転生お嬢様、2度目の人生も頑張ります!   作:桜舞

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216.修学旅行二日目です

何かあっては悪いからと、レヴィとルティを置いて行ったのに?

書き置き必要だったのかしら…。

空気を読んで、二人ともいなくなってるし。

 

「それはごめんなさいね。離してくれない、ナズナ? 着替えられないから」

 

すっ、とあたしから離れたナズナだっだが、指を鳴らして服を変えるとまた抱きしめてくる。

結構キツく抱きしめられたので、あたしはクスクスと笑ってしまった。

 

「…なんだ」

「貴方、そんなに甘えん坊だったかしらって思って。あたしがいなくて不安になったの? 仕方ない人ね、ナズナ」

 

そう言うと、彼から無理やりキスをされる。

触れるようなキスから段々深くなっていき、あたしは立っていられなくなって、ナズナにしがみつく。

 

唇を離され、息を荒げているあたしに彼は言う。

 

「…夢見が悪かったんだ。すまない、シャル…」

 

言いつつ、あたしの肩に顔を埋めてきた。

仕方ないなと思ったあたしは、彼の頭を撫でる。

 

「どんな夢だったの?」

「…お前を抱いた後、引き離されて…別の女と婚姻を結ぶ夢だ。抱きたくもない女と閨を共にしなければならず、側妃にお前を迎えたいとベルファに言っても聞き入れてもらえず…その内、お前は別の男と婚姻したと…聞かされて…」

 

なんともまぁ、リアルな夢だこと。

リアルだけど、現実ではないな。

だって、あたしはナズナに手を出されていないのだから。

 

「絶望したよ。なんで俺はあの時、我慢出来なかったんだって。自分の欲望に身を任せるんじゃなかったと、後悔した。お前は俺の手の届かない所に行ってしまって…俺を忘れて幸せになっているのかと思うと、悲しくて…そんな時に目が覚めて、レヴィとルティがいたのは分かったが、お前がいなくて…あの夢が現実になってしまったのかと、錯覚したんだ」

「そんなわけないじゃない。貴方に何かあったら嫌だから、二人を置いていったのに。貴方と無関係になったのなら、二人を傍になんて置いていかないわよ」

 

寝る前に交わしたあの会話が、夢にまで引きずって出てくるとは。

ナズナも不安で、そんな夢を見てしまったのだろう。

 

あたしは彼の首に腕を回して、抱きつく。

 

「大丈夫。絶対に、あたしは貴方から離れないから。ごめんね、ナズナ。我慢ばかりさせて」

「いいや…俺がそうするのは当たり前なんだ。お前を傷つけたくない。お前が愛おしいから、離れたくない俺の我儘だ。シャル、愛してる」

 

ナズナはそう言い、またあたしにキスをしてくる。

あたしがちゃんとここにいて、現実なんだと確認するかのように。

 

◆◆◆

 

朝食をとった後、観光ついでに勉強を行うようカーン先生に言われたクラスの人達は、自由行動だと喜んでいた。

クラスメイトの中に眠そうな人はいなかったので、騒いでいたのは別の所のクラスの人だったのだろうな、なんてあたしは思う。

 

「シャル、何処に行こうか?」

「んー、そうね…取り敢えず、街並みを見ながら歩きたいわ。夕飯の時間までに戻って来られれば良いのでしょう? 何処かで昼食を取れば良いのでしょうし。ナズナは? 何処か行きたい所でもある?」

 

問うと、首を横に振りながら微笑まれる。

 

「実は、何回かここに来た事があるんだ。外交で、親父の代わりにな。だから、お前の行きたい所に行こう。その方が、俺も嬉しいし楽しいから」

 

そう言われてしまっては仕方ない。

あたしはナズナの腕に自分の腕を絡め、抱きつく。

 

「じゃあ、実質デートねナズナ?」

「そうだな」

 

あたし達は連れ立ってホテルから出る。

ウィンドウショッピングをしながら、買い食いなるものも経験した。

食べながら歩くという行為が難しくて、ナズナから苦笑されながら肩を抱かれ、歩かされる。

 

リューネにはない物もたくさんあり結構目移りしてしまったのだが、良いなと言う度にナズナが買おうとか言い出して、止めるのが大変だった。

 

そんな時、微かに声が聞こえた気がして、あたしは歩みを止める。

 

「シャル? どうした?」

「…いや…今、何か声がしたような気がして…」

 

こんな雑踏の中、声なんてそこら中から聞こえてきているのだが、そういうものではなく。

何か、脳内に語りかけてくるような、念話みたいなものを感じたのだ。

 

何だろう…気になる。

 

「ルルさん、ブリジットさん。ナズナをお願いします。ナズナ、すぐ戻るから待っててね」

「あ、おい! シャル!!」

 

二人に彼をお願いして、あたしは駆け出す。

ナズナが制止の声を上げるが、それを無視した。

 

声が聞こえる方に駆けて行くと、昨日来た大聖堂に辿り着く。

一般開放されている場所とは違う方からその声は聞こえ、あたしはそちらに足を向ける。

途端腕を掴まれ、あたしは振り向いた。

 

「ナズナ…」

「シャル…お前…足早すぎ…っ…だっ! シルフィード…街中で、使えない…んだから…追いつくの、一苦労なんだぞ…っ?!」

 

ぜーぜーと息を切らしつつ、ナズナがあたしの腕を掴んでいる。

待っててって言ったのに、心配でついてきたらしい。

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