転生お嬢様、2度目の人生も頑張ります!   作:桜舞

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105.ナズナとイチャイチャします

本気ではない。

それはあたしにもわかっている。

ただ、今回のように本気でそう思っている人達に言われるのは、多少キツイものを感じた。

 

神に、死にたくないからこの世界で最強にしてくれと願った。

そう願ったのは自分だったけど、孤立感を感じるのも確かで。

 

もしも、ナズナ達に出会っていなければ、あたしはずっと一人だっただろう。

 

「俺は魔法でも、技術でもお前には敵わないと思っている。だが、ただそれだけだ。敵わないからと、お前の人格まで否定する気は無い。アイツらの言葉は気にするな、シャル。お前は、お前の価値をわかってくれる者達の言葉だけ聞けばいい」

 

そう言って、ナズナはあたしの頬を撫でてくれた。

少し泣きそうだったのが、バレていたようだ。

あたしは苦笑する。

 

「それ、相手が甘言を弄してきたらどうするのよ?」

「その者の言葉の真偽くらい、お前にはわかるだろう? そこまで愚かではないはずだ」

 

そうかしら?

 

あたしは、信頼してしまった人の言葉は、信じてしまう。

それで裏切られた時、自分が悪いのだと責めてしまうのだ。

 

「あたしが愚かだったら、貴方はどうするの?」

「その時は、俺が真偽を見極めるさ。お前一人に責を負わせるつもりはない。夫婦とは、そういうものだろう?」

 

コツン、とナズナはあたしの額に自分のを合わせてくる。

ここまでのスキンシップは、許されるよね? ターニャ。

 

「我が主、お疲れだろう。夕食を作ってみた。如何か?」

 

扉付近で話し込んでいたあたし達に、ルティがそう問いかけてくれる。

レヴィもだが、ルティもなんて主想いのいい子なんだろうか。

いい子って、あたしの数千倍生きている相手に対して失礼かもしれないが。

たまに、奥さん可愛さで主に反旗を翻す事があるけど。

それでこの間レヴィに怒られていたっけな。

 

「ありがとう、ルティ。貴方のご飯美味しいから好きよ」

「…俺だって食事くらい作れるが」

 

あたしの使い魔に対し、ヤキモチを焼くナズナ。

王族の貴方が作れてどうするんだという話なのだが。

むしろ作らなくていいです、怪我されたら困るので。

そんな考えがあたしの頭を巡った。

 

ジト目であたしを見るナズナの頭を撫でる。

 

「はいはい。今度あたしの監視下で作ってもらうから、そんな怒らないでよ」

「怒ってないが」

 

ムッとしている時点で、怒ってるのよ貴方は。

 

ナズナの手を引いて食卓につく。

食卓の上には、牛肉の赤ワイン煮込みとパン、サラダが乗っていた。

 

「ルティ、これいつから仕込んでたの…?」

「3日前だが」

 

あたし、いい使い魔を手に入れたのかもしれない。

料理上手とか、本当に助かる以外ない。

あたしはルティに向かって拝んだ。

 

「助かる、ありがとう、あたしの使い魔になってくれてありがとう」

「いや、別に良いが…。我が主の番がすごい顔で吾を見ているので、吾はこれにて。我が妻を待たせている故」

 

そう言うと、ルティは消える。

横を振り向くと、ナズナが臍を曲げてしまったようだった。

 

「もー…使い魔にまで嫉妬してどうするのよ」

「俺だってあそこまで、感謝された事ないからな」

 

いつもしてると思っていたけど、まだ足りなかったらしい。

あたしは立ち上がり、ナズナの頭を抱きしめた。

 

「本当に子供っぽいんだから、貴方は。そんなところも好きよ、ナズナ。貴方と出会ってなかったら、あたしはずっと一人だったなってさっき思ったわ。あたしと出会ってくれてありがとう。大好きだよ、ナズナ」

「カヅキよりもか?」

 

なんでそこで彼女の名前が出てくるんだ。

今は親友の域だというのに、未だにあたしの婚約者だった事が気になるのだろうか。

 

「カヅキよりも」

「ターニャよりもか?」

 

ターニャの名前も出てきて、ついにあたしは吹き出した。

まったくこの人は、本当に子供っぽいのだから。

あたしはクスクス笑いながら、彼の問いに答える。

 

「ターニャよりも、誰よりも愛おしいわ。だから、あたしから離れないでねナズナ。貴方が離れてしまったらあたし、死んじゃうかもしれないもの」

「離れるつもりも、離すつもりもない。すまないな、シャル。お前があまりにも綺麗だから、俺の手の届かない所に行きそうで、少し怖いんだ」

 

あたしの腰に腕を回し、さらに密着してきた彼の頭を撫でた。

 

「そんなわけないでしょ。あたしは別に天使でも天女でもないのだから」

「それぐらい綺麗だって言ってるんだ。シャル、愛してる」

 

そう言って、彼は腕の力を強める。

あたしはナズナの肩を軽く叩いた。

 

「お腹すいたから手を離してもらえる? せっかくの美味しいご飯が冷めちゃう」

「そうだな」

 

案外すんなり離してくれて、あたしは食卓につく。

食事を始めてしばらく経った頃、そういえばと思い出した事を彼に尋ねた。

 

「個人対抗戦って何? 期末テストと関係あるの?」

「あぁ、シャルは初めてだったな。二学期末に、実技を兼ねた対抗戦をやるんだ。筆記とはまた別のな。その結果で、期末の成績が決まると言っていい」

 

それを聞いて、あたしは少しゲンナリする。

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