レーザー銃の傭兵とダボールスナイパーな人形 作:ジャック・アヴェンダドール
闘いの火蓋は切られ、生死を掛けた死闘の始まりが告げられた
Chapter1stage1のラストです
放たれたビットは左右にそれぞれ3機づつ向かわされた。スケアクロウ本体は後ろに下がっていった。
ジョセフはビットに向けて掃射する。しかし、簡易的なバリアがあるのか見た目以上に頑丈である。向こうから攻撃が来るまでに1機しか落とせなかった。
残り2機が襲い掛かって来る、車を破壊させた火力を持ったそれをジョセフが受けてしまったらどうなるかは火を見るよりも明らかであろう。2筋のレーザーはジョセフを的確に捉えようとしたが、鉄筋入りコンクリートに阻まれる。撃たれたコンクリートは剥がされ、中の鉄筋が晒されているところに再度、火力の高さを知らされる。
「アーキテクト!」
《どうしたの?》
「現在スケアクロウと交戦中!何か策は無いか⁉︎」
《スケアクロウ⁉︎ならビットよりも本体を優先して撃つ方がいいよ!》
「了解!」
とは言ったもののジョセフだとスケアクロウの姿は捉えられない。だがビットの迎撃役は少なくとも2人は必要だ。攻撃の合間をぬってビットに攻撃を当てながら、64式自に話し掛ける。
「64式自、お前スケアクロウの本体が見えるか?」
「ええ、なんとか見えるわ」
「ならお前は本体を撃て、俺がビットの迎撃をやってやる」
ビットを64式自から離すために移動を開始するジョセフ。前にある鉄の箱に向かって走る。ジョセフの予想通りにビットは食いついて来た。本体への攻撃を増やす為にピリア側のビットもある程度撃ち込む。
向こうは89式が迎撃をやっているようだ。ピリアは先程のアーキテクトからの通信を聞いて、本体の方へ攻撃をしている。
ビットの攻撃をいなしつつ反撃していると、唐突にビットの動きが止まりジョセフから離れていく。先へと視線を移すと、スケアクロウが一度ビットを格納して、再度6機のビットを出して来た。再度3機づつ向かわせてきて、今度はピリアと64式自の方へ優先的に飛んでいく。
「ジョセフさん!本体の方に攻撃して下さい!」
89式に言われるがままに本体を攻撃するジョセフ。流石に頑丈に作られている為か直ぐに壊れる事は無いが、20発程当てるとスケアクロウがよろめいた。すると自身とビットを下がらせて行く。
「アイツとビットは直接リンクしています!本体を撃てば一旦攻撃が止むみたいです!」
「ようするに、本体に鉛弾をぶち込めば良いって事か」
「小癪な真似を……それを知った所で貴方たちに勝ち目はありません…よッ!」
スケアクロウが懐から指揮棒のような物を取り出すと、再度ビットを展開する。今度は8機に増えており各2機づつが4人の元へ向かう。だが先程とは打って変わって、射程を伸ばしたのかより遠くから撃ち込んで来て、さらに高速で飛び回るようになった。
ジョセフはそれを掃射して撃ち落とす。バリアが先程よりも薄いようで先程よりも少ない弾数で墜ちるようになった。先にビットを落としたジョセフ、64式自がスケアクロウに対して攻撃する。
「ちっ!本体の方にバリアを持ってきたか!」
スケアクロウは自身の周囲にバリアを張って攻撃を無力化させていた。かなり分厚いようで、通常のレーザーや銃弾は通らない状態であった。
「キャ!」
後ろから悲鳴が聞こえた。振り向くと、ジャケットの腕の部分が破けておりそこから血が流れていた。
「大丈夫か!?」
「問題ないよ!」
「あぁクソ!どうやってアレを崩せるんだよ!」
大事は無いものの、このままではジリ貧であることには変わりがない。本体の防御を崩す方法は何かないかと考えるが、この忙しい状況で中々相手の弱点を見抜けずに居た。やがて飛び交っていたビットは落とされた分を除いてスケアクロウの元に戻る。そして再度8機のビットを繰り出した。
「そっちがその気ならこっちは全部落とすぞ!」
ジョセフが愚痴りながらも銃を撃ち放つ。それに合わせて他の3人もビットに向けて撃ち出す。ジョセフが先に減らしてピリアが遠距離から正確に撃ち抜き、64式自と89式が残ったのを始末すると、スケアクロウが頭を片手で抱えながらよろける。
「今だ!全部ぶち込め!」
そこを見逃すはずも無く全員で攻撃を浴びせる。だがスケアクロウはゆっくりと立ち上がる。その際にシールドを再展開して防御する。
「なんとしてでも、お前たちだけは連れて行きます……!」
怒気のような物を感じつつも次の一手に備える4人。指揮棒を振って2機のビットを自身の周りに浮かせる。浮遊しているのを利用して自身がビットと共に高速でジョセフに突っ込んで行く。本体を止めようにもビットの掃射とバリアのせいで止められない。至近距離まで近づかれると指揮棒を思いっきり振って来る。
ジョセフはそれを横に避けたがビットが既にジョセフに狙いを定めていた。
「しまっ…!」
不味いと思っていたが、ビットが突然挙動を乱した。その隙に斉射しながら距離を取る。
「ジョセフ!しっかりしてよね!」
「悪い、助かった!」
ピリアのお陰で危機は去ったが敵は依然健在だ。スケアクロウは新たにビットを2機展開して、今度はピリアの方へと向かって行く。先程と同様にビットと共に突撃していくのを見て、本体ではなくビットを先に堕とそうと撃ち込む。しかしジョセフの側からは片方しか当てられず、反対側は本体のバリアに阻まれた。
指揮棒を振る瞬間、本体の周りが鈍く光った。まるで透明な膜を剥がしたかのような光り方をして一瞬で消えた。もしやとジョセフは思い、本体に向けてレーザーを撃つと先程までバリアに阻まれていたのが無くなっており、当たるようになっていた。その僅かな間の攻撃でスケアクロウはよろめいて、指揮棒を振る事は叶わなかった。
「これで終いだ!」
「いい加減に倒れて!」
よろめいた瞬間に4人の一斉射撃をスケアクロウに浴びせると、今度こそ倒れ込んだ。息が上がる4人、銃を構えながら近づく。完全に機能を停止させたかどうか確認する為に慎重に行く。スケアクロウの元に辿り着いて一切動かないのを確認すると、安堵の息が出る。
「ふぅ……」
「終わった……んだよね?」
「えぇ、その筈よ」
「流石に……ねぇ?」
緊張の糸が切れたのか、大きく息を吐く4人。戦闘区域からの脱出を急ごうとした時、突然機械的な音がしだした。驚いて振り向くと、ゆっくりと、だがあまりにもぎこちない動きでスケアクロウが動き出していた。
「私を、倒したの、は、間違い、だった、の、では?」
「何を言ってやがる」
「その、内…に分か…りま、す…よ……フフ、フフフフフフ」
「……」
AIまで壊れたのか笑い続けるスケアクロウ。それを1発のレーザーで撃ち抜くと物言わぬ鉄塊へと姿を変えた。
「とりあえず、ランデブーポイントに向かうぞ」
「りょーかい」
「了解」
「了解!」
いつの間にか火は消えており、ランデブーポイントへと進む道は開かれていた。
不穏な雰囲気を出しつつ終わったstage1です
スケアクロウが原作よりも大分硬くね?と書いてて思ってましたけど、0-4スケアクロウってこんなもんだったよねと言う事にして下さい
※原作のスケアクロウはバリアなんて張りません
次回からはstage2かもしくはピリア視点のstage1になります