仮面ライダーオロチ   作:御剣龍也

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今回もクラスメイトサイドです。
ちょっと短いですがあしからず。
ではいってみましょう!


皇帝

現在、光輝達、迷宮攻略に赴いたメンバーと王国の重鎮達、そしてイシュタル率いる司祭数人が謁見の間に勢揃いしており、目の前のレッドカーペットの中央には、帝国の使者が五人ほど立ったままエリヒド陛下と向かい合っていた。

 

「使者殿、よく参られた。勇者方の至上の武勇、存分に確かめられるがよかろう」

「陛下、この度は急な訪問の願い、聞き入れて下さり誠に感謝いたします。して、どなたが勇者様なのでしょう?」

「うむ、まずは紹介させて頂こうか。光輝殿、前へ出てくれるか?」

「はい」

 

名前を呼ばれた光輝一歩が前に出る。彼は瞬時に5人を観察し、誰にもわからないように笑ってしまった。

 

(なるほどな。話に聞いてた通りの皇帝サマだ。)

 

すると、その中の一人が、光輝のことを舐め回すように体の隅々を観察し始める。その行為はお世辞にも礼儀がいいとは言えない。

 

「ほぅ…。貴方が勇者様ですか。随分とお若いですな。失礼ですが、本当に六十五層を突破したので? 確か、あそこにはベヒモスという化物が出ると記憶しておりますが……」

 

疑いの目を持つ使者に、光輝は腰に挿してある聖剣と、騎士団も愛用しているロングソードの二本の剣のうち、ただのロングソードを引き抜いて答える。

 

「まどろっこしいのは無しです。疑われるのならばあなた自身が確かめられれば良いでしょう。」

 

イシュタルをちらりと伺う光輝。イシュタルは勇者を認めさせるチャンスだと思ったのか快く許可を出す。

 

「構わんよ。光輝殿、その実力、存分に示されよ」

 

どうだ?と、使者を見返す光輝。使者は光輝の行動に、あっけにとられていたが、直に面白いおもちゃでも見つけた様に笑った。

 

「フフフ…ハッハッハ!決まりですな、では場所の用意をお願いします。」

 

勇者と帝国の使者の護衛の戦いが決定した

 

相手の護衛は、見た目は平凡で、特に目立った特徴の無い人物で強そうには見えない。だが、刃引きした大型の剣をだらんと無造作に持っているのだ。

 

ぱっと見た感じはあまり強そうには見えない。しかし、相対する光輝の額にはたらりと一筋の汗がつたった。

 

(…尋常じゃない程に濃密な覇気だ。気を抜けば本当に殺される…。)

 

光輝はロングソードを中段に構え、土の地面をしっかり踏みしめた。

 

「……」

「……ッ!」

 

練り上げた剣気が最大に達した瞬間、護衛よりも一瞬早く飛び出す。

 

ギィ…ッ!

不快な金属音を立てながら二人の剣が交差する。使者のカウンターを光輝が防いだ形だ。

 

「ほう…。思ったよりもやるじゃないか!」

「お褒めに預かり光栄ですよッ!」

 

ニヤリと笑う護衛を、汗を吹き出しながらも不敵に笑い返しててみせる

 

「でぇやッ!」

「ハアッ!」

 

二人がそれぞれの剣を振り払うことで距離を取る。そして互いに獲物を構え直すがしかし、護衛は少しばかり面白くなさそうに顔を顰める。

 

「おい勇者。お前、なめてるのか?」

「いえ…。ただ、模擬戦で振るうにはこの力は余りに強すぎます。」

「そういうのをなめてるっていうんだよ。なら、俺も本気でヤりにかかる。それでおあいこだ。」

「そうですか…。なら……。」

 

護衛の言葉に、いつかのベヒモス戦で見た構えを取る光輝。その瞳には、今までのものとは一線を超える殺気がこもっている。

 

「お言葉に甘えまして。この天之河光輝、本気でお相手させて頂きます。」

 

次の瞬間、

 

「ッ!」

 

光輝の姿が消えた。

 

先程よりも数段大きな金属音が鳴り響き、護衛の背後に光輝の姿が現れた。

 

「テメェ…。」

「まだ行きますよ…。」

 

凄まじい剣戟の応酬が始まる。クラスメイトたちはおろか、騎士団や他の使者達もその剣筋を追うことができない。

 

黒い風が火花を散らし、数秒の間に何十という凄まじい回数の技と力とがぶつかり合う。

 

地面が徐々に捲れ上がる程の凄まじい力の死合。永遠に続くかと思われたそれは、唐突な終わりを迎える。

 

「おおおお!!」

「オラァァア!!」

 

ビシィッ

 

「なにっ?!」

 

なんと、光輝の技と、連続でかかる多大な負荷に剣が耐えきれず、刀身が粉々に砕けてしまったのだ。いきなりの自体に一瞬気がそれる光輝。それを護衛は見逃さない。

 

