転生お嬢様、2度目の人生も頑張ります!   作:桜舞

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58.帰宅します

「そう言えば、貴女乗り物も弱かったですね。お嬢様に気取られないようにしていたのは立派でしたよ」

「なんか、転生して優しくなりました…?」

 

カヅキの吐瀉物を片付けた後、ターニャは彼女の背を撫でながら水を飲ませている。

あたしはそれをただ見ているだけだった。

 

「いつも優しかったでしょう? 貴女が気付いていなかっただけよ」

「それは、お前に対してだけ…うぇ…」

 

今度はターニャが持ってきた袋にまた吐いている。

すごい苦手だったのか…言ってくれれば良かったのに。

 

「昔から見栄っ張りなんですよ。絶対にお嬢様には弱い所を見せたくないと意地になってて。無理も無茶もするから、見てて心配になってましたよ」

「本当にターニャは、カヅキの事良くわかってるのね。妬けてしまうわ」

 

そう言うと、ターニャは振り返り微笑を浮かべた。

 

「この子は、私の一番弟子であり、自慢の息子ですもの。今は娘ですが」

「そういうの、あんまり…恥ずかしいんで…」

 

吐き終わったのか、カヅキが呟く。

 

「さて。私はこの子を着替えさせてきます。お嬢様は先に、旦那様の所へ帰宅のご挨拶に行ってください」

「わかったわ」

 

ヨロヨロと、ターニャに支えられながらカヅキは屋敷に入って行く。

あたしはそれを見送った後、お義父様の研究施設へ向かった。

 

「お義父様、失礼致します。シャルロット、帰宅しました」

 

ノックの必要性がない、自動ドアが開き、あたしは中にいるであろう養父に帰宅の挨拶をする。

 

「お帰りなさい、シャル。ナズナ君は良いのですか?」

「あー…まぁ、ターニャが決めた事なので。ナズナも納得してくれてましたし…」

 

若干目を泳がせながら言うと、お義父様はターニャらしいですねぇ、と笑っていた。

 

「あ。あと、友人が滞在するかもしれないのですが、宜しいですか?」

「部屋は腐らせる程ありますからねぇ。別に住んでもらっても構いませんよ」

 

はっはっは、とお義父様は笑う。

冗談なのか本気なのか、よくわからない笑顔だ。

 

「料理長には、お客様がいらっしゃった事を伝えてきます」

「ターニャがもうしているでしょう。内線電話があちこちにありますからね。シャルは着替えてきなさい。後で一緒に夕食をいただきましょう」

 

はい、と返事を返して、あたしは研究室を辞した。

屋敷に取って返し、扉を潜る。

 

「お帰りなさいませ、お嬢様」

「「「「お帰りなさいませ」」」」

 

屋敷のエントランスに、メイド達が並んでお出迎えしてくれた。

 

「ただいま、リアラ、リリス、ヨランダ、ロンドリーネ、フィリア、マリー、メル。貴女達、お客様がいらっしゃってるの。ターニャから聞いてるかしら」

「はい、お嬢様。ナナリーとノーマがお部屋の準備をしています」

「セネル達も、料理長と一緒に頑張ってますよ」

 

この屋敷のみんなは本当に優秀だ。

それもこれも、ターニャの教育がいいおかげだ。

 

「宜しい。着替えたいのだけど、誰かドレスを選んでもらえないかしら」

「はいはーい! 私が選びまーす!」

 

この屋敷最年少のメイド、アニスが手を挙げる。

元気があって良い子だ。

多少ドジをやらかす時があるけど。

 

「アニスだけでは不安なので、私もお供します」

「ジュディー姉ちゃん、私だけで充分だってば!」

 

妖艶さが溢れ出ているジュディーが、アニスの肩に手を置き微笑む。

 

「だーめ。それに、お嬢様の身長と貴女の身長、差がありすぎるわよぅ。お嬢様のドレスを選ぶだけ、なんて許されると思う?」

「う…」

 

アニスが押し黙ってしまう。

そこへ、双子のリリスとリリアが前に出た。

 

「お嬢様のお着替え、私達も手伝います」

「お嬢様のヘアメイク、私達がやります」

 

頼もしいのだけど、お夕飯の時間大丈夫かしら…?

 

◆◆◆

 

薄いピンク色の、造花が散りばめられたドレスに袖を通す。

真珠があしらわれた髪飾りをつけて、髪も軽く編み込んでもらった。

 

「お綺麗です、お嬢様」

 

髪を編み込んでくれたリリスが、あたしの姿を褒めてくれる。

 

「ありがとうリリス。この髪飾りも素敵ね、リリア。選んでくれてありがとう。アニス、ジュディー、二人も着替え手伝ってくれてありがとう」

「「「お褒めいただき、光栄の限りです。お嬢様」」」

 

あたしについて来てくれたメイド達が、恭しく傅く。

 

「お嬢様、お夕飯の準備が整いましたので食堂までお越しくださいますよう」

 

執事長のローエンが、あたしを呼びにきた。

 

「わかりました。お義父様には?」

「他の執事が呼びに行っております。お客様の方も、ご準備が出来たようでございます」

 

あたしは一つ頷いて、食堂へ赴く。

 

食堂につくと白いワンピースを身につけたカヅキが、大人しく座っていた。

後ろにはターニャが控えている。

 

「可愛い…」

 

前髪はピンで止められ、スクエア型の眼鏡をしていた。

 

「ありがとよ」

「要、言葉遣いを直しなさい」

 

ターニャに嗜められ、へいへい、とカヅキは返事をする。

相変わらずだな、と思っていた時、お義父様が食堂に入ってきた。




ちょっとメイドの名前を探して書くのも大変になってきたので、ゲームのキャラ名から取りました
はい、安易ですみません…
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