転生お嬢様、2度目の人生も頑張ります!   作:桜舞

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8.先輩は強いです

そう言われても、苦情は貴女方の上司に言っていただけますか?

 

大渦潮(メイルシュトローム)

「「「きゃあぁぁぁぁっ!!!」」」

 

彼女達の周りに渦潮を形成し、飲み込ませる。

空中まで巻き上げてから、渦潮を消した。

途端彼女たちは自由落下を始め、地面に激闘する前に風の魔法で受け止める。

流石に人は殺したくない。

 

「…はぁ…」

 

ニーナさんが深いため息を吐いた。

部下が情けないからだろうか?

 

「勝者、シャルロット」

 

まぁ、当然と言えば当然だけど、なんか消化不良気味だ。

ニーナさんも複雑そうな顔をしているし。

 

「次、カナリア、オリヴィエ」

「ちょっと待ってください」

 

次の2人の名前を呼んだ時、ユキヤ君が制止する。

カナリーイエローの髪の女の子と、栗色の髪の女性が前に出ようとして止まっていた。

 

「カナリアは兎も角、オリヴィエは僕の専属護衛です。シャルロットの前に出す必要があるのですか?」

「シャルの実力を図るためだ。それに、カナリアもオリヴィエも中堅クラスの実力の持ち主だ、あの3人のように簡単にやられはしないだろう」

 

ユキヤ君がニーナさんに食って掛かるのを、ナズナ君が止める。

 

「兄さん!」

「殿下、大丈夫ですよ」

 

栗色の髪の女性、多分オリヴィエさんがユキヤ君を安心させるように声をかけた。

とても柔和な声だ。

 

「シャルロットさんは、人を殺したことがないようですので、負けたとしても手加減していただけるかと。それに殿下がご命令すれば、シャルロットさんも無碍にはできないのでは?」

 

クスクスと笑う様は、とても愛らしいと思うのに言ってる事が物騒だ。

オリヴィエさんは、策士タイプなのだろうか?

 

「シャルロット…」

「…これ、手加減する必要性あるんですか?」

 

ユキヤ君の情けない声に、あたしは鬱陶しくなってニーナさんに声をかける。

多分だけど、生死をかけた戦闘ならあたしは躊躇しないと思う。

だって、相手に生を譲ったら殺されるのはあたしの方なのだから。

 

「殿下がそう仰るなら…」

「ユキヤは同席させない方が良かったな」

 

ナズナ君も呆れて、ユキヤ君の方を見ている。

あたしの力量を測る為のテストだというのに、これでは意味がないからだ。

 

「オリヴィエは副隊長だから、見るには一番なのですが…」

「オリヴィエさんだけなんてずるーい。私も手加減してくださいよぅ」

 

カナリーイエローの髪の子、多分あちらがカナリアさんだろう。

ブーブーと文句を言っている。

 

「…あーもー! わかりましたよ、手加減すればいいんでしょう? さっさと終わらせますので、まとめてどうぞ」

「それでは、始め!」

 

結界内に入ってきた2人を見届け、ニーナさんが開始を告げた。

瞬間、カナリアさんがあたしの目の前に現れる。

 

速い…!!

 

あたしに振り下ろされた剣を、右手に持った剣で受け止めた。

キィィン、と金属音が辺りに鳴り響く。

 

「お、いい反応速度じゃん」

「お褒めに預かり光栄です、ねっ!!」

 

振り上げ様、カナリアさんを弾き飛ばす。

だが、相手はカナリアさんだけではない。

オリヴィエさんの方を横目で見ると、長い詠唱をしているようだ。

 

マズイ。

直感でそう感じる。

雛桔梗との勉強で、魔法は詠唱を伴うと威力が倍増すると習った。

詠唱の文言で、ある程度の法則性と属性がわかるらしいが、カナリアさんの猛攻と剣戟の音で、その音が聞こえてこない。

 

「カナリア、離れて!」

「オッケー!」

 

詠唱が終わったのだろう、オリヴィエさんがカナリアさんに叫ぶ。

途端、カナリアさんがあたしから離れた。

 

大竜巻(サイクロン)!!」

 

風魔法の最大攻撃、大竜巻。

囚われた相手は八つ裂きになる、って雛桔梗は言ってたっけな。

なら。

 

砂嵐(サンドストーム)!!」

 

あたしを飲み込むように、大竜巻が発生する。

風の向かう方向と逆方向に、あたしは砂嵐を発生させた。

こちらも地属性の風を当てて相殺させようという作戦だ。

あとは、魔力が続く限り発生させ続けるだけだ。

 

数分後、風の威力が弱まってくる。

オリヴィエさんの魔力が尽きかけているか、集中力が切れかけてきたか、どちらかだろう。

 

ここらで反撃行きますか。

 

目を閉じ、魔力の揺らぎを見る。

真正面に2人、左側に数人。

真正面にいる2人が、カナリアさんとオリヴィエさんだろう。

あたしはそこ目掛けて、魔法を使った。

 

闇縛(ダークバインド)

 

途端、風が止む。

合っていたようで、あたしも砂嵐を止めた。

 

闇色の縄が2人を縛り上げている。

あたしは2人の傍へ行き、鞘で2人の首を軽く叩いた。

 

「はい、終わり」

「悔しーっ!!」

 

解けはしないのに、カナリアさんがジタバタと暴れる。

オリヴィエさんは苦笑して、尋ねてきた。

 

「結構、自信があったのだけれど…どうやって回避したの?」

「簡単ですよ。発動に合わせて、此方も砂嵐を発生させたんです。貴女の風の向きと逆方向に。そうなったら相殺しますよね? あとは貴女が力尽きるのを待って、カナリアさんを倒そうと考えていたんですけど…ちょっと面倒になったので、闇縛で拘束させていただきました」

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