「貰ったぁ!!」

 

しかし、護衛の剣は振り下ろさせることなく、二人の間の間にそそり立っていた光の障壁に阻まれた。

 

「それくらいにしましょうか。これ以上は、模擬戦ではなく殺し合いになってしまいますのでな。・・・ガハルド殿もお戯れが過ぎますぞ?」

 

「・・・チッ、バレていたか。相変わらず食えない爺さんだ」

 

護衛は舌打ちをしながら耳に付けていたイヤリングを外す。するとどうだろうか。霧がかった様に姿がボヤけ始め晴れる頃には別人が立っているではないか。

 

「ガ、ガハルド殿!?」

「皇帝陛下!?」

 

そう。彼こそがヘルシャー帝国の皇帝「ガハルド·ヘルシャー」である。

 

「どういうおつもりですかな、ガハルド殿」

 

「これは、これはエリヒド殿。ろくな挨拶もせず済まなかった。ただな、どうせなら自分で確認した方が早いだろうと一芝居打たせてもらったのよ。今後の戦争に関わる重要なことだ。無礼は許して頂きたい」

 

口ではそう言っているが、全く反省などしていないことは丸わかりだ。光輝はそれを見て、自分の予想が正しかったことを理解し、ため息をついた。

 

この皇帝。かなりフットワークが軽いらしく、正しく神出鬼没なのだ。この程度のサプライズは日常茶飯事なことらしい。

 

「おい勇者。…コウキとか言ったか。」

「なんでしょうか皇帝陛下。」

「お前、ここに来てどれだけ立つ?」

「…半年程度かと。」

 

光輝のその答えに、ガハルドは少し考える素振りを見せ、しかし直にニヤッと笑う。

 

「剣を握って半年でこれか。下地があるとはいえ大したもんだ。まあ、来たかいはあったわけだな。」

 

負けたはずの自分にやけに高い評価をするガハルドに、光輝は怪訝な表情をする。

 

「皇帝陛下。私はあなた様との模擬戦に敗北したのですが…?」

「いや、何十年とかけて積み上げてきた俺の剣と現段階で互角にやりあったんだ。手加減はしていたが、それはそれで成長が楽しみだ。またやろうぜコウキ。」

 

ガハルドは、光輝に激励の言葉を送ると、さっさと訓練場から出ていってしまった。

 

「……強く…ならなきゃな…。」

 

その大きな背中を見つめながら拳を握りしめ、光輝はいま一度決意を新たにしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後に予定されていた晩餐で帝国からも勇者を認めるとの言質が取れ、訪問の目的は達成された

 

晩餐も終わり、自分の部屋に入ったガハルドは、突然力が抜けたように、その場に崩れ落ちた。額にはおびただしい量の冷や汗をかき、表情が大きく歪んでいる。

 

「グッゥゥウ…!」

 

その手は自身の胸のあたりを抑えている。衣服のせいで見えていないが、布を一枚越えた其の場所には、大きなあざができていた。

 

「クックック…。あの野郎…、やるじゃねえか…。」

 

模擬戦の最後に剣が折れたあの瞬間、光輝は咄嗟に隠し持っていた魔法陣から風の初級魔法を、剣を振り上げることで一瞬がら空きになったガハルドの胸に向けて打ち込んでいたのだ。

 

ガハルドのもつ強靭さと、精神力の強さで、気絶することこそはしなかったが、ここに来るまでの間ずっとジクジクとこの傷は痛み続けていた。

 

「ふっ…ふふ。次に剣を合わせるのが楽しみだぜ…。ゲホッ。ふふ…。」

 

その口元は、これ以上ないほどに釣り上がり、その瞳は、奥に獲物を宿し輝いた。

 

 

次の日、持ち前のタフネスさですっかり元通りになったガハルドが、自分の気に入った女性を口説いてみたり、礼一たちを帝国に引き抜こうとしてみたりと、少々ハプニングもあったものの、大きなトラブルはなく、皇帝の王国訪問は無事、終了したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ところ変わってオルクス迷宮最深層、開放者の住居にて

 

 

「さーて、そろそろ行こうか。」

 

「ようやく外かぁ…。」

 

「ん。ハジメと姉さまにどこまでもついてく。」

 

『シャ〜♪』

 

3つの人影と、機械じかけの蛇が大きな魔法陣の上で並び、たった今、光の門の中にとびこもうとしていた。




今回はここまでです。
普通に強い光輝は如何でしたでしょうか。まだまだ強くなりますのでお楽しみに。

感想ご意見お待ちしております。




ちなみにですが、今のところアンケートの途中経過は、イクサ形式が、唯一20票を超えています。

光輝を仮面ライダーにするならどの形式がいい?

  • ファイズ形式(ベルトをとられるかも。)
  • イクサ形式(体に強い負荷がかかる。)
  • G3形式(他のものよりちょっと弱い。)
  • アマゾンズ形式(人じゃなくなる。)
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