顔が良くて、声も良くて、少し胡散臭そうなこの養父だが、根はいい人っぽい。
ターニャが信頼して傍にいるのがその証拠だ。
ニコリと笑うお義父様に、あたしは一礼する。
「これからよろしくお願いします、お義父様」
◆◆◆
あたしに用意された部屋に向かう途中、あたしはターニャに尋ねた。
「ターニャは、お義父様の事をどう思っているの?」
「どう、とは?」
歩みを止める事なく、彼女は問いを返して来る。
「男性として、という話だけれど」
「別に、どうとも。それに、
ターニャのこの性格と姿勢の良さ、礼儀に至るまで完璧なのに、平民と侮る輩がいるのだろうか。
いるか。
そのせいで、学校でもナズナの専属護衛だというのに、やっかみをかけてきた連中もいる。
そう言えば小学校の頃、あたしが揶揄われたっていう理由だけでその家の子達、転校していったっけ…。
あの時は何でだと思っていたけど、多分長谷川とカヅキが何かしたのだろうな…。
基本的に、お父様達はあたしや真子に興味がなかったみたいだし。
家をどう興隆させるか、躍起になっていたようだったが。
だからこそ、次期総帥のあたしへの教育が厳しくなっていったのだ。
まぁ、学校でそんな事になっていると彼女に言ったら、報復行為をしかねないから黙っていよう。
「この国の婚姻って、どうなっているの?」
「…お嬢様、まさか気になるお相手ができたのですか?」
歩みを止め、ターニャが振り向く。
その顔は鬼気迫るものがあり、あたしは思い切り首を横に振った。
「違う違う! ただ単純に気になっただけだから! というか、何でそう聞いただけでそういう思考になるの! あたしの初恋の相手知っているでしょう?! そんな気になる人、この国には…」
いる事にはいる。
気にはなっている。
でも、決めた事を成すまでは、この気持ちは伝えないでおこうと決めていた。
それと、彼に婚約者が出来たら、絶対に伝えないで墓まで持って行こうと思ってはいる。
それぐらい、身分が違いすぎるのだ。
「この国には? お嬢様、私の目を見てはっきり仰ってください」
「だーかーらー! いないってば!! ターニャしつこい!」
こういうやりとりも、いつぶりだろう。
懐かしさで、少し涙が込み上げてくる。
「そういえば、お嬢様。随分成長なされましたね。私は嬉しく思います」
「…背のこと言ってる? 別にあたしがしてほしくて言ったわけじゃないのよ。あの馬鹿神に、何故か背は伸ばされ胸も大きくされ…散々だわ」
少しばかり廊下で戯れた後、部屋に案内され腰を落ち着かせた。
ティーセットを用意させていたターニャが、あたしの目の前にカップを置いてくれる。
落ち着く匂い。
適温のお茶を飲みあたしは人心地ついた。
「あぁ、あの神ですか。お嬢様を不幸にしたので、数発殴っておきました」
ターニャの言葉に、はしたなくお茶を吐き出すところを堪え、あたしは少しむせる程度で留める。
「殴っ?!」
「はい。流石神ですね。大の大人でも昏倒する打撃を受けても、平気な顔をなさっていました。全く、忌々しい」
軽く舌打ちをするターニャを見て、本当にしたんだということが理解できた。
「アクティブすぎるよ、ターニャ…それで神罰下ったらどうするつもりだったの…」
「運命を管理するのもあの神の仕事だったそうなのですが、あれの不手際によるものと聞きました。悪びれる様子もなかったので、つい」
ついじゃないよ、ついじゃ。
あたしの事になると、思考を放棄して暴走するのは何なのかしら。
そこはターニャの悪い癖と言えるわね。
「それで、先程の話なのだけど。この国ってどういう身分の人同士が婚姻出来るのかしら? そこら辺のこと、教えて貰わなかったのよ」
「そうですね…お前達、ホワイトボードの用意を」
パンパン、とターニャが手を鳴らす。
すぐさま、何人かのメイドさん達が扉を開けてホワイトボードの設置をし、頭を下げて出て行った。
この間、数秒。
「何今の」
「うちの精鋭のメイド達です。私の教えを忠実に守っている優秀な者達ですので、お嬢様は彼女らをこき使う権利がございます」
「やらないよ?」
前世でもこき使った記憶はないはずだ。
小さい時はわがままを言ったかもしれないが。
「では、お嬢様に講義を行います。ご清聴よろしくお願いいたします」
ターニャは最初に三角を描いた後、それに線を入れていく。
上から王族、21貴族、中流貴族、下流貴族、平民と書き込んでいった。
「まず、この国は権力志向にあります。一番上の権力を持っているのは王族ですね。王族は貴族としか、婚姻が出来ない決まりになっております。これは法律で定められおり、覆すには法律を変えなければなりません。今の陛下の愛妾として、平民の方が何人か王城に住んでいるようですが、陛下と正式に婚姻を結んだわけではありません。妾として肩身の狭い思いをしていると聞いた事がございます」
FGOまほよコラボ、ミッションコンプしました
その際、なっちゃんの声が戸松さんに聞こえ始めてしまったので
なっちゃんの脳内CVは戸松さんになりました(作者脳内だけ
前は田村ゆかりさんだったのですが
なんだオメー、馬鹿かと笑ってください
あとは欲しい素材を交換しつつ
ちょこちょこ小説貯金を貯めていこうと思います