転生お嬢様、2度目の人生も頑張ります!   作:桜舞

14 / 276
14.魔武器を作ります

自分の察しの良さが嫌になる。

 

「まさか、王太子って、ナズナ殿下…?」

「イエース」

 

イエスじゃない!

ナズナが許可してくれたからって、滅茶苦茶気安く接してしまっていた。

 

自己嫌悪に陥っていると、カナリアがケタケタと笑い出す。

 

「何?」

「いや、シャルって百面相する癖あるよね。それって私に気心許してくれてるからかなって思って」

 

自己嫌悪で蹲ってしまったあたしの隣に腰掛け、彼女はにこりと微笑みかけてくれる。

 

「まぁ…警戒する必要性ないし、気を張る必要性もないじゃない? …仲間なんだから」

「かーわーいーいーっ!!」

 

カナリアに抱きしめられ、体勢を維持出来ず転んでしまった。

何戯れてるの、なんてオリヴィエさんが苦笑しながら注意してくる。

 

「そういえば、シャルロットって魔武器どうしてるの?」

「魔武器?」

 

休憩時間、ルナさんにそんな事を聞かれた。

 

何だそれは?

 

話しかけてくれたルナさんと、横にいたリーリエさんに尋ね返す。

更に首を傾げると、マジかという顔をされた。

 

「魔武器っていう武器があるの。自分の半身のように扱える武器でね、こう召喚して待機状態にして持ち歩くんだけど…本当に持ってない? 学校で習って作ったりするんだけど」

「持ってないです」

 

2人は驚いた顔をして固まってしまう。

申し訳なさと同時に、あの神に怒りが湧いた。

そういう事は早く教えて貰わないと困るのだ。

 

ほんと、仕事出来ないし使えないったら!!

 

『雛桔梗、魔武器を持っているのは一般的なの?』

【はい。一般的と言われたら懐疑的ではありますが、ほとんどの人が持っているといっても過言ではないでしょう】

 

そうなのか。

やっぱりあの神は使えない奴判定だ。

 

「簡単に出来るから、やってみる?」

「是非に」

 

頷くと、ルナさんは地面に何か魔法陣を描いていく。

途中、カナリアが魔法陣に訂正を入れていった。

 

「てか、シャルロット。今まで魔武器なしであんな強さだったわけ?」

「魔武器持ったら、副隊長より強くなったりして」

 

アガサさんと、ブリジットさんがあたし達の様子を見てそんな事を呟いている。

全く背後を気にしていないのは、親衛隊としてどうかと思いますよ、お二方。

 

「2人とも、馬なしで帰りたいのかしら?」

「「滅相もございません!!」」

 

にっこり笑顔で、オリヴィエさんが仁王立ちしていた。

 

「はい、出来たよー。シャル、これに魔力流してー」

 

そんな光景をガン無視して、カナリアがあたしを呼ぶ。

カナリアの傍に寄り、魔法陣を眺めた。

 

結構大ががりだな。

魔法陣の中に色んな文字が書かれている。

あそこら辺の文字は判別出来ないな?

なんて書いてあるんだろう?

 

「ほらほら、流してみって。あ、どんな武器が欲しいかってイメージしながら流すと、より上手く出来るよ」

「う、うん」

 

魔法陣の線に沿って、魔力を流し始める。

青白い光を放ちながら、しかしその光が徐々に強くなっていった。

 

「ちょ、ちょちょちょ、シャル! 魔力流しすぎだって! どんだけ大物作るつもりなの?!」

「うわ、何だこの騒ぎは。オリヴィエ、報告しろ」

 

カナリアが驚いた声を上げ、ニーナさんがこの光を見てこちらに来ると同時に、オリヴィエさんに尋ねる。

 

え、流しすぎなの?

ほんのちょっとしか入れてないのに?

 

レイラさんから教わった、魔力の運用方法を実践しながらだったのだが、マズかったようだ。

 

閃光と言っても過言ではない光が放射され、それが治った時。

あたしの目の前には、深い青紫色をした鎧のような物が鎮座していた。

 

「…これが魔武器?」

 

鎧に触れると、あたしの中から何かが抜け落ちて鎧に吸い込まれていくような感覚を覚える。

一体何だったのだと思った瞬間。

あたしの目の間にウィンドウが表示された。

 

【体を手に入れました、我が主。これで更にお役に立てる事でしょう】

「雛桔梗なの?!」

 

あたしは思わず、声に出してしまう。

カナリアは成程と納得しているようで、

 

「それが魔武器の名前なんだね。なんか可愛い名前。魔武器は生成したら、名付けをするのが基本だけど、そこは知ってたんだ?」

 

と言ってくる。

 

いえ、全く知りませんでした。

 

「シャルロット、カナリア、ルナ、リーリエ。後で反省文を書け、良いな?」

 

オリヴィエさんから報告を受けたニーナさんが、あたし達にそう言う。

ご尤もな事で、他の3人は文句を言っていたけれど、休憩時間にこんな騒動起こしているのだから、そういう判決になるのは当たり前な事だ。

むしろ、反省文だけで済んでいるのだから、罰は軽い方だと思う。

 

「それどうやって使うの? 着込むだけ?」

「防御力高そうよねー」

 

ルルさんとサリナさんが、あたしの魔武器である雛桔梗を見てそんな感想を述べる。

 

「使って見せてよ、シャルロット」

 

ベラさん達も集まって、雛桔梗を使えと囃してくるので、ニーナさんの方を見た。

ニーナさんは肩をすくめ、好きにしろと一言告げてその場から去る。

 

使えと言われてもどうすれば。

少し逡巡していると、雛桔梗がウィンドウで尋ねてきた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。