レーザー銃の傭兵とダボールスナイパーな人形 作:ジャック・アヴェンダドール
追手を振り切る事は出来るのでしょうか?
今回の戦闘シーンには個人的に思い入れの多いガンシューのオマージュ的なのが含まれています
1/19 誤字報告ありがとうございます 修正しました
時間は少し戻り、部屋に入ったあたりに遡る。ジョセフは別動隊として動いていたM1911達と連絡を取り出した。
「こちらアルファ、ブラボー応答せよ」
「こちらブラボー、どうぞ」
「敵に見つかった。現在現地にいた人形と共に交戦しつつ捜索中」
「えぇ⁉︎大丈夫ですか⁉︎」
「負傷は無いが弾薬の消耗が激しい。また、今行動を共にしている人形達も居る。目標を見つけたら即座に離脱する」
「あー…それなんですけど……」
「何が起きた?」
M1911が何か言いづらそうに苦笑いするような声が聞こえた。何か不味い事が起きたかとジョセフは思った。
「こちらの方で要救助者は見つけました。現在彼らが使っていた仮の拠点から出発する準備を整えています」
「すまない、こっちが見つかって無ければ良かったんだがな……」
「いえいえ、アルファの方に戦力が動いている間、私達の方は手薄になってましたし、結果オーライですよ。こっちは今から作戦区域から離脱しますけど、アルファはどうしますか?」
「こっちも一度離脱して合流を図る。このまま第2フェイズへ移行するには不安がある為、体制を整える必要がある。だが、そっちの部隊が見つからないように陽動を仕掛けるぐらいの事はする」
実際にはピリアの方はやや余裕が残っているが、ジョセフの方が殲滅作戦を完遂させるには少し不安があった。それに現地で遭遇した89式と64式自を安全圏まで送らなければいけない為、どちらにせよ一度作戦区域から離脱する必要があった。
「了解しました!ランデブーポイントにて待機してますね!着いたら一報入れます!」
「分かった。あとそいつら人類人権団体だから気を付けろよ」
「分かってます!では通信終了しますね」
「了解した、こっちも早めに行くようにする。アウト」
通信を終えたジョセフは3人の方に向けて行動方針を伝える。
「ブラボーが救助対象を保護、離脱している。俺たちは向こうがランデブーポイントに着くまで陽動する。いいな?」
そう言ってジョセフは銃を手に取るが、89式達が止める。
「待って下さい!まだ準備が終わって居ないと言いますか……ジョセフさんは大丈夫なんですか?」
「どっちにしろ弾薬の補給は出来ないだろ。それならさっさと離脱した方がいい」
「今飛び出してもいい事は無いわよ。89式のトラップもある。体勢を立て直す時間は十分あるよ」
「そうそう!私達の方も弾薬を確保したいので待って貰えますか?」
「アテがあるのか?」
「ここ、潜伏していた時に弾を作っていた部屋なんです。その関係で弾もここに置かせて貰ってたんですよね、っととあったあった!ピリアの銃は5.56mmNATOでしたっけ?」
「そうだよ。こっちは弾はまだあるからバディ達で使っていいよ」
やけに準備がいいと感じたジョセフだが、今はそれよりも体勢を整える事にした。エネルギー残量はマガジンにパーセンテージとして表示される。それらを確認しつつ、まだ使用していない物に取り替えて行く。この時に残り弾数関わらずコッキングを挟む必要があるが、基本エネルギーの移動が出来ない為、撃ち切る事が前提となる関係で問題にはならなかった。
ふと、64式自と89式がマガジンに弾薬を込めているのを眺めていると口径の違いが見えた。64式自は7.62mm系の大きさの弾薬で89式は5.56mmの大きさだ。外の方をチラッと見ると敵兵が周囲を彷徨いている。そしてここは2階、ならやる事は一つだと考えた。
「向こうから行くんじゃ確実に足止めを食らう。それならここから飛び降りて脱出した方が抜け出せるだろう」
「でも敵がまだ居るわよ」
「89式が仕掛けたトラップ、アレはどういう物だ?」
「あれは一種のブービートラップですよ。センサーに引っ掛かったらドカンと半径5mぐらいの対人用の代物ですね」
「なら奴らが引っ掛かった後に出る。アイツらなら追いかける為にある程度は中に入るだろ」
作戦を纏めると、89式が仕掛けたトラップが作動した直後に増援として外の敵が中に入り込んだ隙に窓から飛び出して残った敵を殲滅するという物だ。
「全員で飛び降りるの?」
「いや、最初に俺が飛び降りる。その時にピリアは援護を頼む。64式自と89式は廊下側から来る敵の排除をしてくれ。大体の敵が倒れたらピリアにサインを送る。それを目印に外に飛び降りてくれ」
