって手は抜かないでくれよ?」
「うん、分かってる。それじゃ意味ないからね」
「が、頑張るんだぞ!!」
「それじゃ行ってくるよ」と言って俺達から離れ、まだ苗木状態の爆炎樹へと近付いてく。パイモンがどうしても心配なのか落ち着きがないが、殺される心配はないだろう。空の妹(仮)ならあいつと同じ力を持ってるはずだし、その力を失っていたとしてもある程度は戦えるはずだ。
それに……あいつが空と同じく“この世界の住人ではない“という確証が欲しい。元素を操る為に必要な神の目や
「──────ッ!!」
蛍が距離を詰め、目の前まで迫ると爆炎樹が生物が発したとは思えない耳障りな音を出しながら姿を変えていく。4枚の花弁が勢いよく開いた瞬間、炎が巻き散らかされる。そして爆炎樹の頭部が威嚇するように花弁を更に大きく広げ、2本の蔓が蛍に襲いかかった。
「っ……はっ!」
絡めるように向かってくる2本の蔓に蛍は飛び込み、宙返りでかわす。次の瞬間、着地と同時に地面を蹴って走り出した蛍は爆炎樹に向かって風元素を纏った左手を突き出した。
「
風元素が凝縮された無数のかまいたちが渦となって放たれ、爆炎樹を切り裂く。しかしそれに怪物が堪える様子はなく、蛍を完全に敵と認識したみたいだった。
まさしく蛍のその一撃が爆炎樹との戦いを開始する合図となったのだ。
四風守護の現メンバーはゲーム内でも詳しくは明かされてませんが、とりあえずここでは、
・東風の龍→トワリン
・西風の鷹→西風騎士団/ヴァネッサ
・南風の獅子→ジン・グンヒルド
・北風の狼→ファルカ
となっています。