転生お嬢様、2度目の人生も頑張ります!   作:桜舞

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268.撃退します

「俺が選んだ女性だ、彼女以上の存在などいない。それにロドリゲス。貴様の家や他の家は確か、我が母であるリン姫の輿入れの時も、反対していたそうだな? 自分達が甘い汁を吸う為だけに、娘を輿入れさせて王家を操ろうと目論むか? はっ! 立派な反逆罪だぞ、それは」

「へ、陛下!! そんな滅相もない事を!! 私はただ、国の為を思って言っているのでございます!!」

 

何処がよ。

見え透いた嘘なんて、ナズナに通じるものですか。

 

あたしはチラリと、ロドリゲスのご令嬢を見る。

結婚式だから白いドレスを着て来ているのだが、全く似合っていない。

むしろ、白い布を巻きつけただけと思わせるような出立ちに、ドン引きする。

 

「陛下がロドリゲスと婚姻するなら、シャルロットさんはフリーに…」

 

なんて呟きが聞こえ、ナズナはそちらに鋭い眼光を向けた。

呟いたのはグレゴワールだったけど、すぐさま隣にいた自分の父親に拳骨を落とされたようで、それ以上言葉が紡がれる事はなかった。

 

「なんでこんなに邪魔が入るのかしら…」

 

感動の涙も引っ込んじゃったじゃない。

この落とし前、どうしてくれるのかしら。

 

「全くだ…ロドリゲス、退場しろ。抗議は後程、書面で受け付けてやる」

 

陛下!! とロドリゲスの当主は叫ぶ。

二人を退場させようと親衛隊の皆が動くが、ご令嬢が暴れまくり近づけないでいるようだ。

 

あたしもナズナ同様長いため息を吐く。

 

「……不愉快だわ。陛下、御許可を。あいつらを一掃しなければ、気が済みません」

「待てシャル。やるなら俺もやる。ハリトン、すまん。修繕費等は、王宮に請求してくれ」

 

ジルベルト卿も、仕方ないと頷いてくれた。

あんな不届者が暴れまくって教会を破壊するよりは、支払い元がちゃんとしている所に損害請求する方が、ジルベルト卿としても安心するだろう。

 

ナズナはあたしと手を繋ぎ、それをロドリゲスの二人へ向けた。

 

「星々が踊り狂う様を目撃せよ。無限の時空を横断し、過去と未来を照らせ」

 

彼とあたしの周囲に、魔力風が吹き荒れる。

あたしとナズナの魔力回路が、カチリと繋がった。

 

「無限の輝きを具現化し、我が手に集結せよ。宇宙の至宝を解き放て」

 

ナズナの詠唱に続いて、あたしも唱える。

彼だけの魔力だけでは出来ない所業だが、あたしの魔力も込みなら、何だって可能だ。

 

ブワッと、招待客達が影で覆われる。

懐かしい魔力に、あたしは微笑んだ。

 

来てたんだ。

呼んだのはターニャかな?

何にしても、そこまで気が回らなかったから有難い。

 

本当、あたしの親友は気がきく。

大好きだよ、カヅキ。

 

「「星屑の羽音が響き渡り、彼らの輝きは流星の如く降り注ぐ!! 集結せよ!! メテオスウォーム!!」」

 

魔力風から隕石が現れ、ロドリゲスの二人に降り注いだ。

隕石にぶつかり、二人は式場の外へと吹っ飛ばされる。

 

発動を止めると魔力風も無くなり、親衛隊の皆は式場の外へと急行していった。

二人を捕らえて、他にも仲間がいないか尋問するつもりなのだろう。

 

隕石に当たり教会内部がかなり抉れてしまっていたが、それも影が包み込み、引いたと同時に修復されていた。

あたしはその魔力の元へ、念話を飛ばす。

 

〈ありがとうカヅキ。来てくれているなんて思っていなかったわ〉

〈ふん…祝儀代わりだ。師匠が来いって煩かったもんでな。だから来ただけだ。それと……幸せになれよ、ナツキ。ナズナに泣かされたらすぐに言え。ぶっ殺してお前を私の世界に連れ帰る〉

 

相変わらず物騒だな、あたしの親友は。

 

あたしが苦笑いを浮かべると、ナズナは怪訝な顔でこちらを見てきた。

 

「どうした、シャル?」

「カヅキが来てるの。貴方にあたしが泣かされたら、貴方を殺して自分の世界に連れて帰るって」

 

それを聞いたナズナは引き攣り笑いをする。

一回、完璧に泣かせる事件が起こるからだろうけど。

忘れなきゃ良いだけなのに。

 

ジルベルト卿が一つ咳払いをした。

それだけで、あたし達は居住いを正す。

 

「それでは、指輪の交換を行います」

 

リングピローを持って現れたのはエルで、彼女は微笑みながらあたし達に声をかけてくれた。

 

「陛下、シャルさん。ご結婚おめでとうございます。ささやかですが、リューネ国聖女として言祝がせて頂きますね。どうか、お幸せにお過ごし下さいますよう」

 

そう言い、彼女はリングピローをあたし達の前に掲げる。

 

「感謝する、エレオノール」

「ありがとう、エル。貴女にも幸福が訪れる事、祈っているわ」

 

あたしが言葉をかけると、エルはフワリと微笑んだ。

とても嬉しそうに笑ってくれて、あたしも嬉しくなる。

 

ナズナがピローから指輪を取り、あたしの左の薬指に嵌めようとしてきた。

そのデザインを見て、あたしはある事に気が付く。

 

「これ…」

 

銀の、何の変哲もないシンプルな指輪なのに、光に当てると金に光ったり、青や紫といった色に変化した。

その色がとても気になり、あたしはナズナを見る。

 

「気付いたか。俺の髪と瞳の色、お前の髪と瞳の色が出るように配合したものだ。少し苦労したが、上手くいって良かったよ」

 

あたしの指に指輪を通し、ナズナは笑った。

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