レーザー銃の傭兵とダボールスナイパーな人形 作:ジャック・アヴェンダドール
ジョセフ達と64式自がSB07地区の市街地で色々試します
市街地巡回任務兼オペレーター運用試験
64式自のオペレーター転任を決めて数日後、その運用試験を兼ねた巡回任務を執り行う事になった。
《こちら64式自、感度確認どうぞ》
小型のイヤホン型通信機から64式自の声が聞こえてきた。音質はクリアで雑音は無い。
「こちらジョセフ、感度良好だ」
「私も大丈夫」
「こっちもOKだよ」
《アーキテクトだよ!こっちも大丈夫?》
「問題ないが声がデカ過ぎると音落とすぞ」
《ごめんごめん。じゃあそっちに渡した装備の説明をするよ。基本的にオペレーター室はジョセフを除いた2人の視界情報をグリフィンが持ってる共有装置を介して見ているよ。ジョセフ用のは無線機一体型を今作ってるから暫く待っててね》
「わかってる」
《ただその視点だけじゃ戦況が把握しきれないと思うから、超小型のドローンデバイスをジョセフとバディに渡してあるよ》
ジョセフと89式はそれぞれ小さな機械がある事を確認した。大きさは片手で握れるサイズだ。
《そのドローンデバイスは握り締めると起動して一定の高度まで自動で上がるように出来ているよ。そしてデバイスにはカメラが付いてるから、それで敵の位置が分かるようになってるから、64式自ちゃんはその情報を共有してあげてね》
「分かったわ」
《あ、因みに飛行時間は2分ぐらい、時間が経つとカメラ共有機能がオフになって持ち主の所に戻るように出来ているから回収してね。大体一機で3回分は飛ばせるよ》
説明を続けるアーキテクト。デバイスを掌の上で転がしている物体がドローンとは思う人間も少ないだろう。
「再チャージは出来るのか?」
《ジョセフに渡したエネルギー簡易チャージ機なら出来るよ。大体10分で一回分は使えるようになるかな。まぁまだ乱用は厳しいけど、改良していくよ》
「了解。とりあえず、巡回しながらやってみようか。全員準備はいいな?」
「出来てるよ、ジョセフ」「こっちも出来てます!」
「じゃあ、任務開始だ」
ジョセフがそう言って部屋を出ると、残りの2人も外に出た。
ーSB07地区 商業区(夜)ー
前回ジョセフとピリアが巡回した時は昼だったが、今回は夜の巡回になった。他の地区から来た人形で少々賑わっている。明かりは十分に灯っており、暗さを感じさせない。
「昼に来た時は閉まっている店が多かったのに、今は多いんだ」
「“客”がいるからだろうな。その時だけ営業してればいいって感じがしている。中にはその時しかこの区画で店開かん奴もいるぜ」
ピリアの疑問にジョセフが答える。この区画は人形が来れば賑わう祭りみたいな場所なのかもしれない。
「とりあえずここで一回使ってみるか」
ジョセフがドローンデバイスを取り出して握りしめて離すと、畳まれていたプロペラが展開され空に目掛けて飛び立った。
「画質とかは大丈夫か?」
《……問題は無いわね。顔識別は……出来そう。異常は特に無いわ》
「OK、じゃあ俺たちの視線の先のコンテナの後ろは何が見える?」
《……モシンナガンさんが完全に出来上がってます》
「グリフィン本部に一報いれておいてくれ……」
《了解》
初っ端から変な物を見てしまった気分になったジョセフ達は、酔っ払ったモシンナガンを本部に丸投げして巡回を進める。
2分経過してドローンがジョセフの元に戻ってきた。彼はそのデバイスをチャージ機に差し込む。
「戦場だと制約がキッツいが、便利っちゃ便利か。そういえばこのチャージ機やらドローンはどうやって作ったんだ?」
《ジョセフが回収して来てくれた鉄血のパーツとグリフィンで出た廃材を組み合わせた物だよ。特に簡易チャージ機には下位人形のエネルギーユニットで組んでるから、マガジンへの補充も出来るよ》
「つまり上位人形だったらもっと効率上がるって事か」
《そゆこと!まぁ、回収して来てくれたらそれだけ改造出来るってのを頭の隅っこでも覚えてね》
「分かった」
その後も雑談をしつつ巡回をしていくジョセフ達。商業区の表通りの方は酔っ払いを見つけた事以外に異常は無いまま、裏路地の巡回に差し掛かろうとしていた。
「89式、ドローンユニットを路地の先に展開してくれ」
「分かりました!」
89式がカバンからドローンユニットを取り出して、前面に投げるとそのまま飛び立って路地の方へ旋回した。
《明かりが少なくて見えないわ》
《暗視モードに切り替えてみて。このスイッチで……》
《それを先に言って下さい……人影が居るわ、3人。180cmぐらいの男2人が子供に何か言い詰めてる》
「了解、俺が先に接触する。ピリアは後ろから狙撃待機、89式は回り込む。64式自は89式にルート指示を出してくれ」
情報を元にジョセフが指示を出すと、各自展開を開始する。ピリアは狙撃しやすい様に木箱にバイポッドを立て、89式は別の道に移動を始めた。64式自がそれをフォローする。
「さてさて、何が居るのやら」
ジョセフはゆっくりと男達の方へと近づきだした。
夜の巡回って何か起きない事は無いよねって所で終わりです
そういえばこの部隊HG居ないんですが視野確保とかはどうするかは今後のお楽しみという事で