転生お嬢様、2度目の人生も頑張ります!   作:桜舞

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12.お勉強続行です

「あらあらまぁ。シャルロット、殿下に気に入られてるのね。流石専属護衛に選ばれただけはあるわ」

「レイラさんもやめてくださいよ。というか殿下、お仕事の方は平気なんですか?」

 

腕を組み、あたしを見下ろしてくるナズナに問いかける。

 

「親父が遊び呆けてる代わりにやってる仕事なだけであって、俺自身の仕事ではないから別に放り出しても良いのだが…。まぁ、民が困るしな。もうそろそろ戻るさ」

 

そう言うと、ナズナは後手に手を振り食堂を出て行った。

何しに来たんだあの人。

 

「ふふふ。身分差がきついわね」

「何言ってるんですか、レイラさん」

 

ナズナにぐしゃぐしゃにされた髪を整え、あたしはレイラさんに八つ当たりした。

 

◆◆◆

 

午後からは国の歴史についての授業だ。

今はリューネ王歴506年らしい。

 

「エデンから分たれた後、陛下のご先祖様がこの地に王国を興したのだけど、ご先祖様以外にも国を興した所があってね。それが北と東と西の国ね」

 

大陸を十字に切り、東西と北に文字をサラサラと書いていく。

北がノースイット、西がバルマバラッド、東が吾妻ノ国という国で、あたしは少し違和感を覚える。

 

「なんで東は吾妻なんでしょうか?」

「さぁ? リューネがこの大陸に来たのは一番最後と伝わっているから、吾妻に行けば分かるんじゃないかしら? あちらの歴史書は全く手に入らないのよね。あぁ、でもナズナ殿下に聞けば分かるかも?」

 

そこはレイラさんでもわからないのか。

というか、なんでそこでナズナの名前が出てくるんだ?

 

「何故殿下なのですか?」

「殿下の亡くなられた御母君、リン様は吾妻ノ国の姫だったらしいの。いわゆる政略結婚ってやつね。今の正妃はベアトリーチェ様だけど、それはリン様のご指名であったそうよ。自分が身罷った時、自分の後を頼むとかなんとか」

 

そうか、ナズナのお母さん亡くなってるんだ…。

って、感傷的になってどうする。

今は授業に集中しなければ。

 

あたしは頭をブンブン振って、雑念を排除する。

 

「ちなみにこれは雑談だけれど、陛下のお妃様、側室やお妾様を含めれば31人いるわ。ナズナ殿下のご兄弟も、殿下含めれば42人いるし…親衛隊はその倍はいると思ってちょうだいね?」

 

多い。

あの陛下、好色家だと思ってたけど酷すぎる。

誰だったか忘れたけど、徳川家の将軍の中に側室が多かった人がいたような気がする。

 

上に立つ者は、子孫を増やして残さなければならない定めでもあるのか?

 

「さて、殿下の事についてはこのくらいで。お勉強に戻りましょうか」

 

ナズナの事について話してたレイラさんに少し違和感を感じた。

ほんの少しだが。

 

「レイラさん、なんでそんなにナズナ殿下の事に詳しいんですか?」

「んー? 気になる?」

 

ニコニコと笑い、質問に質問で返してくる。

なんか嫌だな、これ。

 

あたしが難しい顔をしていると、彼女はクスクスと笑い出した。

 

「別に深い意味はないわ。私ね、勉強するの好きなの。それこそ王国史や、陛下達や殿下達の出生歴とか。どういう経緯でこうなったのか調べるの大好きで、だから詳しいだけなのよ。だから、知ってることだけしか教えられないのよね。殿下の専属護衛になりたかったから、殿下のこと調べたわけじゃないのよ?」

 

それ自体は本当のようだ。

嫉妬でマウント取られたらたまったものじゃないし、これから同じ隊でやっていくのだから少しでも仲良くはしたい。

 

「はい、じゃあ勉強に戻るわよー」

 

パンパンと手を鳴らしたレイラさんに頷き、彼女の言葉に耳を傾けながら記憶していく。

しばらく経った頃、リューネがある大陸の真ん中に、空洞部分がある事に気付いた。

 

「レイラさん、あの真ん中の空洞は何なんですか?」

「あぁ、これ? 此処は迷いの森と呼ばれているとても大きな森でね。各国に跨ってあるのだけど、一度入ったら二度と出られないと言われる魔の森なの。エルフの人達しか、正しい道順を知らないらしいわ」

 

エルフがいるのか。

本当にファンタジーだな此処は。

 

「だから各国、戦争状態に入ったとしてもこの魔の森だけは通らないようにしてるらしいわ。まぁ、北とは国交を結んではいないけれど、東とは友好国だし、西は陛下のお姉様が嫁いでらっしゃるから、同盟国といえば同盟国ね」

 

成程。

この世界の事が少し理解出来た気がする。

 

◆◆◆

 

夕飯の時間になったのだけど、何故か真向かいにナズナがいる。

しかもいつもの食堂ではなく、ナズナの部屋での食事だ。

 

「………」

「そんなに警戒するな」

 

するなって言われてもするわよ。

少し薄暗い個室に、あたしとナズナの2人きり。

普通ならムードがあるのだろうけど、雇い主であって別に好意を抱いているわけじゃない。

それに彼とは違うと思っても、父親があれだ。

その血を引いているから、もしかしたらなんて考えが浮かんでしまう。

食事を鑑定してみるけど、毒物も媚薬も入ってなさそうで内心安心した。

 

少ししてから、食事に手をつける。

 

「レイラの授業はどうだ? わかりやすいか?」

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