転生お嬢様、2度目の人生も頑張ります!   作:桜舞

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23.学校に到着です

今度は何を言ったのだろうか、ニーナさんは。

 

怪訝そうな顔で団長さんを見ると、彼はニッと笑って

 

「剣や魔法の腕は凄いのに、所々優しさが滲んで非道になり切れない甘ちゃんだってよ…。だが、それが嬢ちゃんのいい所だって、アイツは言ってたぜ…」

 

そこまで言って、団長さんは気絶したようだった。

 

確かに、その評価は合ってるのかもしれない。

甘い所があるのは自覚している。

でも、それを捨ててしまったら、あたしはどうなってしまうのだろうか?

 

それが、怖い。

 

「シャールー! 夕飯の時間だってー! 殿下が待ってるよー!」

「…団長は、どうしたら?」

 

夕飯に呼びにきたカナリアに、あたしは団長さんの方を見る。

 

「大丈夫だって、ほらあんた達。団長運びなさいよー」

「カナリアは人使い荒いからなー」

「団長、今死んだら奥さんや子供が悲しみますよー」

「だんちょー」

 

団員達が団長さんを担いで行ってくれたので、あたしは大人しくナズナの所へ戻る事にした。

 

◆◆◆

 

行程一週間。

やっとの事で、学校に辿り着いた。

 

馬車から降りる際のあたしは、少し疲労感を伴っていた。

というのも、団長さん達と模擬戦をした日から、連日騎士団の面々と訓練していたのだ。

勿論、あたしは指導役として。

そして団長さんの訓練相手としてだ。

 

たまにナズナの訓練相手もさせられたのだが、異名通りというか勇猛果敢に、しかし戦略を練って向かって来たので、こちらも頭を回しながら戦闘する羽目になった。

勉強にはなるが、精神的にも体力的にもきついものを感じたのはいうまでもない。

 

おかしい、絶対おかしい。

何で体力も魔力も無限大のあたしが、こんなに疲れ果てなきゃいけないのか。

 

「では、殿下。また夏にお迎えにあがります」

「あぁ。お前達も、訓練は欠かさないように。帰った時に鈍っていたら、叩き直してやるからな」

 

団長さんの言葉に、ナズナは激励を送る。

その言葉に、後ろの団員達は震え上がっていたけれど。

 

あたしは学校を見上げる。

城ほどではないけど途轍もなく大きい建物で、一体何人収容出来るのだろうか、とぼんやり考えた。

 

「シャル、行くぞ」

 

ナズナの呼びかけに、あたしは彼の傍に行く。

彼の先導でしばらく歩くと、学校の玄関口が見えて来た。

そこに、1人の人が立っているのが見える。

体がゴツく、しかし体に合わせてあるのか煌びやかなドレスを纏っている、見るからに男性。

しかも太陽の光を反射するほどの、ハゲ…いや、毛量の無さ。

あれは女装してはいなかったけれど、同じく全く毛量がなかった。

 

嫌なことを思い出したと思うと同時に、不審者だろうか、とあたしは警戒する。

 

「ナズナ殿下、ユキヤ殿下。お帰りなさいませ」

「あぁ。またしばらく世話になる。シャル、この方はこの学校の校長だ。そんなに警戒するな。する気持ちもわかるが」

「んもう、殿下ったら。ナイジェル・フランチェスカよ。フランシスカ家の分家筋なの、私。気軽にナーちゃんって呼んでね」

 

校長と紹介された男性は、化粧が濃い顔でウィンクをして来た。

ゾワっと怖気がして、あたしは腕を擦る。

 

「シャルロットです。ナズナ殿下の護衛役として参りました。以後、よろしくお願いいたします」

「んまぁ! なんて礼儀正しい子なのかしら! 私そんな子大好きよ!!」

 

穴があったら埋めたい、そんな衝動に駆られそうになるが我慢した。

それもこれもあの無能なハゲマッチョのせいだ。

 

「あぁ、殿下? 寮のお部屋の方はそのままにしてありますので、お掃除が必要ならなさってくださいね。あと、シャルロットちゃんには制服が必要ね。代金は殿下につけても?」

「構わん。シャル、俺の魔力波形は覚えているな? ユキヤと共に寮に行っている。後から追ってこい」

 

そう言うと、ナズナはユキヤくんやカナリアと共に寮があるだろう方向へ歩いていった。

 

「さて、シャルロットちゃんいらっしゃい」

 

敢えて逆らいたいと言う気持ちが湧き上がるが、それを抑えて大人しくついていく。

家庭科室と書かれた部屋に案内されると、何人かの女性の方達が座っていらっしゃった。

 

「貴女達、お針子の時間よー」

「「「はーい」」」

 

奥に連れて行かれ、着ていたものを問答無用で脱がされる。

抗議する間もなく色々採寸され、紙に何かを書いていた人がさらに奥にいた人に渡した。

その人が、既存の制服だろうかを目に見えないスピードで直していく。

数分で直しが終わったのか、そのままあたしに着させてきたので、ようやく抗議しようとした所、校長の前に連れて行かれた。

 

「あらー! 可愛いじゃない!! 貴女達、良い仕事してくれたわ、ありがとう」

「…あの。せめて制服の採寸があると言ってくださいませんか? 服くらい自分で脱げますし…」

 

少し抗議すると、校長はわかってないわねー、という顔をする。

 

「服というものは、自分に合ったものを着ないと意味ないのよ? 小さかったり大きかったりしてもダメ。その人の魅力が際立つものを着なくちゃ。シャルロットちゃん、私服って何着てるの?」

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