転生お嬢様、2度目の人生も頑張ります!   作:桜舞

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246.カヅキの所に来ました

あたし達に頭を撫でられ、ヘンリは気持ちよさそうに目を閉じ、あたしに甘えてくる。

 

ヘンリに会うためなら何回でも子供産んでやろうじゃないの、と思ってしまった。

 

「やっと来たか」

「えぇ。待たせてしまって、ごめんなさいね…」

 

車椅子に乗り、あたし達を出迎えてくれたカヅキだったが、あたしは彼女の足元辺りが気になってそちらを見てしまう。

 

なんか虫みたいな物が這っているのだけど…あれなんだろう?

ヘンリも微妙そうな顔でそれを見ているし。

 

「カヅキ、あれは何だ?」

 

ナズナも気になったようで、彼女に虫っぽい何かの存在について尋ねる。

ん? と自分の足元をワサワサ動いているそれに目をやり、あぁ、と何か合点がいったかのように、それについて教えてくれた。

 

「ダイオウグソクムシ型の、ロボット掃除機だが」

「「気持ち悪…」」

 

ヘンリと同時に同じ事を言う。

流石親子だわと思ったが、カヅキはヘンリを見て首を傾げた。

 

「ダイオウグソクムシは美味いらしいぞ?」

「あれ食べるくらいなら、ケーネ先生のウロコ食べてた方が美味しい。味一緒だし」

 

ケーネ先生のウロコ?

彼、人じゃなかったの?

 

あと、うちの子がそれを食べてても何も思わない事にしよう。

だってヘンリ、ベルゼビュートの転生体だし…。

 

疑問と自答が頭をよぎって行くが、どうせ今から記憶封鎖されるのだからと、あたしはヘンリに尋ねる。

 

「ケーネ先生、人じゃないの?」

「装甲龍っていう、レア中のレアな龍種だよ。リューネには龍はいないけど、オーシアにはいっぱいいるんだ。ケーネ先生はオーシア産の龍種だよ」

 

オーシア産ってなんだろうか?

そんな国産だの外国産だのの違いみたいな言い方して、あとでこの子ケーネ先生に怒られないかしら…。

 

「ヘンリ、まだケーネを食べ物だと思っているのか?」

「思ってるわけないじゃん。小さい頃は確かにケーネ先生を食べ物として追いかけちゃったけど、今は普通に異種族のお医者さんとしか見てないよ」

 

それを聞いて、あたしは思わず顔を覆ってしまう。

 

うちの子が迷惑かけてすみません、ケーネ先生…。

あと、うちの子達癖強すぎないかしら?

まともなの、グンジョウだけなのでは…。

 

ナズナも苦笑しているようで、あたしの頭を撫でてくる。

 

「さて、お前達に記憶封鎖を施す、が……ナズナ、てめぇ…過去の私の手を煩わすんじゃねぇよ。師匠に、お嬢様の一大事だっていうから仕方なくそっちの世界に行って、解析してた次元の狭間に躊躇なく飛び込みやがって」

「それは申し訳なかった…憶測で物を言うのだが…多分俺が帰ってきた後、同じ事言わなかったか? お前」

 

言ったわボケ、と眉を吊り上げて彼女はそう言う。

まぁ、事故でこちらに来てしまったあたしと、自ら飛び込んだナズナじゃ苛つき度の具合が違うだろう。

作業量を増やしてしまって大変申し訳ない…。

 

「お嬢様は良いんだよ、仕方ねぇから。お前は何なんだ?! お前まで探す羽目になるとは思わなかったぞ、こっちは!!」

「いや、その…すまない…」

 

カヅキに叱られて、しょんぼりとしてしまったナズナに、ヘンリが腕へ抱きついていく。

そんな娘の頭を、彼は苦笑しながら撫でた。

 

「ごめんなさいね、カヅキ。本当に助かりました。貴女がこの時代でも生きててくれて良かったわ」

「ふん…まぁ、良いだろう。だがナズナ、お前ナツキに迷惑かけまくるんじゃねぇぞ? また今度呼ばれるような事態になったら、お前半殺しにするからな」

 

彼を脅すカヅキだったが、ナズナは少し困った顔をする。

 

「記憶封鎖されるから覚えていられないんだが…」

「あぁ言えばこう言うんじゃねぇよ!! そこは、はい、とでも頷いとけクソボケ!!」

 

まぁ、口が悪いこと。

それでこそカヅキではあるのだが。

 

彼女はため息をついて、あたし達を手招きした。

ヘンリはナズナから離れ、カヅキの横に並ぶ。

 

素直に二人して近付くと、屈めとジェスチャーされたのでそうやったら、彼女に頭を掴まれた。

 

「雛桔梗、オートモードで二人を運んでやれ。意識を取り戻したら、もう元の時代だ。またな、ナツキ。ナズナ、テメェは一回反省しろ」

「またね、父様、母様。二人の所に産まれてくるぼくを宜しく」

 

意識が遠のく。

ナズナがあたしの手を掴んできたので、それを握り返し、視界が暗転した。

 

◆◆◆

 

「お嬢様、起きてください。風邪を召されますよ」

 

ターニャの声で、あたしは目を開ける。

彼女の顔が目の前にあって、ここは何処だと思った。

体の下が冷たい事から、廊下辺りで寝てしまっていたのだろうと推測出来るが。

 

「ターニャ…ここ何処?」

 

あたしは起き上がり、彼女に尋ねる。

 

「城の廊下ですよ、お嬢様。ほら、あちらに愚の骨頂の極みみたいな方が、カヅキからお説教を受けていますとも」

 

何だそれはと彼女が指差す方へ首を向けると、ナズナが正座でカヅキから怒鳴られている所だった。

 

「お嬢様、何があったのですか?」

「何…何か?」

 

思い出そうとしても、記憶に靄がかかっているみたいで思い出せない。

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