レーザー銃の傭兵とダボールスナイパーな人形   作:ジャック・アヴェンダドール

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前回から数日経った日の事です
SB07地区の市街地警備の任務が2人に出されました。
特に初めて行くピリアにとっては新鮮な事なようで……?



Intermission1 SB07地区
市街地哨戒任務


 ピリアと初めて出会って2日後、早速2人に巡回警備の任務が与えられた。

 

「拠点警備よりかはマシか……」

「そう言う経験あるんだ?」

「一応な。暇すぎて寝そうだったがな」

 

 ジョセフとて傭兵だ。何も直接戦闘を行う仕事ばかり請け負っていた訳では無い。ある程度の警備は経験があった。しかし、どれも零細からの依頼という事もあり、報酬面でもあまり良い物では無かった。

 

 雑談をしながらも銃の点検を行う、ジョセフはエネルギーマガジンの容量を確認してF2000に取り付ける。そしてサイドアームにM1911を持ち出して、マガジンの弾を確認した後、装填してホルダーにしまう。後は予備マガジンをそれぞれ3個づつ取り出して、タクティカルベストにしまっていく。

 ピリアはプラスチックマガジンを取り出して、マガジンチェックを行った後にTAR-21に取り付ける。サブアームはHS2000ことXDを持ち出す。

 実はピリアは今、サブアームをどれにするか決めかねて居た。近距離用の装備が特に必須とされている狙撃戦人形、だが重い物を持ったとして邪魔になると本末転倒。その為、どの銃にするか射撃訓練等で決めている最中であった。

 

「こっちは準備OKだよ」

「んじゃ、街に出ますかね」

 

 準備を整えた2人は街に繰り出した。

 

「巡回のついでに、街の案内をして欲しいんだけどいい?」

「あぁ構わないぞ」

 

 ジョセフは巡回ルートを回りながら街を案内していく。今回のルートは主に大通り沿いと商業区だ。ただ商業区とは言ったものの、商売が出来る所は限られており、閉まっている店も結構ある。

 

「結構閉まってる店が多いね……」

「こんな時代なんだ。皆、自分の身だけで精一杯なんだよ」

「そういうジョセフはどうなの?」

「それなりってとこだな。一番稼げる仕事ではあるからな」

 

 実際の所、ジョセフの稼ぎは個人傭兵としてはやや多い所だ。不定期に銃のカスタムショップを開くなどの細々とした商売もやっている為、顧客もそれなりにいるなど安定した収入があるにはある。

 

 ふと、ピリアは開いている店のショーケースを覗き込んでみる。中には加工食品のサンプルが置かれており、値段も書かれていたが、その価格がそれなりに高くついていた。

 

「品揃えとか見てると結構高級な物もあるんだね」

「ここらの店は殆どがSB07の住人が相手じゃない。グリフィンの探索隊とかの戦術人形をターゲットにしてるのが大半だ」

「どうして?」

「簡単だ。探索隊は給料や物々交換なんかで結構金を持っている。それだけ金を落とす余裕がある訳だ」

「へぇ、じゃあ地元民向けのは無いんだ」

「そういうのは商業区じゃなく居住区の方だな」

 

 ピリアの質問に答えていくジョセフ。SB07地区の街を細かく見ていくのが初めてな彼女にとって新鮮な出来事の連続で、興味が次々と湧いていく。そうやっていると、表通りから外れて裏路地の方に入っていく。

 

「そういえば、ここの通りに変な店を開いている爺さんが居るんだっけか」

「?」

「古い通貨しか取り扱わないとこでな。物はかなり珍しいが殆どが買えない代物だとか」

「それって本当に商売してるの?」

「さぁな。少なくとも普通の人間向けじゃ無いのは確かだろ」

 

 話をしていると、前方の方がやけに騒がしいのに気付く。耳を澄ましてみると、男の怒鳴り声が聞こえてきた。

 

「おい!さっさと金を出さねけと殺すぞ!」

「こんなクソみたいな紙じゃなくて金を出せ!」

 

「強盗か。通報は頼んだ」

「了解」

 

