転生お嬢様、2度目の人生も頑張ります!   作:桜舞

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122.滞在二日目です

「シャルお前…だから理性が飛ぶような事を言うのはやめてくれ…っ! アルコールが入って気が大きくなるのはわかる。楽しいのもわかる。だが、発言には気をつけろ。お前、記憶が無くなる酔い方はしていないな? 後で思い出して悶絶するのはお前だぞ?」

 

肩に手を置かれ、説得されてしまった。

提案しただけで、何でこんなに言われなくてはならないのか。

 

大人しくベッドに座って待っているように言われ、ナズナは先にお風呂へいってしまう。

 

「別に、悶絶なんてしないもん…」

 

ターニャだってそこまで、あたしに気をつけてはいないだろう。

異世界だから何してもバレないだろう、なんて気持ちもある。

だからこそ、お酒の力を借りて誘ってみた。

 

はしたない事とは承知の上で。

 

大切にしてくれているのはわかるのだが、それにしたって。

 

「ナズナのバーカ…」

 

あたしはポスンと、ベッドに横たわる。

 

恥を忍んで誘ったんだから、応えてくれてもいいじゃん…っ!!

 

ベッドに横になったからか、うとうとし始めたあたしは、そのまま寝てしまった。

 

◆◆◆

 

「ん…」

 

朝の光で目が覚める。

途端に襲ってくる頭痛に、あたしは顔を顰めた。

 

あー、これが噂の二日酔い…。

あんまり酷い人だと、もう二度と飲むかって思うくらいの頭痛らしいけど、そういう人に限ってまた飲むのよね…。

 

頭を押さえて起き上がる。

隣を見ると、バスローブ姿のナズナが眠っていた。

あたしはと言えば、昨日と同じ姿。

流石に、着替えさせようとはしなかったらしい。

それに昨日の事も思い出していたが、やはり悶絶はしなかった。

 

旅の恥はかき捨て、って言葉を知らないのかこの人は。

 

ナズナを起こさないように、ベッドから出る。

あたしはそのままバスルームに向かった。

全て脱いでから、シャワーの栓を開ける。

すぐに暖かいお湯が降ってきて、あたしは頭や体を洗いつつ、お風呂にお湯を貯めた。

 

朝風呂最高!!

 

湯船に浸かって、そんな事を思う。

元々の世界ではこんな事している暇はなかったし、旅行先でもそんな時間は取れなかった。

 

大体、旅行という名の懇談会だったわけだし。

篠原の家の仕事の一環だったわけだし。

 

「ヴェスタ神、あなたに感謝します、ってか?」

 

あれを調子に乗らせたらもっと酷い事が起きそうなので、今回はここまでにしておく。

 

そして、はたと気付いた。

 

「あ、服と下着どうしよう」

 

そこら辺をカヅキに確認するのを忘れていたのだ。

 

最終手段、創造魔法であたしの分は作るとして、ナズナのはどうしたら…。

 

うんうん唸りながらお風呂から上がると、新しい下着と服が一式置いてあった。

バスタオルで髪とかを拭きつつ、少し扉を開けてナズナの様子を見る。

彼はまだ寝ているようで、これを用意したのはナズナではない事が分かった。

 

なら、誰が?

 

しばらく考えていたが、湯冷めしそうなのでありがたく着させてもらう。

 

「う…サイズぴったりって…」

 

引き攣り笑いが出る。

軍服みたいな物に、ロリータが組み合わさったような服。

フリルがたくさんで、さらに顔が引き攣った。

確かにあたしに似合うとは思うけど、普通の服のチョイスは?

 

「これ誰用意したの? せめて声かけて欲しかったかな…いや、声かけられても驚くだけなんだけど」

 

着替えて出てくると、先程まではなかったナズナの替えの服が机に置いてあって、更にあたしは驚く。

 

気配を全く感じなかった。

カヅキの昨日の様子からして、彼女自身が用意したものではないだろう。

 

「カヅキのとこのメイドは、隠密行動も出来る人達ばかりなのかしら…」

 

少し、いや若干引く。

隠密行動が長けてるのは優秀だとは思う。

諜報が必要な時は大いに役立つスキルだろう。

でも、声をかけないで置いていくのは流石にちょっと、とは思った。

 

「ナズナ、起きて。鍛錬したいから、カヅキに許可もらいに行きたいの。ナズナ」

 

彼を揺さぶってみるが、お酒の力のせいで起きる気配が全くない。

普段ならここまで深く眠る事はないので、あたしはナズナを起こす事を諦めた。

テスタロッサの家に来てからも、重要な書類とかをあたしの隣で処理していた事を思い出したのだ。

 

気を張っていた分、ここは安心出来ると寝入っているのだろう。

本当に穏やかな寝顔だこと。

 

椅子に座り、彼の寝顔を見続ける事数分。

扉がノックされたので、あたしは対応に出る事にした。

 

「はい、どちら様ですか?」

「おはようございます、ナツキ様。朝食のご用意が出来ましたので、宜しければ食堂までご案内いたします」

 

扉を少し開けると、昨日屋敷を案内してくれたメイドさんが立っている。

あたしは少し待って欲しい旨を伝えて、ナズナを本気で起こしにかかった。

 

◆◆◆

 

メイドさんの案内で食堂に着くと、そこには既にアオイちゃんとユエちゃん、ユタカちゃんが食事を終えて、ゆっくりしているところだった。

 

「おはようございます、皆さん」

「おはようございます、ナツキさん。ナズナさん…は、まだ眠そうですね」

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