転生お嬢様、2度目の人生も頑張ります!   作:桜舞

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15.使い魔召喚します

【試運転を行いますか?】

『あぁ、うん。どれくらいの性能なのか、試してみたいわ』

 

雛桔梗は了解と返すと、鎧が全て分解され、あたしの体に装着されていく。

ただ、ちゃんと装着されるわけではなく、胴体と頭はガラ空き状態。

胴体部分の鎧はといえば、何か変形されて宙に浮いている。

 

『これ、何かしら?』

【無線式の攻撃用兵器です。魔力を凝縮させて、剣にすることも可能です。なお、機体にはスラスターもありますので、飛ぶことも可能です】

 

機体?

という事はこれ、機械なの?

 

あたしの疑問に、雛桔梗はイエスと返してくる。

 

「シャルロット、凄いじゃない。これ、副隊長の座返上かもしれないわね、オリヴィエ?」

「馬鹿言わないで。シャルロット、休憩時間は終わりよ。早く魔武器をしまいなさい」

 

クスクスと笑うレイラさんに、オリヴィエさんは呆れたようで、そう返事を返す。

 

「はい、すみません副隊長」

 

雛桔梗に展開終了を告げると、瞬時に鎧は消え失せ、足に何か触れる感覚を覚えた。

見てみると、青紫の宝石がついたアンクレットが足に付いている。

 

成程、これが魔武器の待機形態なのね。

 

納得した上で、訓練を再開する。

こんな平和な時間が続けば良いんだけど、多分無理だろうな。

 

あたしの勘が、そう告げていた。

 

◆◆◆

 

王都に帰還する朝。

あたしの荷物なんてたかが知れていたので、ナズナの荷物の梱包を手伝おうと彼の部屋の前に来ている。

朝ご飯は最終日まで美味しく、時間がある時厨房にお邪魔して料理を習っていた関係からか、料理人の人達へ最後に挨拶してからこちらに来た。

 

彼らに物凄く惜しまれてしまったけれど。

何でだろう?

 

「…今の時間、王族の人達朝ご飯食べてるんだっけ?」

 

庭に備え付けられてる時計を見る。

 

この世界に来て上下水道が整っているのにも驚いたが、時計とかがあるのにも驚いた。

旧ヨーロッパ風なのに、そういう所は現代に近い。

 

確か発明は、21貴族のうちの1人であるテスタロッサ卿だったっけ。

あたしと一緒で、転生者だったりして。

 

そんな事を考えていると、ナズナがこちらに来るのが見えた。

 

「ん? おはようシャル。どうかしたか?」

「おはよ。荷物の梱包作業手伝おうと思って」

 

そう言うと、ナズナは微かに首を傾げる。

 

「荷物なんてメイドが纏めるし、俺らはする事なんて何もないぞ」

 

そうだった。

王族なんてチヤホヤされて、身の回りの世話もされる超セレブな人達の集まりだった。

 

なら、あたしがここにいる意味はない。

踵を返そうとすると、ナズナに肩を掴まれた。

 

「…何よ」

「馬車が出るまでまだ時間はある。少し散歩に付き合え」

 

そう言うや否や、あたしの手を掴んで庭の方へ歩き始める。

こうなった彼は、何を言ったところで止まらない。

 

全く、強引なんだから。

 

少々呆れていたのだが、庭を通り過ぎ門まで来た所でおかしいと思い、ナズナに問いかける。

 

「庭に行くんじゃなかったの?」

「お前、使い魔の召喚をまだしていなかっただろう? 手伝う」

 

先日、魔武器召喚の話をしたのだけど、その場にいたかったと拗ねられたのだ。

確かに、使い魔もセットで呼ぶみたいな話はされたし、まだ呼んでないと伝えてはいたけれど。

 

「今から? いくら時間があるからって、使い魔の召喚は話し合いだけじゃ済まない時があるんでしょう? 時間かかったらどうするの?」

「俺専用の馬車があるから大丈夫だし、親父達に先に戻って貰えば良いだろう」

 

そういう問題ではない気がするんだけど。

 

森の中までズンズンと入って行き、屋敷から充分に離れた所で、ナズナは手を離した。

 

「ここなら何かあっても大丈夫だろう」

「何かって何よ。というか、何かあったらあたしが守るわよ」

 

そのための専属護衛ですもの。

 

「シャル自身がやらかしそうだって話をしている。魔力量だって、常人と違うのだろう? 王都で使い魔召喚して何かあったら、その責任は俺にもある。だからここでやろうというわけだ」

 

成程。

確かに、あたしの魔力量は多い。

この間もそのせいで、反省文を書かされたばかりだ。

王都で爆発でもしたら、あたしだけじゃなくナズナの首も飛ぶ可能性があるのか…。

 

ナズナは地面に魔法陣を描いていく。

ルナさんやカナリアが描いてくれたやつと、文言が違う。

興味深い。

王都に行ったら、魔法陣の勉強もしてみたいな。

 

「ほら、ここに魔力を流して、呼びたいやつをイメージするんだ。あぁ、魔武器は呼んでおけ。何があるかわからないからな」

 

ナズナの忠告に頷きを返し、あたしは雛桔梗を腕の部分だけ展開する。

彼が描いてくれた魔法陣にゆっくりと魔力を流していくと、光り輝き始めた。

 

イメージ、イメージか…。

とりあえず、死にたくはないし、ナズナも死なせたくない。

だから、あたしを守れて、力になってくれる子がいいなぁ…。

 

そう思っているとまた魔法陣から閃光が放たれ、治ったと思うと同時に、目の前に巨大な鱗が見えた。

 

「え…?」

 

何これ。

蒼い、鱗?

使い魔は?

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