転生お嬢様、2度目の人生も頑張ります!   作:桜舞

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75.使い魔を増やします

上空にいるバハムートが、レヴィの言葉に反応して降りてきた。

そのまま降りてくるのかと思いきや、途中人型になったようで軽やかに着地する。

 

青髪のレヴィとは違い、黒髪のロングウェーブが印象的な男性だった。

服はレヴィと一緒で黒かったが、スタイリッシュな服装で、ロングコートを羽織っている。

瞳は紅く、そこはレヴィと一緒だった。

 

「我が夫、人型も素晴らしいな」

「我が妻よ、せめて羽織るものを着よ。なんだその格好は」

 

そう言い、バハムートは自分が羽織っていたロングコートをレヴィに頭から被せる。

 

「な、何をする!」

「肌を出すな。お前は嫉妬の名を冠してはいるが、色欲ではないだろう。お前を見て、寄って来る男共がいたらどうする」

 

…バハムートは、愛妻家だったらしい。

あと、ナズナと気が合いそうだと思った。

こう、愛する人を心配するところとか。

 

「そんな者どもがいたら、妾が全て喰らい尽くしてやろうぞ」

「お前はベルゼビュートか」

 

誇らしげに胸を張るレヴィに、ペチン、と彼は額へデコピンをする。

痛くて蹲るレヴィを尻目に、バハムートはこちらへ頭を垂れてきた。

 

「お初にお目にかかる。今代の我が妻の主。バハムートと申す。我が妻が面倒をかけてすまない」

「誰が面倒なものか! 妾だって、我が主の役に…もがが!」

 

挨拶している途中だろう、とバハムートはレヴィの口を閉じる。

 

仲が良いなぁ。

…これ、召喚時間って大丈夫なのかしら。

 

チラ、とロゼの方を見る。

少し息が上がってきているところを見ると、召喚時間はそう長くは保たなそうだった。

 

「ご挨拶ありがとうございます。あたしは、シャルロット・テスタロッサと申します。いつもレヴィには助けられていますよ」

「そうですか。それを聞いて安心いたしました。召喚者よ。そろそろ顕現を保つのも苦しいだろう。送還するが良い」

 

バハムートがそう言うと、レヴィがムッとした。

再会してからまだ1時間も経っていないのだから、気持ちはわかる。

わかるのだけど…。

 

「なんだ、我が夫。妾ともう少し居たいとは思わぬのか? 数千年ぶりの逢瀬だぞ。薄情ではないか」

「我が妻よ。(われ)其方(そなた)といたい。だが、召喚者を死なすつもりは毛頭ない。わかってくれ」

 

なんか見ていられなくて、ナズナの方を見る。

彼も難しい顔をして、二人を見つめていた。

 

「あ、あの、僕なら大丈夫、だから」

「…真っ青になっておるではないか、小童。仕方ない。また逢える日も来よう」

 

はぁ、とため息をついて、レヴィはロングコートをバハムートに返している。

あたしはナズナに聞いた。

 

「ねぇ、ナズナ。使い魔ってもう一人増やしたりできないのかしら」

「前例がない。使い魔は自分の魔力量と同等か下方辺りで留めている者が多い。仮に、ロゼに使い魔がいなかったとしても、バハムートと契約した瞬間ロゼは死ぬだろうな。バハムートの方が魔力量が上だ」

 

あたしが言おうとしてた事へ、ナズナは先回りして答えを出してくる。

ロゼにバハムートを使い魔にしてもらえないだろうか、という提案だったのだが、ロゼが死ぬと彼が断言した以上、その通りになるだろう。

 

「雛桔梗。あたしの魔力量なら、どれくらい耐えられるか計算して」

「シャル!」

 

無謀な事はやめろ、とナズナが止めてくる。

あたしは首を横へ振った。

 

「レヴィは、家族なの。使い魔であり、友達であり、家族。だから、家族の幸せを願いたいの。それに、あたしがレヴィの立ち位置なら、貴方と離れるのは悲しいわ、ナズナ」

「シャル……雛桔梗が無理だと言ったら、諦めるんだ、良いな?」

 

彼のその言葉に、頷く。

続いて、雛桔梗から解答が返ってきた。

 

【計算終了。我が主の魔力量ですと、あと三体は余裕です】

「…あの神、今回ばかりは感謝してやるわ。ロゼ! 手を出して!!」

 

バハムートが消えかけている。

一刻の猶予もない。

レヴィは、バハムートの手を握って少し泣きそうになっていた。

 

「は、はい!」

「あたしに続いて詠唱して。良い?」

 

走り寄ったあたしの真剣な声に、ロゼは力強く頷いてくれる。

彼の手を握りしめて、詠唱する。

 

「彼方より此方、此方より彼方へ。辿りし道標より、彼の者を現世へ」

「か、彼方より此方、此方より、彼方へ。辿りし道標より、彼の者を、現世へ」

 

あたし達を中心に、魔法陣が展開されていく。

それは、使い魔召喚の魔法陣。

少し違うのは、別の方法で召還された者を、召喚した者からあたしへ譲渡する、というもの。

 

頭で思い描くだけでも、魔法って発動するんだ知らなかった。

 

「現世に降り立ち幻獣よ、我が膝下に降りたまえ」

「現世に降り立ち、幻獣よ、我が膝下に、降りたまえ」

 

ロゼが詠唱を続けてくれる。

 

ここから変えるけど、そのまま続けないでよ、ロゼ。

 

ウィンクして合図する。

ロゼはキョトンとしていた。

 

「我が名は、シャルロット・テスタロッサ。ローゼヴィッヒ・ロードナイト・ヴァリエールから其方を譲り受ける者なり」

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