転生お嬢様、2度目の人生も頑張ります!   作:桜舞

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147.あたしの王子様は格好良いです

いつもはルティが作ってくれてるのだが、今日は呼んでも来なかった。

レヴィを呼んでも来なかったので、二人で何かしているのだろう。

仲がいい事で結構。

 

「ん? 俺が贈るつもりでいたんだが…迷惑か?」

「え…? むしろ、良いの? 逆に聞きたいんだけど、迷惑じゃないの?」

 

席に座り彼に尋ねると、首を横に振った。

今日はパスタにしたが、彼はフォークをパスタに刺しクルクルと回していく。

 

「俺のコーディネートで着飾るシャルが見たい。あとは俺の髪色も入れるつもりだが…ターニャが許すか…?」

「許すと思うよ。お嬢様を綺麗にするのは私の仕事です、とは言いそうではあるけど。そんなに不安なら、ターニャに聞いてみる?」

 

そうしてくれ、と言われたので食事が終わった後ターニャに雛桔梗から通話をかけてみた。

数コールの後ターニャが出たので、あたしはナズナから提案された事を伝える。

 

『それのデザインによっては、却下します。お嬢様が輝くようなドレスでなければ認めません』

「わかった。あとでデザイン画送ってもらうように伝えるね。遅い時間なのにありがとう、ターニャ」

 

いえ、と言ってターニャは通話を切った。

いつもなら、少しお小言が入るのに今日は珍しく切られてしまい、あたしはキョトンとなる。

 

「……いやー…ターニャにも春が到来したのかしら」

 

春は人を陽気にさせる何かがあるらしいし、ユキヤ君の件もあるし。

うーん、と伸びをしていると後ろから抱きしめられる。

そんな事をする人は、この部屋には一人しかいないのであたしは彼を見た。

 

「どうかした? ナズナ」

「ターニャと話終わったんだろう? なんて言ってた」

 

あたしの頭に頬擦りする彼に、この人の愛情表現は犬みたいだなと思ってしまう。

 

「ふふ…くすぐったいよ、ナズナ。とりあえず、デザイン画送れって。それ見てから判断するって」

「そうか。シャル」

 

あたしから手を離し、肩を掴んで自分の方を向かせると、ナズナはまたあたしを抱きしめてきた。

 

「あともう少しだ。もう少しで、お前と婚約出来る。やっとだ。長かった…」

「ナズナ…」

 

あたしの腰と頭に手を回し、彼は深い抱擁をしてくる。

ナズナの背中に手を添え、あたしは微笑む。

 

「そうだね、長かったね。でも、貴方と部屋が別になってしまうのは少し寂しいわ」

「…婚約者でも一緒に住めるよう、校長に交渉してみるか…」

 

いや、その前にターニャが許さなさそうだが。

婚約してもどこまで許してくれるか分からないのに、流石にそれは駄目ではないだろうか?

 

「ナズナ、ターニャにお伺いたててからね?」

「わかってる…」

 

あたしは、少し肩を落としてしまったナズナの頭を撫でた。

 

◆◆◆

 

卒業式当日。

あたしはテスタロッサのメイド達に、寮の自室でナズナから贈られたドレスを着付けてもらっていた。

紺青色のドレスに、ナズナの髪の色である金色が刺繍されている。

完璧に肩が出ているので、白色のレース生地のショールを羽織った。

髪もアップにしてもらい、これもナズナが贈ってきた紫の宝石がついた髪飾りをつける。

ヒールもあたしの足に合わせており、ガラスの靴を彷彿とさせるような透明なもの。

しかしこちらも、銀色の装飾やらが施されて結構煌びやかとなっている。

足にはネイルがしてあり、青色の中に金の星が散りばめられていた。

 

「お嬢様、いつにも増して美しいです…!!」

 

ルーティが目をキラキラさせて、あたしを褒め称える。

他のメイド達も、うんうん、と頷いてくれていた。

 

「みんなのお陰よ、ありがとう」

 

滅相もございません、とメイド達は頭を下げてくる。

そんな時、部屋の扉がノックされた。

リアラが扉を開けようとしたが、あたしはそれを制止する。

 

「あたしが開けるわ。一番に見せたいの」

 

あたしがそう言うと、メイド達は隅の方に下がって行った。

扉を開けると、王族専用だと言っていた黒地に金の刺繍入りの軍服に、片方の肩には赤く、しかし少し短いマントがかかっている姿のナズナがいる。

いつもはおろしている髪も、後方に撫で付けてあるのか、彼の顔がいつもよりはっきり見えて、あたしは思わず顔を逸らしてしまった。

 

「…似合ってないならそう言っていいぞ」

 

ナズナはそう言うが、あたしは違うと否定する。

 

「違う…格好良くて…直視出来ないの…。やだ、心臓、もつかな…」

 

ドレスと同じ色のロンググローブをつけた手で顔を覆う。

ドクドクと、心臓が鼓動を打つ音が煩い。

ナズナが、あー…、と声を出す。

 

「お前も、綺麗だ…その言葉、俺が言いたいくらいだぞ、シャル…」

 

顔を上げると頬を赤く染め、あたしから目を逸らしているナズナの姿が映った。

その姿を見て、あたしは少し笑ってしまう。

 

「ふふ…似た者同士ね、あたし達」

「そうだな。では、エスコートさせてくれ俺の姫」

 

ナズナが腕を差し出した。

その腕にあたしは手を絡める。

 

「お願いします、あたしの王子様」

 

ナズナにエスコートされ、会場に入った。

途端、歓談していた声が一斉に消える。

 

「…なんで?」

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