前々から何か書いてみたいとは思っていたので、どうなるのやか楽しみです!
皆様温かい目で見ていってください。
後悔
「御剣《みつるぎ》先輩!」
立ち尽くす少年の後ろから、重厚な金属音を鳴らしながら一体の仮面の戦士が駆け寄った。
「新沢《にいざわ》先輩は…?」
戦士が聞くと、少年は頭を振り、俯きながら答える。
「殺した。あいつは、家族を守るために、俺と殺し合ってたんだ。」
そう言って少年は今まで握ったままだった左手から、あるものをとりだした。
「なあハジメ…。」
その手にあるのは一本の純白の羽。少年の愛した少女のトレードマークとも言えるそれを、空にかざす。
「殺すのって、守るよりもずっと簡単なんだな。」
その目には、後悔の色があり有りと浮かんでいた。
「じゃあな。美春《みはる》」
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「…」
少年、南雲ハジメはベッドから起き上がり、自分の手を見つめる。その手は赤く濡れ、ひどく薄汚れていた。
「この手は、何か掴めたんでしょうか。」
-剛《ごう》先輩-
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ハジメの朝は早い。朝5時半に起床し、軽い朝食と弁当の用意をする。今日は主食がパンなので、オムレツと野菜のスープだ。両親は…放っておけば起きるか。と少々雑な対応をする。
その後スポーツウェアに着替えると軽く準備運動をし、日課のランニングを始める。しかし、その速度は常人どころかスポーツ選手のそれを遥かに超える化け物じみたもので、100m8秒を切っているだろう。
そんな自分の体を見て、相変わらず人間離れしたものだと軽く自嘲するハジメ。5分ほどで目的の公園にたどり着く。見慣れた誰もいない静かな空気には、足音がやけに響いているように感じた。
5分、いや10分ほど立っただろうか。しばらく動きを見せないハジメだったが、突然その場に拳を突き出す。次いで回し蹴り、肘鉄砲、裏拳、風を切る鋭い音があたりに響き渡る。
時には流れるように、時には力強く放たれる攻撃の型は、まるで一つの芸術のようにも見えた。
ラストに一層気合のこもった正拳突きを短い気合とともに放つと拳を収め、先程から背後に感じていた気配に振り向いた。
「おはよ。ハジメ」
そこには、肩までありそうな白みがかった髪をサイドテールでまとめた活発な雰囲気の少女が、こちらもスポーツウェアに身を包み、両手にタオルと飲み物を持って立っていた。
「やあ。莢さん。毎朝ありがとう」
彼女は神薙 莢《かんなぎ さや》。ハジメの大切な仲間であり、同時に恋人だ。
おそらく彼女がいなければ今の自分は成り立っていないのだろう。そんなことを考えながら、ハジメはタオルと飲み物を受け取り、ベンチに腰掛けた。
「……君は何をしてるんだ?」
暗い気持ちを悟られないよう、いつも通りを演じていたハジメだったが、突然上が暗くなり、顔を上げると、目と鼻の先、それこそキスすらできてしまうような距離に、恋人の顔があった。
「んー、ハジメ、また一人で悩んでる。」
相変わらず鋭い。女というのは皆こういうものなのだろうか。ハジメは苦笑いをしながらごまかそうとするが、彼女の心配そうな顔に折れ、「座れ」と自分の隣を軽く突いた。
「またあのときの夢を見たんだ。先輩が泣いている夢。」
ハジメは部分の手を見つめ、そこに赤い血を幻視した。拭こうが洗おうが落ちないそれは、まるで自分の罪を体現しているように見えた。
すると、赤く染まった手に、もう一対の手が重ねられた。慌てて手を引っ込めるが、その手には赤い血がべっとりとついてしまっていた。息を呑むハジメ。それとは対象的に、彼女は暗い表情になる。
「私にははじめの見てる世界が見れない。一緒に背負ってあげられない。」
彼女は悔しそうに言う。
彼女には、その手についている赤い血が見えない。ハジメの感じている罪を共感できない。それが、とても悔しかったのだ。
「でもさ。少なくとも私はハジメに救われた。命をかけて守ってくれた。それは紛れもない真実でしょ?」
そう言って笑う彼女に、ハジメもまた救われる。
両手の血は、きれいに消えていった。
ハジメは彼女の手を握り、今一度誓った。彼女は、彼女だけは、何があろうとも守り抜くと。
「ねえ莢さん。」
「何?」
「俺は必ず君を守ってみせる。この命を懸けても。」
「フフッ♪ありがと。頼りにしてるから。」
二人の笑い声が、オレンジ色の空に消えていった。
まずはこんなもんですかね。
ハジメくんがほぼオリキャラと化しております。
次いでに恋人も登場です。
また次回作は書け次第投稿しようと思ってるのでまたよろしくお願いしまーす