転生お嬢様、2度目の人生も頑張ります!   作:桜舞

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231.娘のお家です

癒着とか疑われたんじゃないのかな。

まぁ、あのカヅキの事だ。

問われた所で、人を馬鹿にしたような笑顔を浮かべながら全て論破していくのだろう。

 

あたしが知ってるカヅキは、そういう人だから。

 

「なんか騒がしい…あー!! お祖母様だーっ!!」

 

部屋からひょっこり顔を出した紫髪の女の子が、あたしを見るなり飛びかかってきて、頬へ頬擦りしてくる。

スベスベー、などと言いながら。

 

「マリア、母様が固まってる。やめて」

「えー。ヘンリちゃんだけなんてずるーい」

 

…どうしよう、身動きが取れないのだけど。

 

紫髪の子へ、ヘンリが注意してくれてはいるが…聞き入れてくれる様子は今の所全くない。

この子がこうなのは、シンク達が止めていない事から理解は出来るのだが…。

 

「…マリア。お祖母様が困ってる…やめるべき」

「えぇー。リリスも堪能すれば良いじゃん。お祖母様、全く変わらずに肌スベスベなんだもん」

 

理解は出来るのだが、流石にもう止めて欲しい。

暑苦しい。

 

そう思った瞬間、あたしに抱きついているマリアに声がかかった。

 

「マリア、やめなさい」

「はーい」

 

リオ、と呼ばれていた女性が彼女にそう言った瞬間、マリアはすぐさま離れる。

一体なんだと思ったが、その表情を見てわかった。

 

ユーリさんそっくり。

笑顔で威圧している。

流石二人の娘。

 

「ごめんなさい、うちの娘が。母そっくりで自由奔放なもので…」

「いや、別に…好奇心旺盛な所はあたしの遺伝じゃないかしら…」

 

そうかもしれませんね、とリオさんは言う。

 

うん、あたしの事がわかるという事はこの子とは若い時分に会っているに違いない。

多分。

あんまり深く考えると頭痛くなりそうだから、考えるのちょっとやめようかしらね。

 

「母様お疲れ様です。んで、あっちのヤローがラゼッタ。母様の息子で、俺の弟。その隣がリオン、カヅキおばさんの娘。そっちの紫がマリアで茶色がリリス。あとアダムって二人の弟がいますが…何処行った?」

「今ノーム1の月だよ、シンクおじさん。学校に決まってるじゃん」

 

マリアがシンクにそう言う。

成程、少し暖かかったのはノームの月だったからか。

ノーム…元気かしら。

あれ以来精霊の祠に行ってないから、ミラにも会ってないわね。

いや、戦争の時に会ったわね彼女とは。

 

「あー…そっか。アダム惜しい事したなぁ」

 

ラゼッタが本当に惜しそうに言う。

まぁ、若い時分のお祖母ちゃんが自分達に会いに来たなんて、こんな珍しい事滅多に起こる物じゃないし。

 

「というわけで、次はアンナんとこ行きましょうか」

「えー、もう行くのー?」

 

ぷくっとマリアが頬を膨らませるが、リオンさんの眼光で黙らせられていた。

リリスちゃんは、そんなマリアの肩を軽く叩いてフルフルと首を横に振る。

彼女結構無表情だけど、優しい子なのはわかった。

マリアを嗜めてくれてる時とか、あたしに気遣いの目線くれていたし。

 

あたしはヘンリにエスコートされ、転位門の部屋に戻ったのだった。

 

◆◆◆

 

次に来たのは結構広めのお屋敷のようで、転位門が設置されている部屋のスペースが大きい。

シンクは我が物顔で扉を開けて、歩き始めた。

 

「シンク、ここ誰のお屋敷なの?」

「うちの妹が嫁いだとこの屋敷ですよ。ちなみに、元々カヅキおばさんが領主やってた時の屋敷でもあります」

 

カヅキの屋敷だったのか。

それなら広いのも頷ける。

だって、異世界で滞在していた時のお屋敷も、結構な大きさだったし。

 

使用人の人達の洗練された動きも、カヅキから引き継いだのなら頷けるレベルだ。

シンクは一つの扉の前に行くと、数回ノックした後それを開ける。

 

「よう、アンナ。相変わらず機嫌悪そうだな、お前」

「あら、道化を演じてるシンクお兄様程ではないわ。それに、携帯に連絡をくれたのは良いのだけど…内容が簡潔すぎる。もう少し詳しく書いて頂けません? それに、こんなに時間がかかるものなのかしら。ラゼッタの所でどんな油売っていらっしゃったの? 今何時だと思ってらっしゃる? お母様にお食事は? お兄様の事だからお出ししてないんでしょうけど」

 

うわ、性格キツイ系美人。

目の色があたしと一緒だし、ナズナと同じ金髪。

シンクが気安いのと、妹と言っていた事から、彼女はあたしの娘なんだろう。

 

あたしはこっそり、ヘンリに聞く。

 

「ねぇ、ヘンリ。あたし何人産んだの?」

「えっと…上3人同時、リーゼ姉様、アンナ姉様、ラゼッタ兄様、ぼくだから…7人だよ、母様」

 

シンクは別次元のあたしの息子って話だったから、実際産んだのは6人だろう。

 

…頑張ったんだなぁ、あたし。

ナズナから強要されたわけではないだろうから、出来るたびに産んでいったらこうなったのかしら。

 

ちゃんと拒否りなさいよ、あたし…っ!!

いや、ナズナからのお誘い断れるかって言われたら…難しいかもしれない。

体調が悪くなるって事は、転生者だから無いわけだし。

 

「お母様、食堂へ。スイカも帰ってきてるはずですし、皆で食事をいただきましょう。ヘンリ、普通の量しか出ないから文句は言うんじゃないわよ」

「言わないよ。お腹すいたらダンジョンに潜ってくるから」

 

また新しい単語が出てきたが、知らない方がいい事もあるわよね、うん。

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