転生お嬢様、2度目の人生も頑張ります!   作:桜舞

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46.メイドさん達と打ち解けました

「お嬢様、魔武器である彼女の使用を、許可願えませんでしょうか?」

「逆探知するの?」

 

あたしの言葉に、ターニャは頷く。

機械関連が疎いあたしに対して、彼女は滅法強い。

篠原家で壊れた機械が出てきたら、彼女が真っ先に直していた位だ。

 

「雛桔梗、良いかしら?」

【はい、我が主。コントロールパネル、開きます】

 

部屋の中に雛桔梗の鎧が展開され、ディスプレイとキーボードが出現する。

ターニャは早速、キーボードに何かを打ち込みまくっていた。

あたしはお茶を飲みながら、それをのんびり眺める。

 

「いいのか、我が主。ヒナを勝手に扱わせて」

「ターニャは信用における人物だから。別に触らせても壊しはしないわよ」

 

あたしの目の前でレヴィが顕現し、椅子に座ってお菓子を頬張った。

しかし彼女の言葉に、あたしは緩く首を横に振る。

というか、壊れても直しそうだし。

 

「……ロストしました」

 

はぁ、とターニャは深いため息を吐く。

キーボードを打つ手が止まったから、多分そうではないかと思っていたが。

 

「お疲れ様、ターニャ。相手はわかった?」

「いいえ。しかし、あの手口は覚えがあります。近々、お嬢様の元に現れるやもしれません。その時は張り倒してやります」

 

なんか息巻いているのだけど、一体何があったのか。

まぁ、機械関連の話をされてもあたしにはちんぷんかんぷんなので、詳しくは聞かない事にした。

 

◆◆◆

 

夕食の時間になったのでレヴィには還ってもらい、お義父様と食事を摂った。

また所作が綺麗だと言われたので、会った時に言った言葉を繰り返し言ったら、またもやターニャが涙ぐんでしまい、多少困る。

 

貴女の教え子は、ちゃんと習った通りに出来ているので、一々感動しないでほしいのだけれど。

 

ターニャからすれば、死んでしまったあたしが目の前で動いて食事をし、褒められているのだから感無量なのだろう。

わかるけど泣かないで、本当に、お願いだから。

 

食事が終わったので部屋に下がらせてもらい、湯浴みの準備を、普通なら自分でする所なのだけど。

 

「お嬢様の御身を磨くのが我々の使命です。どうぞ、ごゆるりとお寛ぎください」

 

数人のメイドさん達にお風呂場に連れて行かれ、全身磨かれてしまった。

猫足のバスタブに浸かり、メイドさんにヘッドスパをして貰いながら、顔にはパックを施して貰う。

香りが良い入浴剤も入れてくれたようで、リラックスしたあたしは、ゆったり寛いでしまった。

 

わぁ、至れり尽くせり…。

これもターニャの指示なのかしら。

 

「貴女達。ぽっと湧いて出た平民が、今日からここのお嬢様になるって、どう思っているの? あぁ、取り繕わなくても良いわ。正直に話して欲しいの」

 

色々して貰いながらだが、あたしはメイドさん達に質問する。

我ながら嫌な質問だとは思うけど、彼女らの本音が聞きたかった。

今後、付き合っていかなきゃいけないのだから。

あたしに対して悪感情を抱いていたとしても、彼女らが罪を犯さない限りは生活を保障しなければならない。

それが、雇用主としての義務だからだ。

 

(わたくし)共はお嬢様の事を嫌だと思った事は一度もございません。寧ろ、メイド長が尊敬する理由が理解できた気がします」

「…どういう事?」

 

理解が出来ず、あたしは発言したメイドに聞く。

 

「私共は、元は孤児でございました。戦争で親を亡くした者が多数です。それを、今の領主様とメイド長が拾って育てて下さったのです。メイド長は、私共の親代わりなのです。メイド長は度々仰っていました。『(わたくし)が尊敬するお方は、とても心根の優しい方です。悪意を向けられてもそれを許し、しかし罪を犯した者は容赦無く冷酷に断罪する。だから、もしその方がこの家に迎え入れられる事になったら、貴女達に聞いてくる事でしょう。自分の事をどう思うのか』と」

 

…ターニャは、預言者か何かだったのかしら。

そこまであたしの行動を予測できるとは、日頃あたしをよく観察している証拠ね。

 

「メイド長は仰いました。『お嬢様に不利益な事を申しても、お嬢様は貴女達を許し、愛しむ事でしょう。貴女達がお嬢様を疎んで虐めたとしても、あの方はそれすらも許し、優美に微笑んでみせるでしょう』。本日いらっしゃった貴女様は、メイド長が仰っていたお嬢様だと、私共は確信しております。所作も礼儀も、メイド長に教えていただいた私共だからこそ分かるのです。お嬢様は、メイド長が仰っていた、尊敬する方なのだと。なればこそ、私共がお嬢様を嫌だと感じる理由はございません」

「…ありがとう。後で貴女達の名前を教えてくれるかしら」

 

勿論です、と返されてあたしは微笑む。

とても良い家に入る事が出来て、あたしは幸せだと。

 

◆◆◆

 

テスタロッサの家に来て数日。

ナズナからの書状が届けられた。

曰く、あたしが数日テスタロッサ領にいて護衛する者がいないから、トリスタン領の別荘まで来てほしい、と。

 

「不躾では無いですか? ナズナ殿下」

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