転生お嬢様、2度目の人生も頑張ります!   作:桜舞

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81.文化祭開始です

「レヴィ、ルティとご飯食べておいで」

 

小さい状態のルティを渡すと、目を輝かせて何処かに行ってしまった。

一体何を食べるつもりなのか。

 

お家に帰って、ルティが作ってくれたご飯でも食べるのかな。

 

なんて、のほほんと考えていた。

 

「あ、ロゼ。ちなみにさっきのゴシップの話だけれど。あたし、病死でも事故死でもなく、他殺だから。首絞められて殺されたの」

「…そんな重要な事、サラッと言わないでよー…」

 

ロゼは顔を覆って、俯いてしまう。

気にしてそうだから話しただけなんだけど。

 

「だから、首を締め付けるような服が着れなくてね」

「隊服とか大変じゃない? 式典の時とか締めなきゃいけないでしょ?」

「あれは全てオーダーメイドで作っている。シャルのものは首回りに余裕を持たせてあるから、気絶することは無いだろう」

 

ロゼが心配してくれるが、ナズナがそれについて解説してくれる。

彼はそれを聞いて安心してくれたようだった。

昼休みももうそろそろ終わりなので、サンドイッチが入ってたバスケットを片付け、あたし達は教室に帰った。

 

 

◆◆◆

 

「うわぁ…!」

 

文化祭当日。

寮から登校すると、もう人が溢れ返っていた。

人が多いのもそうだが、校内が色とりどりに飾り付けられ、色んな屋台が出まくっている。

屋台だけでなく乗り物もあって、学校の枠を超えて一種のアミューズメントパークと化していた。

 

「今年も大盛況だな」

「毎年こんな感じなの?」

 

確かナズナは去年から学校に通っているはずだ。

そう尋ねるが、彼は目を逸らしてしまう。

 

「去年は…その…ヴィオレッタが、来ててな。付き合わされて、色んな物を買わされた記憶しか…」

「あー…」

 

ナズナの元婚約者、本当に我欲が強い人だったからなぁ…。

大方、ナズナのお金で買い物がしたかったんだろうけど。

 

「あたしはそんな事しないからね。一緒に見て回る方が、好きだわ」

「知ってる。行こうか」

 

手を繋いで、校内に入っていく。

最初は校舎内に入らず、外を見て回る事にした。

 

「そういえば、うちの催し物があるらしいのだけど。ナズナ、高速の乗り物は平気?」

「何だそれは」

 

パンフレットを取り出し、テスタロッサの催し物のページを開く。

 

「これなんだけど」

「…ベルファは、本当に人が考えつかないような物を考えつく男だな」

 

ごめん、多分それターニャの入れ知恵だと思う。

なんて、口が裂けても言えないけど。

あたしの予想では、ナズナもターニャが転生者だと気付いているだろう。

口にしないのは、しなくても理解しているからなのか、別の理由なのか。

 

まぁ、どうでも良いか。

 

「これ、乗ってみたいの。あたし、こういう所って事業で携わっても、遊んだ事無いのよね。長谷川にも、カヅキにも、危ない、誘拐されるって言われてばかりで」

「お前の所は治安が悪かったのか?」

 

そんな澄んだ目で尋ねられたら困るんだけど。

 

「治安は良かったわよ。ただ、無謀な奴は何処にでもいるという事。一回誘拐されたけれど、要の裏部隊に助けられたわ。あたしを誘拐した連中は何処かに連れて行かれたけど、多分海に沈められたでしょうね」

 

あらゆる拷問を施された上、裁判にかけられる事なく、命を奪われたはずだ。

まぁ、あたしを大切に思ってくれているあの二人に言わせれば、あたしに害をなす奴は虫以下なので、消えても問題ない、と答えるだろうが。

 

「そうか。シャルに手を出すなど、無謀極まりないな」

「それ、今のあたしだから対処出来てるだけであって、昔のあたしだと対処する事も出来なかったんだからね? わかってる?」

 

わかってる、とナズナはあたしの肩を抱き、自分の方へ寄せた。

 

本当にわかってるのか、怪しいなぁ…。

 

あたしは創造魔法で、幻惑魔法を作り出す。

それを自分自身にかけた。

 

「…シャル?」

「こんなか弱い女の子が、暴漢から身を守れると思いますか? 殿下」

 

中学の頃のあたしを、ナズナに見せる。

あくまで幻惑魔法なので、彼がもう一度あたしに触れれば解ける程度にしかかけてはいないが。

 

「………カヅキが羨ましいな」

「はい?」

 

なんでそこでカヅキの名前が出てくるんだ?

というか、なんで彼女が羨ましいという発言に繋がるんだ?

意味がわからない。

 

「こちらのシャル…ナツキも可憐じゃないか。それを今までカヅキは見れていたのか…。あいつが、お前を大切にする理由がわかる」

「あのー、顔だけの話してます? 殿下面食いでしたっけ?」

 

そんなわけないだろう、と彼は反論する。

 

「性格は今のシャルだとして、こんなに小柄で可憐な少女を、誰が邪険に扱えるというんだ。愛らしいという言葉が相応しい。もしこの姿で転生してきたとしても、俺はお前を必ず愛しただろう。好きだぞ、ナツキ」

「…サラッと、口説かないでもらえませんかね」

 

衆人環視の前で、しかも昔のあたしの姿の前でそんな事言ってしまったら、何かしら噂が立ってしまうのではないだろうか。

 

「殿下、周りの目も考えてください」

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