転生お嬢様、2度目の人生も頑張ります!   作:桜舞

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194.宣戦布告をされたようです

人間の魔法で回復できるかわからなかったから、安心した。

 

〈シャル。悪いが、ゲンブに結界を張ってやってくれないか? 誰がどのようにコアを埋め込んだかわからない以上、また同じような事が起こるかもしれない〉

 

ミラの言葉にあたしは頷き、ゲンブに時限付きの結界を張る。

ゲンブが回復し、動けるようになるまでの間だけ張られるように。

 

ひっくり返っていたゲンブが少し動き、目をこちらに向けた。

そして目を細めた後、一言だけ言葉を発する。

 

〈ありがとう〉

 

とても優しげな声でそう言い、目を閉じた。

 

「どういたしまして。ゆっくり休んでてね、ゲンブ。ありがとう、ミラ。呼びかけに応えてくれて。本当に助かった」

 

あたしの背後にいたミラに振り向いて、彼女を抱きしめると、ミラはあたしの頭を撫でてくる。

 

〈別に良い。困ったら呼んでくれ。では、四大が煩いから帰る。またな、シャル〉

 

そう言って、ミラは消えた。

あたしは結構存在を忘れてたエルを見て、苦笑する。

 

「ごめん、エル。あたしこれから城に行かなきゃ行けないんだけど…一人で帰れそう?」

「大丈夫です。シャルさん…私、今回の件を機にもっと精進しようと思います。いつか、シャルさんみたいになれるように」

 

あたしみたいって…人間辞めるって事になるんだけど…。

まぁ、エルがやる気に満ちているのだから、水を差すのはやめておこう。

 

◆◆◆

 

エルとその場で別れ、あたしはレヴィとルティを伴い、城の城門前に転移する。

いくらあたしがナズナの婚約者と言えど、いきなり城の中に出るのはまた違うと思ったからだ。

 

「こんにちは。シャルロット・マリアライト・テスタロッサです。用事が終わりましたので、ナズナ殿下にお目もじ致したく、参上しました。登城しても宜しいでしょうか?」

 

衛兵の人に、如何を問う。

だが、いつもはにこやかに通してくれる衛兵の人が、今日は少し厳し目の顔で、あたしだけに聞こえるよう小声で言った。

 

「シャルロット様、今日はやめておいた方がよろしいかと思います。城内が慌ただしくなっており、非常に緊迫しております。その、小耳に挟んだ程度ではありますが…臨戦態勢に入っているのだとか。なんでも、隣国が開戦を言い渡してきたそうで…」

 

あたしは驚いて、思わず自分の口元に手を当てる。

だから、ナズナだけでなくアルテミシアさんも呼ばれたのか、と納得した。

あたしは手を下ろし、衛兵を見る。

 

「…それでも、中に入れていただけないでしょうか。殿下が帰れと仰るなら、すぐさま下城致します」

「ですが…」

 

あたしを心配して衛兵の人は帰そうとしてくるが、あたしは元々ナズナの専属護衛だ。

こんな事で帰るわけにはいかない。

押し問答を続けていると、衛兵の人の肩に誰かの手が置かれた。

 

「ニーナ隊長…」

「シャルロット、殿下が呼んでいる。それにお前、殿下からシャルロットが来たら、すぐに城の中へ入れるよう通達が来ていたはずだぞ? 他の衛兵が私を呼んでなかったら、彼女は諦めて帰っていた事だろう。お前、殿下の意に背いたと処罰されるところだったろうに、まったく…」

 

彼が本気で、心配して言っていたのは分かっていたから、これ以上問答をして通してくれなければ、ニーナ隊長の言う通り帰る所だった。

ナズナに念話を飛ばしてからだが。

 

「ニーナ隊長、殿下はどちらにいらっしゃいますか?」

「謁見の間だ。他の21貴族の当主も集まっているから、お前のお義父上もいるだろう」

 

衛兵とニーナ隊長に礼を言い、あたしは早足で謁見室に向かう。

あたしが到着したのを見て、謁見室前の衛兵が扉を開いてくれた。

扉が開かれた事により、部屋の中にいた人達の目線が一気にあたしへと向く。

 

「お話の途中、大変申し訳ありません。シャルロット・マリアライト・テスタロッサ、参上致しました」

「シャルロット、こちらへ」

 

ナズナが、玉座に座る陛下の横からあたしに向かって、手を差し出してきた。

あたしは一礼してから部屋の中に入り、レヴィとルティを伴って彼の傍に行き、その手を取る。

 

〈一体何が起こってるのよ。説明して〉

 

念話でナズナに尋ねた。

彼はチラリとこちらを見た後、目線を前方に向ける。

 

「バルマバラットから、我が国に向けて宣戦布告があった。無血開城をすれば、命までは取らない、とな。だが、先の戦の折、バルマバラットはノースイットの侵攻を此方に報告せず、素通りさせた前科がある。皆も聞き及んでいるかとは思うが、バルマバラットは民に重税を課し、男は徴兵、女子供は慰み者となっている。処刑など当たり前で、敵対するものは全て殺す。対して、王族は裕福な暮らしをしているそうだ。その国が我が国に宣戦布告をした。何故か? 答えなど明白だ。我が国の資源を欲したのだろう事はわかる」

 

ナズナは、この場にいる者全員にそう説明し始めた。

ざわざわと、当主達が思い思いに話している。

当主達がいる場から少し離れたところに、アルテミシアさんの姿を見つけた。

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