転生お嬢様、2度目の人生も頑張ります!   作:桜舞

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34.今に戻ってきました

首を絞めているくせに、よく言うのね。

その饒舌な口、塞いだ方がよろしいわ。

 

脳に酸素が行かなくなり、私の意識は朦朧とする。

 

「さぁ、お嬢様。仰って下さい。私を、麻人を愛していると!」

 

こんな状況だけど、そう言えば夏月(かづき)に教えてもらった言葉があった。

あまりに口汚くて長谷川から、なんて言葉をお嬢様に教えるんだと、こっぴどく叱られていたっけ。

 

私は、最期の力を振り絞り、宮塚に言う。

 

「…っ…クソ喰らえだ、童貞野郎。幻想を抱いて…っ…溺死しろ…っ!!」

「私のお嬢様は、そんな事言わない!!」

 

ゴキッ、と音が聞こえ、私の意識は暗転した。

 

◆◆◆

 

目を開ける。

薄暗く、埃っぽい室内にあたしは、今まであった事、そして自分が何者かを思い出した。

 

ガキン、ガキン、と金属がぶつかり合う音がする。

あたしの身は、雛桔梗が防護シールドを何重にも張ってくれていたお陰で、傷一つない。

 

あたしはゆっくりと起き上がる。

目の前の光景は、人型になったレヴィと宮塚が斬り合っている最中だった。

 

「お嬢様の使い魔なのでしょうが、全くもって力が足りませんね」

「は、小童が。よく吠えるではないか。お前の力なぞ、我が主の足元にも及ばぬわ」

 

お互いを罵り合っている二人を見ながら、あたしは立ち上がった。

 

「ありがとう、雛桔梗。守ってくれて。レヴィ、下がりなさい」

 

あたしが声をかけると、レヴィは宮塚を蹴り飛ばし距離を取りつつあたしの横に来る。

 

「起きたか、我が主」

「えぇ。ご苦労様、レヴィ」

 

あたしが起き上がった姿を認めたのか、宮塚の顔が歓喜に震えていた。

 

「お嬢様、あぁ、お嬢様! 私がわかりますか?!」

「えぇ、覚えていてよ。宮塚麻人」

 

あたしは雛桔梗を纏い、刀を創造魔法で生成し、宮塚に向ける。

刀を向けられた宮塚は、何故そんな事をするのかと疑問に満ちた表情をした。

 

「よくも、よくもあたしを殺してくれたわね。それに、カヅキも。万死に値する。その首叩き切ってやるわ、童貞クズ野郎!! 幻想を抱いて溺死しろ!!」

「うぁぁぁぁぁぁっ!! お嬢様は、私のお嬢様はそんな事言わない!! まだ記憶が戻っていないのですね? 私が戻して差し上げましょう!!」

 

宮塚と斬り合う。

彼の剣は、禍々しい黒だった。

徐々に斬るスピードを上げていくが、それでもこいつはついてくる。

あたしは、宮塚に尋ねた。

 

「よくついてこられるものね。それに、貴方どうやって転生したの? まさか、普通に天寿を全うした訳ではないでしょう? 篠原財閥を敵に回すとどうなるかなんて、傘下の貴方が知らないわけではないわよね?」

「えぇ。お嬢様を手にかけた後、私刑に処されましたとも。生きたまま、一つ一つ爪を剥がすように、じっくりと甚振(いたぶ)られました。ですが、私はお嬢様と真に愛し合ったのです。そんなものは苦痛でも何でもありませんでした」

 

雛桔梗に搭載されている、無線式の攻撃用兵器も使っているのに、宮塚はまだ余裕そうだ。

あたしもまだ余力があるが、こいつの余裕そうな顔は腹立たしいものを感じる。

 

「貴方と愛し合った覚えはない」

「えぇ、死姦しましたから」

 

今こいつ、なんて言った?

 

あたしは宮塚から距離を取り、もう一度聞き返す。

 

「あたしに、何をしたって…?」

「ですから、お亡くなりになった後のお嬢様と愛を確かめ合ったのです。温もりが失われ、体が強張った後も。お嬢様の中に私の愛を注ぎ続けたのです。しかし、あのメイド長に見つかり拘束されてしまったので、お嬢様とはそこでお別れでしたが」

 

吐き気が込み上げ、あたしはその場に吐いた。

 

なんて事…なんて事をするの、こいつは!!

人間という存在への冒涜だ!!

 

「絶対に、許さない…っ!!」

 

あたしは創造魔法で、剣を数十本生成する。

それを魔力で浮かし、宮塚へと斬りかかった。

勿論、あたしもそれに続いて斬り付ける。

 

「お嬢様、そういえば私と一度もダンスを踊ってくださいませんでしたね。あれとは何度もしましたのに」

「なら、今踊って差し上げるわ。死のワルツでね!!」

 

こいつが魔王とか、もう関係ない。

あたしは、私の復讐を果たす。

 

「シャル!」

 

聞き慣れた声に、一瞬そちらに意識を持って行かれた。

その隙に、宮塚はあたしの懐へ潜り込み腹部を刺そうとしてくる。

 

「主!!」

 

レヴィが間に入り、宮塚の刀を弾いた。

間一髪である。

 

「ナズナ、何でここに?!」

 

あたしは宮塚から距離を取り、ナズナの隣まで後退した。

あの魔物の大群の中、どうやってここまで辿り着いたのか。

 

「テスタロッサ卿の方から援軍が来てな。形勢が逆転した。見たこともないような武具で武装した集団でな。聞けば、テスタロッサ卿から行くように命じられたんだとか。だから、俺の護衛として数十名借り受けてここまで来た」

「…あとで、謝礼かなんかしておきなさいよ」

 

黒い閃光が、ナズナ目掛けて放たれる。

あたしはそれへ、シールドを張って防いだ。




相方から、もっとタグ付けたら?
と言われたので、タグは何が良いのだろうかとポチポチやってたら、オリジナルというタグにゲシュタルト崩壊を起こしかけるとは…
というか、ゲシュタルト崩壊って案外簡単になるんですね、いや本気で
オリオリオリって、まだオラオララッシュの方がマシだな…
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