転生お嬢様、2度目の人生も頑張ります!   作:桜舞

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16.使い魔と戦闘します

周りを見渡すと、魔法陣は消えているし、ナズナは驚いているしで、あたしは状況を把握出来ず困惑する。

 

「ナ、ナズナ、これって」

「…シャルの魔力が何を引き寄せたかはわからんが、魔法陣が消えている。送還は無理だぞ、これ」

 

レイラさんとの授業を思い出した。

使い魔を召喚するにあたって、注意することがある事を。

 

一つ、自分より強い使い魔を呼んではいけない。

 

自分の力量より強いものを呼んでしまうと、制御ができず、逆に自分が殺されてしまう可能性があること。

 

二つ、もし呼んでしまったら直ちに魔法陣を消して送還すること。

 

使い魔は、契約を結ぶまでその地の地力を糧に顕現している状態だ。

その要となっているのが、魔法陣。

それを消してしまえば、使い魔はこの地に留まることが出来ず、元の世界へ戻るそうだ。

 

その二つの注意事項を思い出した所で、魔法陣が消えてしまっている以上、ナズナが言った通り送還は出来ない。

 

〔貴様か、我を呼び出したのは〕

 

上から声が降ってくる。

見上げると、上の方まで鱗が続いていた。

 

「えと、あなたは…?」

〔我はリヴァイアサン。貴様が呼んだのに、把握していないとは何事だ〕

 

すみません。

あなたとイメージしないで、呼んでしまいました…。

 

なんて口が裂けても言えないから、黙っておく。

 

「あの、リヴァイアサン。あたしと契約して使い魔になって欲しいの。とりあえず、あたしを守ってもらえたら…」

 

そこまで言って、リヴァイアサンの声が嘲笑を含んで降ってくる。

 

〔我が貴様如き矮小な存在に、使役されるだと? 馬鹿も休み休み言え、片腹痛いわ!〕

「あー…」

 

これ、交渉決裂っぽい。

あたしがどんなに言葉を紡いだ所で、リヴァイアサンには届かないのだろう。

ならば。

 

「雛桔梗、全シールドをナズナへ。リヴァイアサン、力比べをしましょう? あなたが勝てば、あなたが欲しいものを差し上げるわ。あたしが勝てば、使い魔になってくださらない?」

 

雛桔梗から、魔力形式の防護シールドが放たれ、ナズナの周りを浮遊する。

これでナズナは大丈夫。

 

〔ふん。良いだろう、人の子よ。貴様の土俵に上がってやろう〕

 

そう言うと、リヴァイアサンの体が光に包まれ、凝縮して人の形に収まる。

光が収まった後、あたしと似たロングの青髪赤い目、黒い戦闘服らしきものを纏った美女が現れた。

 

「あなたが、リヴァイアサン?」

「いかにも。小娘、我を呼んだ事を後悔させてやろう」

 

瞬間、リヴァイアサンが消え、あたしの目の前に現れる。

拳を振り上げ叩き込まれる寸前、魔力で作った刀身で受け止める。

 

「ほう、我の拳を受け止めるか。小娘」

「すっごい、重いですけどね…!」

 

両手で剣を作って受け止めたけれど、片手であったなら吹っ飛ばされていた所だ。

そして、生身の拳で刀身に触れているにも関わらず、一切斬れている様子もない。

 

あたし、いったい何を呼んだというの?

 

あたしの疑問に、雛桔梗が答えてくれる。

 

【リヴァイアサン:別名レヴィアタン。神が作った魔獣の一匹。七罪の悪魔、嫉妬のレヴィアタンでもある】

 

は?

悪魔?

 

「悪魔なの? 貴女?」

「本当に白ける奴だな。いかにも、だ! 我は七罪の悪魔、三大魔獣のリヴァイアサンである! さて小娘、死ぬ覚悟は出来たか?」

 

ニヤリ、とリヴァイアサンは笑う。

嫌だ、絶対死なない、死にたくない。

 

「雛桔梗、貴女どれくらいまで耐えられる?」

【我が主の魔力が続く限りです】

 

あたしの問いかけに、彼女は十全の答えを返す。

それに、あたしはニヤリと笑った。

 

「何をブツクサと。気が触れたか?」

「いいえ。貴女を倒す算段が整ったという事よ!!」

 

剣で拳を弾き飛ばし、距離を取る。

雛桔梗の武装を全展開させ、スラスターを起動させた。

リヴァイアサンに突っ込むのと同時に、無線兵器も彼女に突撃させる。

 

「は、小癪な。そんな小手先で、我が倒せるとでも?」

「倒せる算段がついたと、先程言ったはずでしょう!!」

 

無線兵器だけでは心許ないと思ったので、創造魔法を駆使して色々な銃や剣、飛び道具にできるものは全て使う。

 

創造魔法で、魔力で作った剣からドラゴンスレイヤーと呼ばれる剣に切り替え、リヴァイアサンに斬りかかった。

飛び道具による攻撃を避けていた彼女の反応が一瞬遅れ、あたしの剣が彼女の体を横から真っ二つにする。

 

「な…?!」

 

驚いたリヴァイアサンは、そのまま地に倒れ伏した。

 

「…っ…ぜーっ…はーっ…」

 

瞬間的にスラスターで飛んだから、息が出来なかった。

あと、斬った感触が手に残ってて…とても嫌だと思った。

 

「ふん、小娘。貴様の勝ちだな」

 

口の端から血を流しているのに、リヴァイアサンはあたしを睨みつけながらそう言葉を紡ぐ。

 

完全回復魔法(リザレクション)

 

あたしは何も言わず、回復魔法をかけた。

緑色の光を放ち、リヴァイアサンの傷がみるみる治っていく。

腹部が完全にくっついたのをみて、あたしは彼女にもう一度言った。

 

「リヴァイアサン、あたしの使い魔になって。あたしを守る盾になって欲しい」

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