転生お嬢様、2度目の人生も頑張ります!   作:桜舞

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38.キレちゃいました

自分で作った、サーモンとクリームチーズのサンドイッチを頬張る。

ちなみに鮮度は、創造魔法で作った[時魔法]で止めていたから、作った時のまま瑞々しい。

 

「今はまだ喪が明けていないからな。婚約者の話は一年後くらいになるだろう。まぁ、婚約者候補に名乗り出てくる家は多数いるだろうが」

 

それはそう。

王太子に婚約者がいないなど、体裁が悪い。

そこら辺を気にする陛下なら、そう思っていて間違いないだろう。

 

「ナズナが好みそうな女性か…。まずは驕り高ぶらない、散財はしない、可愛らしいは前提だと思うのよね。あとは…」

「芯が通ってて、自分の意見を持っている女だな。背は高い方がいい。後可愛い系より美人系の方が好きだ」

 

そんな条件の女性、リューネ国内探しても一握りしかいないんじゃないの?

 

雛桔梗のデータベースを充実させる為に、方々へ偵察用ドローンを放って情報を集めたりしていた。

一応検索をかけるが、条件に当てはまりそうな人はやはり一握りしかおらず。

本来ならナズナと婚約できる立場じゃない人…平民の人達の方が、そういう系統が多い気がした。

 

働き者の方が好きな感じだものね、この人は。

王太子ではなく、順位も低ければ市井に下ったのかしら、ナズナは。

 

なんて妄想に耽る。

一応あたしもそれには当てはまるけど、彼の専属護衛という立場だ。

夏休みに入ったらあたしはテスタロッサ家の養女になる。

ナズナの立場と近くはなるけれど、婚約者に名乗り出ようとは思わなかった。

 

それに、あたしは彼に会いたかった。

その為に、この髪色と眼の色にしてもらったのだから。

 

まずはリューネ国内を探してみて、いなかったら隣の国かな。

最終的に全国を探して、いなかったら諦めよう。

領地経営がどんなものかはわからないが、そこは学べばいいだろうし。

ナズナには、休みの度に長期休暇をもらって…カナリアに後任せればいいかな。

 

「ご馳走様でした。放課後、決闘が終わったら買い物に付き合ってね?」

「わかってるさ」

 

あたしの頭を撫でてくるナズナの手が心地良かった。

 

◆◆◆

 

「逃げずによく来ましたわね、シャルロットさん!!」

 

アンコールさんは、結構太めの鞭を持って訓練場であたしを待っていた。

 

そういえば決闘するとか何とか言っていたけど、場所は聞いていなかったので、昼休みが終わった後聞きに行ったのだ。

そこで指定されたのが、ここというわけ。

 

「まぁ、お約束したわけですし…」

 

あたしは面倒くさそうに答える。

後方では腕を組み、微笑を湛えているうちの雇い主。

触れ回ったわけではないのに、見物の生徒の多い事。

 

一体どういう状況なのだろうか、これ。

見せ物ではないのだけど。

 

「貴女の身の程知らずな想いは、(わたくし)が打ち砕いて差し上げますわ! そして私の勇姿を見たナズナ殿下に、私は婚約の打診をするのです。あの下層の女でも、ナズナ殿下の婚約者になれたのです。ならば、私にだってチャンスはあるはず…!」

 

後半に本音がダダ漏れなんですけど、このご令嬢。

要するに、ナズナをかけて勝負しろと言いたいわけだ。

 

あたしは盛大なため息をついた。

 

「な、何ですの?」

「殿下、不敬を承知でお尋ねしますけど。この人に暴言吐いて、あたし素っ首叩き切られます?」

 

ご令嬢を指差し、あたしはナズナに聞く。

指を指すなんて、とアンコールさんは怒ってはいたが今はどうでもいい。

 

彼は即、首を横に振った。

 

「首を刎ねるなんて、出来るわけがないだろう。むしろ、アンコールがその立場になる。お前達、よく聞くがいい! ここにいるシャルロットは、魔王討伐を成し遂げた女だ! この夏、テスタロッサ家に迎え入れられることになっている!」

 

ナズナは大声で、周りにいた生徒にあたしの事を周知しやがった。

そんなの、夏休み明けでもいいだろうに。

 

「は、はぁ?! テスタロッサ家ですって?!」

 

21貴族の家門の一つだから、そういう驚き方をするのも無理はない。

ナズナは、アンコールさんに向かって問うた。

 

「それでもまだ勝負をするというのか、アンコール?」

「勿論ですわ! それに、今はまだ平民の位でしょう? ナズナ殿下に懸想しているのも、気に食わないのですわ!」

 

その言葉に、あたしは若干イラっとした。

 

「トワネット嬢、暴言失礼します。 …だーれが、ナズナに懸想しているって言うんだ、この妄想垂れ流し金髪馬鹿令嬢! 大体、そんな性格でナズナに気に入られようとか、気に入ってもらえるとか思ってる時点で、烏滸がましいんだよ!! 周りのお前らもだ! ナズナに媚び諂う暇があるなら、自分の国にどうやって貢献できるか考えろ!! 家の事を考えるのも大事だけど、豊かな国をもっと豊かにするための努力を怠る輩は、あたしがこの場で叩き斬る! あたしが気に食わない奴、前に出ろ! 全て叩き伏せてくれる!!」

 

片手に雛桔梗を展開させ、あたしは刀を収納魔法から取り出し、抜いてアンコールに向ける。

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