転生お嬢様、2度目の人生も頑張ります!   作:桜舞

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6.入隊試験開始です

「僕としては、記憶が戻るまで手元に置いておいた方がいい気がします。シャルロットも、行く所があるわけではないのでしょう?」

「まぁ、はい。そうですね」

 

ユキヤ君の言葉にあたしは頷く。

 

記憶が戻った所で、何処ぞの間者かと聞かれたらノーと答えるつもりだけれど。

嘘発見器のハルト君は今頃夢の中だろうし。

シンプルに受け答えしているのは、あたしが何と答えた所で意見は採用されないだろうな、と踏んでいるからだ。

 

「所で、君は剣の腕はあるのかね?」

「我流ですけれど、一応…」

 

王様の言葉に、あたしはイエスと答える。

魔獣と戦った時、体が勝手に動いた。

普通なら、襲われた瞬間剣を振り回すなり、怯えるなりするはず…だと思う。

けれどあたしは、魔獣を一目見て何処が弱点か手に取るようにわかってしまったのだ。

雛桔梗が何かを言う前に。

 

前世のあたしはあれか?

何か武術でも習っていたんだろうか?

 

記憶がなくても、身体記憶とやらはあるらしいし。

何もかもなかったら、廃人扱いだわ間違いなく。

 

「ふむ、なら明日ニーナと手合わせしてもらおう」

「親父…親衛隊の隊長をいきなりぶつけるとは、どういう了見だ? 腕に覚えがあるといっても、我流と言っていただろうが。潰すつもりか?」

 

ドンッ、と机を叩いてナズナ君は怒りを露わにする。

 

そんなに怒るような事なんだろうか?

自分の事ではないのに。

 

神から貰ったスキルで、多分どうにかなるだろう。

攻撃力も魔法力も世界最強の部類にしてもらっているみたいだし、ニーナさん? という人が相手でも負けはしないと思う。

 

「うーむ…なら、親衛隊全員と手合わせして、どれくらいの力量か、見るというのは? それで今後、親衛隊に入隊させるか、メイド見習いで雇うか決めよう」

「それくらいなら…シャル、それで良いな?」

「はい」

 

愛称で呼ばれたのには少しばかり疑問が浮かんだが、シャルロットなんて長いから短くするために呼んだのだろう、と思う事にした。

 

その場は解散となり、あたしはあてがわれた部屋へと戻る。

 

「…疲れた」

【お疲れ様です、我が主】

 

窮屈だったドレスを脱ぎ、あたしはお風呂に入る。

大きめの湯船にお湯を張り、体を洗ったあと浸かった。

 

「なんか、濃い一日だった…」

 

天井を見上げながら、呟く。

気が付いたら白い部屋にいて、変な筋肉質の神に会い、そこから落とされた。

次に気が付いたら森の中で、銀髪の王子様を助けたら、あれよあれよという間に食事をご馳走になり…。

 

「今に至る、と…」

 

流石に、こんな体験をするのはあたし以外いないだろうと言っても過言ではない気がする。

 

「雛桔梗。あたしが使える技と魔法、全部リストアップしてくれる? あと、あたしの今の筋力でどれくらいまで動けるかシミュレートしてみたい。出来る?」

【リスト、表示します。シミュレートの方は、思考回路を使用し、擬似体験という形でなら使用可能です。ただ、稼働を超えてしまうと筋力の方に負担がいく事になります。それでも宜しいですか?】

 

あたしの望みに即座に応えてくれる雛桔梗。

彼女の存在だけは、神に感謝しよう。

 

「大丈夫。シミュレートは、お風呂から上がってからにするわ」

【承知しました】

 

お風呂から上がっても着替えがない事に気付いたあたしは、創造魔法でバスタオルと下着一式、換えの服を作る。

ついでにバスローブも作って、それを羽織った。

 

「さて、始めましょうか」

 

睡眠時間を削るような事はしたくないけれど、仕方ない。

気が済むまで戦闘訓練を重ね、あたしは眠りに落ちた。

 

◆◆◆

 

早朝。

朝ご飯を食べる前に呼び出され、身支度を整えたあたしは屋敷の一角、大きめの庭に行く。

そこには食事の準備をしているであろうメイドを除いた数人と、騎士服を観に纏った女性十数人、王様とナズナ君、ユキヤ君がいた。

多分見届けをしなくちゃいけないからだろうけど、こんな朝早くからご苦労様だ。

 

「貴女が昨日来た子ね」

 

赤紫色の髪の女性が、あたしに話しかけてきた。

 

「はい。記憶がないのでシャルロットという名を頂きました」

「そう…私は、王族親衛隊の隊長をやっている、ニーナ・ロードライト・トリスタンというの。よろしくね」

 

手を差し出してきたので、こちらも差し出し握り返す。

彼女が昨日、王様達が言っていた人だろう。

 

「よろしくお願いします」

「では、簡易結界を張った中で戦ってもらうわ。死亡する事は稀だけれど、死なないわけではないから気をつけて。勿論、うちの連中には手加減を言い渡すけれど」

 

手を解いた後、ニーナさんはそう言ってくる。

その言葉に、あたしは首を横に振った。

 

「お気遣いありがとうございます。ですが、それでは陛下達は納得なさらないと思います。どうぞ、全力でやっていただければと」

「貴女、彼らが王族だと気付いていたの?」

「王族の親衛隊、しかも隊長殿がこちらにいるのです。気づかずにいられましょうか?」

 

それもそうか、とニーナさんは納得する。

 

「では、試合を始めましょうか」




なろうで書いている人たちすごいな…2000文字も書くのきつい…。
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