転生お嬢様、2度目の人生も頑張ります!   作:桜舞

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234.ルージェのやらかした事です

「それに、人の心など移ろいやすいものですもの。私、彼が死ぬまで本当に私を一途に愛してくれていた、なんて言うつもりはありませんよ?」

 

…仲、良好なんだよね?

なんでそんなに疑り深いの、この子?

というか、闇深くない?

え、あたし教育ちゃんとしてた?

え?

 

「リーゼ、それ聞いたらルージェ泣くぞ…」

「いやですね、お兄様。そんな感情を露わに…する人でした。お義母様からそんなスキルも教えていただいていたようです。今から帰ると念話が来ました。まったく…盗み聞きなんて趣味が悪いですよ、ルージェ」

 

呆れた目を、あたしの背後にリーゼは向けた。

あたしに向けてではなかったので、あたしは恐る恐る後ろを振り返る。

そこにはターニャと同じ銀髪の男性が、眉を下げて情けない顔をして立っていた。

 

「リーゼぇぇ…」

「はいはい、お母様の前なので泣きそうにならないでくださいルージェ…抱き付かないでください、暑苦しいです。私がこうなのは、貴方もご存知のはずでは?」

 

あたし達の横を通り過ぎ、ルージェはリーゼに抱きついていく。

そんな彼の背中を軽く叩いて、リーゼは苦笑していた。

 

「リーゼ…少しルージェに優しくしたら…?」

「ダメですよ、お母様。彼を調子に乗らせたらとんでもない事をしでかすので。大体、幼い頃からヤンチャばかりで…ルージェ、覚えてます? 貴方、虫籠持って私を追いかけ回しましたよね? やめてって言っても聞いてくれなくて…最終的に母親であるお祖母様と、お母様からお説教されてましたよね?」

 

うぐ、と呻き声をあげ、ルージェはそのまま(くずお)れていく。

そして土下座の形になり、リーゼに謝り出した。

 

「本当にその節は申し訳ございませんでした! それでも俺の奥さんになってくれたリーゼには感謝しかありません!! 本当にありがとうリーゼ!! 俺マジでお前の事愛してるから!!」

「口ではなんとでも言えるんですよ、ルージェ? 跡取りの為に、何人か子供作りましたけど…あれの恨み、まだ忘れてませんからね?」

 

…ここはあたしの遺伝だな…。

ルージェ、貴方それ以外にもリーゼに何かやったんでしょ…。

 

あたしはチラリと、シンクを見る。

彼は見られている事に気がつき、肩を竦めた。

ユタカちゃんもその隣で、苦笑いをしているし。

本当に何やったんだ、ルージェ。

 

「ヘンリは何やらかしたか知ってる?」

「んー…ぼくも又聞きだから、そんな詳しく知ってるわけじゃないけど…悪ガキだったルージェ義兄様が、リーゼ姉様に嫌がらせしまくって、嫌われてるのがわかってるくせにリーゼ姉様に猛アタックして、仕方なしに折れた姉様に絶対服従してるって事くらい? 夫婦生活で何かやったら即離婚、って離婚届チラつかせてるとか…嫌がらせせず、ちゃんとリーゼ姉様と仲良くしてたらこうはならなかったのに、ガキだったねルージェ義兄様」

 

その通りです、とルージェから声が上がる。

この姿ターニャが見たら、嘆かわしいとか言ってルージェを蹴りそうだな、なんて思ってしまった。

 

「まぁ、私も好きな事させてもらえてるので…ATM、頑張ってくださいねルージェ?」

「はい、頑張ります!!」

 

いや、それはダメでしょ流石に。

 

唖然としてリーゼを見ていたあたしだったが、彼女はニコリと微笑む。

 

「お母様。彼、私が出産するって時に、痛みで苦しんでいた私の横で爆睡していたんですよ? 立ち会いするって言ったにも関わらず。しかも初子で。許せます?」

「うん、許せないわね。反省しなさいルージェ」

 

はい、とルージェの声に涙が混じり始めた。

本当に反省しているようだが聞いた話、出産の時の恨みは一生物らしい。

 

リーゼがそんな態度になるのも頷けるわ。

むしろ離婚した方が良かったんじゃないだろうか。

王妃になった後のあたしなら、子供連れて帰ってきなさいとか言いそうだし。

 

「リーゼぇ…」

「私が子供を連れて帰らなかったのは、ひとえにお祖母様…貴方のお母様が、出産の時に傍にいて励ましてくれたからです。じゃなかったら、とっくの昔に別居してます」

 

完璧に尻に敷かれている未来の義弟を見て、情けないやら何とも言えない気持ちになってしまう。

これ、天国のターニャも嘆いているのではないだろうか。

 

「じゃあ、母様。次行きましょうか。あんまり夫婦喧嘩見るのも、ねぇ…?」

「お目汚し失礼致しました。今度はこれがいない時間帯に遊びに来てくださいね、お母様」

 

これって、ってルージェが悲嘆に暮れ始める。

 

リーゼ…夫は大切にしよう?

本当に嫌なら子供何人も作らないでしょ、多分貴女の性格なら。

仕返しは程々にね、と彼女に告げて、あたし達は転位門を潜った。

 

◆◆◆

 

次に来たのは、狭くもなく広くもない、お屋敷の中。

あたしはシンクの先導で、ある一室の中に入る。

 

「シャナ、連れてきたぞー」

「お疲れシンク。母様、さっきぶり」

 

どうやらシャナの家だったようだ。

彼女の隣には、黒髪の男性が立っている。

 

「お久しぶり…ではないのか…?」

「違うって説明したじゃん、ツルギ君。こっちの母様はまだ17歳だよ。それとも、老けて見えるの?」

 

なんと失礼な質問してるんだこの子は。




番外編でリーゼとルージェの話書きたいなぁ
相方から妙な設定つけるなって
怒られちゃったけど
こいつらが勝手に喋るから
私には御せないのですわ
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