転生お嬢様、2度目の人生も頑張ります!   作:桜舞

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123.異世界の学校に通うようです

あたしと手を繋いでここまで来たナズナだったが、軽く目を擦って眠たそうにしている。

 

「ごめんなさい、昨日飲みすぎたようなの」

「あぁ、部屋にあったワインセラーのあれですか? あれ、お姉ちゃんのコレクションの一つなんですよ。あの部屋にナツキさんを通したのは、まぁ、飲んでもらいたかったからなんでしょうけどね」

 

ナズナの様子にアオイちゃんは苦笑していたので、あたしは弁明した。

 

「ナズナだけで飲んでないよ。あたしも頂いたから、怒られるならあたしも一緒にね」

「いや、怒りはしないと思いますよ。ナズナさんの様子には、呆れるかもしれませんが」

 

クスクス笑う彼女に、あたしも苦笑いを返す。

ふと、カヅキがいない事に気付いた。

いつもあたしより早く起きていたはずの彼女だったのだが、今日は仕事が休みなのだろうか?

 

「あの、カヅキは…」

「お姉ちゃんはまだ寝てると思います」

 

随分キッパリと言うのね、アオイちゃん。

事情があるからこれ以上踏み込んでくれるな、という事かしら。

 

「パパとママ、時々お寝坊さんなんだよねー」

「ねー」

「しーっ!」

 

あぁ、そういう事。

お熱いことで。

羨ましい。

 

少し嫉妬してしまうが、それはそれ、これはこれ。

あたし達の仲が進むのはきっと、婚約してからだろうし。

 

あと四ヶ月…長いなぁ。

 

食卓に着き項垂れていると、やっとナズナの目が覚めたようで、あたしの様子を見て怪訝そうな顔をしていた。

 

「どうした、シャル?」

「いや…別に…」

 

察する能力は高いはずの彼だが、まだ頭が回っていないようだ。

ナズナの今の思考を読むなら、昨日飲んだワインが残っているとでも思っているんだろう。

 

残ってたのは貴方だから!

 

と声を大にして叫びたいところだが、ここは自分の部屋でもなければ、寮の部屋でも宛てがわれた部屋でもない。

大体、事情を知らない三人に朝だというのに大声を聞かせる訳にはいくまいと我慢する。

 

あたしとナズナの前に、サンドイッチとかの軽食が並べられた。

まぁ、朝だからあんまり入らないのでありがたい。

ナズナは物足りないかもしれないけど。

 

「おはよう、すまない寝坊してしまったようだ」

 

食事を終え、食後のコーヒーを頂いている時にカヅキがユウリさんと共に現れた。

遅く起きてしまった事を謝罪しながらだったが、双子ちゃん以外は事情がわかっていたので、黙って微笑むだけにしておく。

ちなみに、ナズナは黙っている事が出来ないだろうと思ったので、魔法で口を閉じておいた。

絶対余計な事を言うだろうと思ったから。

 

コーヒーは飲み終わっているし、良いわよね?

 

恨みがましそうな目で見られてしまっているが、後で説明すれば許してくれるだろう。

 

「あぁ、ナツキ。雛桔梗貸してくれ。いくら魔武器だからといっても、自己修復だけでは追いつかない事もあるだろう。メンテしておいてやる」

 

カヅキ達も食事を終え、コーヒーを嗜んでいた時に彼女はそう言った。

機械関係に疎い自信しかないあたしは、アンクレットを外し、カヅキに渡す。

 

「雛桔梗も、カヅキなら知ってる相手だろうし。うちの子お願いね、カヅキ」

「任せとけ。あと、リハビリ目的で学校に通ってもらおうと思うが良いか?」

 

渡した瞬間、カヅキが告げた。

学校に通ってもらう、と。

 

「……リハビリ目的なのはわかります。ナズナから離れても大丈夫な様にする為なのも分かります…あたし今冬休み中だったのに?」

「それに関してはすまんと思っているが、お前の為だ。我慢しろ」

 

こういう強引な所、師匠であるターニャそっくり。

まぁ、あたしの事を考えてその方法を取ってくれたのだろうから、従っておいた方が良いだろうな。

 

「ナズナも一緒だよね?」

「当たり前だろ。離したらどうなるかはナズナに聞いた。その状態で離せるかよ」

 

良かった。

あたしだけだったら、学校に行く事も叶わないだろうし。

 

「一時間後に、学校に連れて行く。準備しててくれ」

 

そう言って、カヅキは食堂から出ていった。

 

◆◆◆

 

カヅキが勤めている学校の制服を貰い、あたしとナズナはそれに着替える。

白いワイシャツと、黒地のスカート。

男性の方は黒地のスラックスで、ナズナのいつもの制服姿とは違うものだから、少し見惚れてしまった。

 

「シャル、その姿新鮮だな」

「貴方だって…」

 

制服姿だというのに、お互い照れてしまう。

扉がノックされる音がして、あたし達の意識はそちらに向いた。

 

「準備出来たか? 行くぞ」

「あ、うん。行こう、ナズナ」

 

彼の手を取り、扉を開ける。

瞬間、暗闇に包まれた。

 

次に目を開けると何処かの扉の前にいて、あたしはこの現象を引き起こしたカヅキの方を、恨みがましい目で見てしまう。

 

「出来れば、予告してもらいたかったのだけど。驚いてしまったじゃない」

「悪い。だが、私が長距離転移が苦手な事知っているだろう?」

 

知っていますとも。

うちの庭に吐いた事は記憶に新しいもの。

 

「それで、ここは何処だ?」

 

ナズナが辺りを見渡し、カヅキに尋ねる。

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