「了解、と言いたいけれど飛び降りたら89式の脚が折れそうよ?」
「んな⁉︎私はそこまで太ってませんもん!」
「そうしたら俺が止めてやるから、どうするかさっさと決めろ」
「分かったわよ、やればいいんでしょ」
「それでいい」
行動の方針が纏まったところでトラップが爆発する音が聞こえた。
「それじゃ、始めますか」
その音をきっかけに先程決めた位置に全員移動する。窓の方にはジョセフとピリアが、廊下側には64式自と89式がそれぞれ戦闘体勢に入った。
ジョセフは窓の外を覗いて、敵が建物内に入って行くのを見届ける。それでも入り口から離れた所に居た者はその場に残っているが、頃合いだと判断して窓を開け放つ。その横でも同様にピリアが窓を開ける。
勢いをつけて飛び出して、着地する時に五点着地をして衝撃を和らげ、遮蔽に隠れる。流石に外で待機していたイエーガー達には気付かれたようで直ぐに攻撃を開始した。その弾は全て放置されていた自動車に当たる。
射撃が止んだ瞬間に反撃に出る。既に数体が倒れている辺り、ピリアが正確に撃ち抜いたのだろう。そこから次の射撃に入る前に、イエーガーが全滅した。
そこからジョセフは車を飛び越して反対側、つまり建物側に向くと既に彼の方に向かってくるリッパー達が居た。ピリアと挟撃する形となり、前後から効率良く倒していく。
やがてリッパーが現れなくなると、ハンドサインを出して降りるように指示する。ピリアが部屋の中に入るとすぐさま89式と64式自が現れる。最初にピリアが飛び降りる、着地が所謂ドッスン着地で着地した数秒間動けずに居た。
次に64式自が飛び降りる。彼女は綺麗な五点着地を決める。最後に89式が飛び降りる、先程の約束通り89式をジョセフが受け止める。色々荷物もあるせいで割と重かったが、ギリギリ持ち堪える。
「もー私も受け止めていいじゃんかー」
「五点着地出来ると思ってた」
「ちょ、酷くない?」
ジョセフに対して文句を言いながら、ゆっくりと立ち上がるピリア。どうやら特に異常はないようだ。抱きかかえた89式をおろしておく、感触は全体的に柔らかかったとは言わない。
「上からくるわよ!」
「全員離脱するぞ!」
64式自の声で上を見ると、先ほどまでいた部屋から出てくるヴェスピドの姿があった。急いで離れる。向こうの体制が整う前に離脱するが飛び降りてくる者や上からそのまま撃とうとしてる者が居た。そのままだと撃たれるので、ある程度足止めする必要がある。
「しつこい奴らだ!」
「右のほうのボンベ、使えるかもよ?」
「ピリア、狙えるか?」
「あれね、了解」
ピリアがそういうと一発の鉄に当たる音がした直後、小規模な爆発が発生する。それに巻き込まれてヴェスピドが焼かれる。それでも突っ込んでくる敵も居たが、それも89式やジョセフによって撃破されていく。そのうち道が炎で塞がれていき、向こうから敵がやってこなくなった。
「今のうちに行くぞ!」
「了解!」
それを確認して先へ進もうと走り出す。爆発させた場所からの光が無くなり、今まで明るい所に居た為か周囲が見え辛くなる。だがそれを気にせずにランデブーポイントへと向かう所で、突然64式自が叫んだ。
「待って!止まって!」
全員が止まった瞬間、横にあった自動車が爆発する。爆風が身体を襲うが、距離が離れていた為全員無事ではある。しかし、危機に陥ったのには変わりが無い。何故なら目の前には先程までの敵とは比べ物にならない戦闘力を持った者が現れたからだ。
その者は浮いており、手には何も持っていない。だが、周りに同様に浮遊している2機のビットが戦闘用である事を物語っていた。そう、それは鉄血のハイエンドの一体、スケアクロウだ。
ゆっくりと近づいて来るのが逆に不気味に思えた。そして彼女の周りを浮遊していたビットがこちらに向かって来ると、レーザーを撃ち放った。4人は咄嗟に左右に避ける。ジョセフと64式自が左、ピリアと89式が右へと動いた。
「ふん……足掻いても無駄だと言うのに。大人しくしていなさい」
「お断りだ!」
「なら、もがいて苦しみなさい!」
ビットの数を6機に増やして、動かし始めた。
※実際に2階から飛び降りると骨折する可能性があるので、やらないように
多分SMGなんかは軽く出来そうなムーブなんでしょうけどARとかRFとかは出来ない子が居そうですね
次回はスケアクロウとの戦闘です
果たして案山子を倒す事は出来るのでしょうか?