転生お嬢様、2度目の人生も頑張ります!   作:桜舞

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2.森の中で迷子を見つけました

不意の意識浮上に、あたしは目を開いた。

 

「…あのエセ神…!」

 

詳しい説明も無しに放り投げてくれやがった。

 

若干眉を寄せながら思考する。

 

神というなら、少しくらい此方に譲歩してくれてもいいのではないだろうか?

神だから下賤の者の頼みなど引き受けないということだろうか?

まぁ、下っ端だと言っていたし、しょうがないかとも思った。

 

とりあえず骨が折れている、という激痛も何もないみたいで、あたしはゆっくりと起き上がる。

あたりを見渡してみると草木が生い茂る所で、しかしこの場所だけは開けており、小さい泉の傍らで眠っていたようだった。

上を見上げれば泉を照らすかのように、ぽっかりとそこだけ開いている。

明るいところを見ると、まだ朝方から昼にかけての時間帯くらいだろう。

泉の方を見るとよほど澄んでいるのか、鏡のように空を映し出していた。

 

とりあえず、自分の顔を確認する。

 

「…誰、この美人」

 

自分の顔に触ってみた。

泉の中に映し出された人物も、自分と同じ動きをする。

なるほど、これが今のあたしの姿ということだろう。

 

蒼色の髪に、紫の瞳。

背中にかかるくらいの髪の長さで、黒いプリーツスカートと白いスタンドカラーシャツ。

茶色のブーツまで履いているところを見ると、神が用意してくれたものみたいだ。

 

あの世界にいる時は、白いワンピースに裸足だったし、目の端に映った髪は黒だったものね。

 

よいしょ、と立ち上がった途端ふらついてしまう。

下を見ると、あの世界にいた時よりも高さが違っていた。

どうやら背も伸ばしてしまったらしい。

 

余計なことを…。

 

しばらく立っていると、平衡感覚が掴めてきたようでふらつくことも無くなった。

さてこれからどうしようかと、神が言っていた言葉を反復してみる。

 

「そういえば、検索機能がどうとか…」

 

そう言った瞬間、目の前にウインドウが表示された。

 

【異世界サンクロードへようこそ。この世界は魔法と剣を扱う世界となっております。また、人間と魔族、亜人族が暮らしており、魔物もおります。王政が敷かれてもいます】

 

この世界の説明書みたいなものだろうか?

音声認識か、これ?

 

「他の機能も検索したいのだけれど…」

【こちらが一覧になっております】

 

ブォン、と音を立て、各項目の一覧が出てきた。

音声認識で合ってたみたいだ。

魔法の扱い方、スキルの扱い方、剣技の使い方。

途中でステータスも見れたけれど、名前の所が???になっていて、他の攻撃力や魔法力などは全てMAXになっていた。

多分体力と魔力? だと思うのだけど、インフィニティのマークがついている。

確かにあの神は約束を守ってくれたわけだ。

胸のあたりは余計だとは思うが。

 

「さて…ここら辺のマップ表示できる?それとあなた受け答えしかできない感じ?」

【マップを表示します。次の質問にはいいえで返します、我が主】

 

どうやら、ちゃんと話はできるようだ。

一人旅になるかと思われたけれど、話し相手ができたみたい。

 

マップを左上に表示させながらあたしはとりあえず街道に出る道を目指すことにした。

いつまでも森の中にいるわけにもいくまい。

 

スキルで作った長剣を、これまたスキルで作ったナイフホルダーに収める。

スキルの使い方は検索機能もとい、雛桔梗に教わった。

彼かと思いきや、彼女らしい。

聞いたら性別は女性だと返ってきた。

雛桔梗という名前は、彼女には名前が無いということで、なんとなく浮かんだ名称を付けてみる。

存外気に入ってくれたらしく何回も、ありがとうございますと表示が出ていた。

 

マップに表示されてる赤い点は多分敵だと思ったので、街道を目指すついでにその場所に行き、確認してから撃破していく。

まぁ、魔獣とかの類だったので、人ではなかったことに安堵した。

流石にまだ人を殺す勇気はない。

襲われたら正当防衛で殺すかもしれないけれど。

 

「…とりあえず、剣技とか魔法とかの扱いには慣れてきたかな」

 

ようやく街道に出れたのは、日が傾きかけ夕日が見え始めた頃合だった。

 

これは野宿かな…。

やったことないけど、検索かければなんとか行けなくもない…か?

剣を作った時の創造ってスキルもあるから、テントとか道具とかも作れそうだし。

あたしの想像力に頼る程度のものしかできないけれど。

 

なんて事を思っていた時。

子供の泣き声が聞こえた。

 

その方向を見ると、銀の髪をした10歳くらいの男の子が、その場に座り込んで泣き叫んでいたのだ。

あたしは驚いて、固まってしまう。

 

こんな反応をするということは、あたしは子供という生き物と触れ合ったことがない、もしくは苦手だったのだろうか?

 

「とうさまぁ、かあさまぁぁ…っ!!」

「………」

 

逡巡している暇はないようだ。

ため息をついたあたしは、意を決して彼に話しかけてみることにした。

 

「君、どうしたの?」

「…ひっぐ…とうさま…かあさま…いない…」

 

両親とはぐれたということだろうか?

しかしながら、森の中ならまだしも、この街道は一本道のようだ。

 




なろう系が2000文字限度らしいと聞いたので、2000文字で区切って完結させられるよう頑張ります
FGOイドで情緒ぐっちゃぐちゃですが、小説もぼちぼち書いていければなぁ…と思います…
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