 内容的に強盗だと判断した2人は、武器を構える。ジョセフはF2000を、ピリアはXDを取り出して急ぐ。その間にピリアはグリフィンの司令部に通信を入れていく。怒鳴り声がハッキリと聞こえてくる所まで来ると、ジョセフが中を確認しようとするが、中はカーテンで閉められている為確認出来ない。裏口は道の構造上存在しないので、必然的に入り口が1箇所しか無い。

 

「ジョセフ、増援は20分後に来るよ」

「了解、それまで待てる状況じゃなさそうだがな」

 

 怒鳴り声がハッキリと聞こえる。かなり苛ついているようで、いつ誰かが殺されるか分からない状況のようだ。だが闇雲に突入したとしても人質に取られると身動きが取れなくなる。ふとジョセフはある事を思いついた。

 

「ピリア、サーマルビジョンみたいなのは持ってるか?」

「いや、持ってないよ」

「なら俺が先に入る。ピリアは外で向こうから見えない場所で待機、合図が聞こえたら静かに開けて狙撃しろ」

「合図って?」

「そうだな……」

 

 合図となる言葉を伝えたジョセフは、扉の前に立つ。一息呼吸を入れた直後、勢い良く開け放ち突入する。

 中に入ると、男3人が老人に銃を向けながら囲んでいた。いずれも覆面で顔が分からないが、碌でも無い顔だろうと予想した。店の奥の方へと移動して入り口を強盗達の視界から外しながら、銃を強盗に突きつける。

 

「警備隊だ!大人しく銃を下ろせ!」

「ちっ!そこを動くな!こいつがどうなっても良いのか⁉︎」

 

 1人が老人の頭に銃を構える、残りの2人はジョセフに向けている。それでもジョセフは銃を下ろさずに構えたままだ。

 

「その手をどけろ!さもないとお前の[頭を吹っ飛ばす]ぞ!」

「おい!状況がわかっているのか⁉︎あぁ⁉︎」

 

 激昂した状態の強盗は次の瞬間、一発の銃弾によって静かに倒れた。動揺した残りの2人もジョセフのレーザーによって撃ち抜かれた。

 

「ぐぁぁぁ!いてぇよぉ⁉︎」

「ぐぅぅ!ぅあぁ!」

 

 致命傷を避けた為、痛みに苦しむ強盗2人を横目に見ながら入ってきたピリアの方に顔を向ける。

 

「ふぅ、初の実戦がこれなんて……人形じゃ異例だよ。多分だけど」

「上手くいったから良いだろ?」

「まぁねー。だけどアレが合言葉なんて誰も思わないよ」

「[頭を吹っ飛ばす]って側からしたら、ただの脅し文句だもんな」

 

 この間にも生き残った強盗達の身体を手錠で拘束して、頭を撃ち抜いた強盗はとりあえず血が床に広がらないように、袋を頭から被らせた。それらが終わった後、ジョセフは店主であろう老人の状態を確認する為に話しかけた。

 

「大丈夫か?」

「わしは問題ないぞ。じゃがどうやって来た?それにその銃…」

「哨戒任務で通りかかっただけだ。この銃は貰いもんだ」

「どこで貰った?」

「そいつは言えねぇな」

 

 やけに食いついてくるなと思いながら、老人の様子を見ているジョセフは、自分の持つ銃に強い興味を持っているようだと思った。だが、鹵獲した鉄血のハイエンドが作った物だと言うと、混乱を招く為言える訳がなかった。

 

「その系列の銃を作れるのは、今の時代じゃわしぐらいだ」

「……どういう事だ」

 

 だが思いがけない発言が飛び出して来た。アーキテクトが作った物が、この男にしか作れない? その真意を聞く為に、より詳しい事を聞き始める事にした。




ようやく次の話が出来ました。
最初はいきなり激戦区行きにしようかと思いましたが、一度哨戒任務を挟む事にしました。

SB07地区の細かい構想はまだ組んで無いんですが、それなりに規模のある街という雰囲気です

次回はジョセフのレーザー銃についてのお話になります
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