転生お嬢様、2度目の人生も頑張ります!   作:桜舞

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40.ファンクラブが出来ちゃいました(不本意です)

それに加えて家事もやっているのだから、少し褒めてほしいくらいだわ。

 

「シャルの凄さも、あいつらは理解したようだし。これからお前にやっかみを向ける連中は減る事だろう」

「だからって、あの場で宣言する事は無かったと思うわ」

 

観衆を集めたのは、多分ユキヤ君とカナリアだろう。

アンコールから決闘すると敵意を向けられ、戦闘場所も決まった段階で相談に行ったはずだ。

何であたしがそれを知らなかったかって、お手洗いへ行く彼についていけるわけがない。

それに、帰って来るのも十分以内だった。

 

彼との約束で、お手洗いは別、行って帰ってくるのは十分以内。

それを越した場合、念話で状況確認する事と取り決めされていたからだ。

 

「良い方法だったと思うが」

「そうね。夏休み明けでも良かったとは思うけど」

 

アンコールの敵対心を更に煽る結果になった気がする。

むしろ、あたしにも暗殺者が向けられそうで、労力が二倍になりそうだという懸念もあった。

まぁ、全て返り討ちにしてやるが。

 

『雛桔梗、貴女疲れって感じる?』

【いいえ。それには否定で返します、我が主。私の体は機械で出来ておりますので、主からの魔力供給が途絶えない限り、活動不能になることはありません】

 

グッド。

なら、あたしが就寝中は雛桔梗に警戒態勢でいて貰えばいいだろう。

レヴィもいる事だし。

 

「お前に相談もなしにやって悪かった」

「別に、すぐに知れる事になるから。それが遅いか早いかだけの違いだと思うわ。貴方は結構先を読んで行動するから、その場では反感を買おうとも後から結果がついてくるもの。だから、皆が貴方を尊敬するし、付いて行こうとするのだと思うわ」

 

かくいうあたしもその一人だ。

数ヶ月の付き合いしかないけど、彼の人となりはわかってきたつもりだ。

だから、守りたいと思った。

その力があたしにあるのが、今は嬉しい。

 

「そうか。ありがとう、シャル。お前がいてくれて良かったよ」

「いやね、何を今更。後そんな言い方しないでちょうだい。縁起が悪く聞こえてしまうわ」

 

主に、死亡フラグと呼ばれるものだ。

 

あたしはテーブルに夕飯を並べて行く。

ナズナの真向かいに座り、手を合わせた。

 

「いただきます」

「前から不思議に思っていたのだが、記憶を取り戻してからそれをするようになったな? 何かの文言か?」

 

あー、こっちではそういう事しないものね。

何で説明したら良いのか。

 

「万物の食物って、皆生きてるじゃない? だからその命を頂くって意味で、うちの故郷だと食事をする前にいただきますって言うのが、礼儀なのね。後は、作ってくれた人に感謝して、っていう意味もあるの」

 

そう言えば、長谷川が作ってくれた蜜柑ゼリー美味しかったなぁ。

風邪の時、よく作って持ってきてくれたっけ。

この世界には蜜柑がないから、再現できないのが惜しい。

 

日本にあったものがないか結構調べてみたんだけど、似たものはあってもまんま同じ物は無かったのよね。

惜しい、辛い。

蜜柑ゼリーもだけど、蜜柑ケーキも好きだったのに。

 

少し遠い目になりながら、あたし達は夕食を食べ終わった。

 

◆◆◆

 

次の日。

学校へ登校した直後。

あたしの目は信じられないものを映し出していた。

 

「お姉様、おはようございます!」

 

昨日の金髪馬鹿令嬢こと、アンコールがあたしをクラスの前で待ち構えていたのだ。

あたしのことをお姉様と呼びながら。

 

「…おはようございます」

「昨日は申し訳ありませんでした、お姉様。(わたくし)の認識が間違っておりましたわ。お姉様があんなにお強いなんて、私忸怩たる思いを致しました。なので、本日から心を入れ替えて、お姉様のファンクラブを立ち上げる事にしましたの! 無論、名誉会長は私、アンコール・トワネットですわ!」

 

声高らかに宣言されても。

 

あたしはナズナの方を見る。

リューネ国民全員の顔と名前、年齢や身分全てを覚えているこの人に尋ねたい事があったからだ。

 

「トワネット嬢の年齢は?」

「17だな。お前よりも一つ年上のはずだ」

 

ですよね?

 

二学年ということは、いくら早生まれでも最低16歳のはず。

同い年にお姉様と呼ばれるのもおかしいが、年上にお姉様と呼ばれるのは更におかしい事になっている。

クラスメイトを見ると生暖かい目で見てくるし、助けてくれる気配すらない。

 

「ちなみに、あの場にいた者達全員がお姉様のファンクラブの会員ですの。ざっと100人位かしら」

 

気が遠くなる数字ですね。

 

「ナ、ナズナ…止めて…」

 

ナズナに助けを求めるも、彼は苦笑して首を横に振った。

 

「自由意志を止める事は出来ん。抑圧すれば、不満となり積もっていき、いつかは爆発する。止めたいなら、一人で頑張れ。王族である俺は手出し出来んからな」

 

薄情すぎる、うちの雇い主。

言ってる事は分かるけれども!

 

しかして、あたしのファンクラブを解散させるという事柄は、あたしが卒業してから終ぞ叶うことが無かったのは、言うまでも無い。

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