転生お嬢様、2度目の人生も頑張ります!   作:桜舞

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25.担任の先生とご対面です

あたしの姿に目を丸くしていた彼へ、頭を下げて謝る。

専属護衛として、あるまじき失態だ。

罰なり何なり受けよう。

 

そう思っていたのだけど。

 

「いや、体調は大丈夫か? 今日は新学期の初日だが、まだ無理そうなら使い魔を寄越して、休んでいるといい」

 

…優しすぎない?

 

あたしは顔を上げ、頭を横へ振った。

 

「もう大丈夫。ぐっすり眠れたし、体調も魔力も万全。なんか、朝食もカナリアが作って行ってくれたって聞いたし。朝ご飯は何かなー?」

 

ナズナに微笑み、踵を返してキッチンへ行く。

到達した瞬間、あたしは固まった。

 

「? シャル、どうした?」

「い、いや、何でもない」

 

部屋の内装を見てても思ったのだけど、キッチンも現代風で驚く。

 

これ作った人誰よ?

冷蔵庫や電子レンジもあるって、洋風な魔法ファンタジー世界なのに、日本みがあるって世界観バグってるわよ?

別荘は、かまどがあったり、薪が置いてあったりしたのに。

 

「キッチンなんて、ありきたりなものだぞ? 何を驚いている?」

「いやー…この建物とかこれ作った人って、誰なのかしらって思って」

 

ナズナに怪訝そうな顔をされ、あたしは尋ねる。

 

「テスタロッサ卿だったはずだ。魔道具開発に熱心な男でな。少し変わり者だが、話はわかる奴だ」

 

そっか、ナズナ会った事あるんだ。

王太子だもんね。

 

ナズナにブラックコーヒー、あたしはカフェオレを入れて朝食をとり、部屋に戻って制服に着替える。

 

ミッドナイトブルー色の、ワンピースタイプのようで、ショートブレザーが上着のようだ。

同じく濃い色のリボンをつけるが、首回りには余裕を持たせる。

 

何でか知らないけど、首周りをきつくしたら一回気絶したことがあったのだ。

それ以来、首周りには何もつけないか、どうしてもつけなきゃいけない時は緩めるか。

どちらかにしている。

 

リビングに戻ると、ナズナも同じ色のブレザータイプの制服を着ていた。

 

そうしてみるとちゃんと学生に見えるから不思議だわ。

 

◆◆◆

 

学校に登校して、あたしとナズナは校長室に来ていた。

一応転入生という形にあたしはなるらしく、ナズナと一緒に先生に連れられて教室に入るという話をされる。

 

「さて、あなた達の担任をご紹介するわね。カーン、入ってきてちょうだい」

 

校長に呼ばれて入ってきたのは、肩まで伸ばした黒い長髪に、黒縁の眼鏡をかけた男性だった。

 

「カーンです。よろしくー」

 

白衣を着ているという事は、科学の専門教師なのかしら?

 

「よろしくお願いします。シャルロットと申します」

「ご丁寧にどうも。でも、僕は王子だろうが護衛役だろうが、贔屓するつもりはありませんので。そこんとこご了承いただければ」

 

そう言い、カーン先生は懐から煙草を取り出して火をつける。

その瞬間、あたしは煙草自体を奪って握り潰してしまっていた。

脊髄反射的にやってしまったので、やられたカーン先生もだが、あたしも驚いてしまう。

 

「あ…すみません…。煙草の弁償します」

「良いのよー。室内で吸うなんてナンセンスにも程があるもの。それよりシャルロットちゃん、火傷してない? 火がついたのそのまま握っちゃったでしょう?」

 

煙草を握った手を開く。

自己修復能力が高いおかげで、火傷跡は全くなかった。

 

「もう、吸うなら外で吸ってちょうだい」

「はいはい。んじゃ、教室に行きましょうか」

 

先生が校長室を出る。

あたしとナズナは、彼の後を追った。

 

「シャル、さっきはどうした?」

 

あたしの行動に驚いたのか、ナズナがこっそり尋ねてくる。

確かに、あたしらしくない行動ではあった。

だけど、あたし自身もよくわかっていない。

 

「わかんない。気がついたらあんな行動してた」

「そうか」

 

彼はその話を続ける事なく、前を向いた。

暫く歩いていると、カーン先生がある教室の前で止まる。

クラス名を見ると、2年7組と書いてあった。

 

「…ナズナ、貴方18よね?」

「そうだか?」

「…留年したの?」

 

あたしの言葉に、ナズナとカーン先生が驚いた顔でこちらを見てくる。

一体何だとこちらも見ると、ナズナはため息をついた。

 

「俺は17の時にここに入ったんだ。戦後の後処理とか、各地の視察、親父の仕事の代理とかでな。入るのが遅れただけで、決して留年などしていない」

「ナズナ君は寧ろ、学年主席ですよ。留年なんてとてもとても。素行も悪くはありませんし」

 

先生がベタ褒めしている。

むしろ素行不良なのは先生の方ではないかと思う。

 

「さて、無駄話はこれくらいで。僕が呼んだら中に入ってきてください。さ、ナズナ君は先に」

 

先生に促されて、ナズナは教室の中に入っていく。

 

「勉強等、わからないことがあったら彼に聞いてください。まぁ、王太子殿下の護衛ですから、落ちこぼれというわけではないでしょうが」

「そうですね。殿下に教えていただくのも申し訳ありませんし、(わたくし)は私で励ませていただきます」

 

ニコリと笑い、安い挑発をかわす。

カーン先生はそうしてくださいと一言言って、教室の中に入って行った。

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