転生お嬢様、2度目の人生も頑張ります!   作:桜舞

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76.ギルドに戻ってきました

「っ! 我が名は、ローゼヴィッヒ・ロードナイト・ヴァリエール! シャルロット・テスタロッサへ其方を譲渡する者なり!」

 

あたしの合図がわかったのか、ロゼが詠唱を変えて唱えてくれたおかげで、バハムートの譲渡は無事終了した。

詠唱が終わると同時に、ズンッ、と重力がかかる。

レヴィに加えて、バハムートへの魔力供給の負担が来たんだろう。

あたしは魔法陣を消して、地に手をついた。

 

「シャル!」

「っ、大丈夫。レヴィ、もう、安心して良いよ」

 

あたしが座り込んだのを見たナズナが、心配して駆け寄ってくる。

彼の手を借りて立ち上がり、あたしはレヴィに微笑んだ。

 

「…っ! 我が主!!」

 

レヴィも察したのかあたしに駆け寄り、抱きしめてくる。

 

「すまぬ、すまぬ、我が主。恩に着る…っ!」

「うん。これで、いつでも一緒にいられるね。良かったね、レヴィ」

 

バハムートがこちらを見ているので、ニコリと笑っておいた。

彼はこちらへ歩いてくると、あたしの前に跪いた。

 

「御礼申し上げる、我が主。主の命続く限り、御身をお守りすると誓おう。我が妻共々、宜しく頼む」

「えぇ。名前はそのままの方がいい? それとも、レヴィのように変えて名付けても良いのかしら?」

 

彼は多少微笑み、主の好きなようにと言ってくれる。

 

「なら、ルティとしましょう。確か、貴方の別の名前、ルティーヤーというのでしょう?」

「人間どもが名付けた名前なので、吾は何と呼ばれても構いませぬ。ルティ、拝命いたしましょうぞ」

 

あたしから離れ、レヴィはルティに抱きついた。

 

「ルティ、良い名だな我が夫!」

「リヴィア。いや、今はレヴィだったか。我が主の御前だ。落ち着け」

 

レヴィの名前、リヴィアっていうのか。

そっちで名前つけてもよかったかもなぁ。

 

「綺麗なお名前ね。貴方が名付けたの?」

「は…その通りで」

「ルティの事は、ムートと妾は呼んだおったぞ!」

 

レヴィが類を見ないテンションの上がりようで、本当に嬉しいんだとわかる。

 

「さて。そろそろ帰ろう」

 

ナズナのその言葉に、あたしとロゼは頷いた。

 

◆◆◆

 

「お疲れ様でしたー」

 

ブレスレットへ魔力を流すと、ギルドの転位門へ戻ってくる。

そこへ、クロエが手を振りながら現れた。

 

「クロエ、ここって魔物の買取とかしてる?」

「してますよー、どんくらい獲ったんですか?」

 

その質問に、あたしは肩を竦める。

 

「わかんないくらい」

「…ちょーっと、解体屋呼んできますね」

 

Zランクのあたしの話振りから、拙いと感じ取ったんだろう。

そそくさと奥の方へ行ったクロエは、解体屋だと思われる人達を数人連れてきたと思うと、用があったんだったと言ってマスターの部屋の方向へ走っていった。

 

「報告とかしなくていいのかしら」

「なら、吾が主の代わりにしてこよう。我が妻、ついて来い」

 

ルティが人型の状態で、同じく人型のレヴィの手を引いて、マスターの部屋へ向かう。

 

会うの数千年ぶりって言ってたから、ルティも嬉しいんだろうなぁ。

良かったなぁ。

 

「で、嬢ちゃん。ワイバーンをどれくらい獲ったんだ?」

「結構多いんですけど、ここで出していいんですか?」

 

こっちに来てくれ、と言われてついて行くと、ギルドの横に併設された作業場みたいな所に倒される。

 

「広ーい」

「ここは大型魔物の解体場所でよ。何体でも行けるぜ」

 

ロゼが辺りを見渡してそう感想を言うと、そこの責任者らしき人が胸を張って説明してくれた。

 

「じゃ、出しますね」

 

あたしはキューブ状になったワイバーンを数個出し、

 

解凍(メルト)

 

と呟く。

キューブ状になったワイバーンが続々とその姿を元に戻し、作業場が満杯なってしまった。

 

「おお、豊作じゃねぇか。まぁ、見るも無惨だが」

「使い魔達が頑張ってくれまして…」

 

ははは、と笑っておく。

本当の事だから仕方ない。

 

「査定は時間がかかるだろう。何なら金はギルドカードに振り込んどくぜ」

「カードで支払い出来るんですか?」

 

そんな現代じゃあるまいし、クレジットカードの類など、この世界では出来ないだろう。

出来ない、よね?

 

「出来るぜ。数年前に、銀行、ってもんができてよ。そこに金を入れたり、引き出せたりするらしいんだ。しかも、身分証のギルドカードがありゃ、何の書類も書かずに、口座ってやつが作れるらしい。いやぁ、便利になったなぁ」

「それ、どこ発案なんですか殿下…?」

 

ロゼも流石にそこの知識はあったのか、怪訝そうな顔をしてナズナに尋ねる。

彼はあたしの方を見て、苦笑した。

 

「テスタロッサ卿とバルザック卿の共同経営だな。発案はテスタロッサ卿だと聞いてはいるが」

 

ターニャー!

また貴女なの?!

 

聞いた所で、はい私です、としか答えないのは目に見えてはいるんだけど。

あたしは頭が痛くなって、押さえる。

 

「我が主、戻った」

 

レヴィとルティが手を繋いで戻ってきた。

仲睦まじくて結構。

 

「大丈夫か? 我が主」

「大丈夫。うちの経営状況どうなってるか、一回帰って確認したくなっただけ…」

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