転生お嬢様、2度目の人生も頑張ります!   作:桜舞

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271.ナズナと閨を共にします

ナズナの手を取ると引っ張られ、そのまま抱き上げられた。

 

「ナズナ? どうしたの?」

「いや? こうしたくなっただけだ。シャル。俺の運命の女(ファム・ファタール)

 

彼の目が、あたしをとても愛おしいと告げていて、微笑みを返す。

 

「大丈夫よ、あなた。あたしは何処へも行かないからね」

「あぁ、ずっと傍にいてくれよシャルロット」

 

親衛隊もメイドも、招待客も。

誰もいなくなった披露宴会場で、あたし達はキスをした。

 

◆◆◆

 

ナズナと二人きりで食事をし、一旦別れる。

これから初夜だと思うと緊張してしまい、あたしはメイド達に念入りと言えるほど体を磨かれてしまった。

 

「あの…この下着大丈夫かしら…」

「大丈夫ですよ、王妃様。自信を持ってください」

 

セクシーといえる感じの下着を身に付けさせられ、おろし立てのネグリジェを着せられる。

 

恥ずかしくて、絶対ナズナの顔見れないんだけど。

ターニャからは、男性に任せれば良いのです、なんて言われたけれど。

パニックになってナズナに手を上げないか心配になって来た…。

 

「雛桔梗…」

【了解致しました、我が主。完全にリミッターをかけさせて頂きます。それと、次に呼びかけられる時までシャットダウンしておりますので、どうぞご存分にお楽しみ頂きますよう】

 

雛桔梗?!

 

ガチリと頭の中で鍵がかかる感覚がして、少し怠さを覚える。

ちょっと待てと叫んだけど、雛桔梗は宣言通りうんともすんとも言わなくなった。

そうこうしている内にナズナの寝室前まで着いてしまって、あたしは緊張で扉をノックする事も出来なくなってしまう。

 

まぁ、代わりにルーティが叩いたわけなのだが。

そして、あたしの代わりに扉を開けて中にあたしを押し込める。

 

「ちょっと、ルーティ?!」

「ご武運を、お嬢様。奥様に早く孫の顔、見せてあげてくださいね」

 

そう言って、彼女は扉を閉めてしまった。

アワアワして扉を見つめているあたしに、中にいたナズナがクックッと笑い始める。

 

「シャル、お前…そんなに慌てる事ないじゃないか…くっ…ぶふ…っ!!」

「あまり笑わないでもらえないかしら、あなた…」

 

別に、寝室を共にするのは初めてじゃない。

寮の部屋では、一緒に眠っていたのだから。

でも、今あたし達は夫婦なわけで。

 

今、初夜を迎えているわけで。

 

思い出して顔を真っ赤に染め、あたしは扉にしがみつくようにして、目を閉じた。

ナズナはそんなあたしを見て一通り爆笑した後、座っていたベッドから立ち上がる。

カチリ、と音がして部屋が暗くなった。

 

「シャル…」

 

ナズナがあたしを後ろから抱きしめてくる。

緊張して体を硬くしているあたしに、彼は苦笑したようだった。

 

「シャル。初めて会った時から、お前が好きだった。お前に告白して、想いに応えてもらえて嬉しかった。そして今、夫婦になれた……シャルロット。怖いなら、お前が大丈夫と思うまで手は出さない。制限は無くなったが、お前に恐怖を与えてまで抱きたいとは思わないんだ。今日はただ眠るだけにしよう? な?」

 

あたしは目を開け、暗闇の中ナズナを見る。

彼は優しげに微笑み、頭を撫でてきた。

 

スッ、とあたしから手を離したナズナに追い縋るように、彼の服を掴んでしまう。

 

「シャル?」

「ちょっと…ちょっと、怖いだけなの。貴方に抱かれるの、嫌なわけじゃなくて…っ!!」

 

分かってるよ、とナズナはあたしが握っている手に自分の手を重ねて、少し困ったように笑っていた。

 

優しい人を困らせていると、感じる。

 

あたしは口を引き結び、羽織っていた上着を脱いだ。

 

困らせるなら、とことん困らせてやる。

それが、夫婦になったという事だから。

 

「シャル、無理はしなくて良いと…」

「無理はしてない。何が怖いだ篠原夏月。次期総帥の女が、何を怖がる事がある…っ!!」

 

パンっ、とあたしは自分の両頬を叩いた。

それに対して、ナズナは本当に困ったような顔をする。

 

「お前、もうナツキじゃないだろ…」

「良いの!! 気合い入れるためだから!!

……はぁ……ごめん、ナズナ……こんな女だけど…抱ける?」

 

あたしは彼を見つめた。

 

無言であたしを抱き上げ、ナズナはベッドに寝かせてくる。

 

「…無理だ、嫌だって言われたって…止まらないからな」

「…はい、あなた…その…優しくしてね? あたしを、貴方の女にして…?」

 

暗闇の中で、あたし達は一つになった。

カーテンから差し込む月光を見て、あたしはナズナに言う。

 

「ねぇ、あなた……月が、綺麗よ……」

「あぁ、シャルロット…お前の為なら、死んでも構わない…!」

 

吾妻ノ国で交わした会話を、覚えてくれていたらしい。

あたしは幸せで涙を流しながら、彼に溺れていった。

 

◆◆◆

 

次に目を覚ました時には陽が高くなっていて、あたしは今何時だとサイドテーブルに手を伸ばす。

そこにあるはずの時計がなくて、あれ? と薄目を開けた。

 

「ここ、何処…」

 

声が掠れていて、更に疑問を覚えた所で背後から抱きしめられる。

素肌の感触に、昨夜の事を思い出したあたしは慌てた途端床に落ちた。

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