第13話
あの敵襲から数日が経過した。無事に治療を終えた俺は、あれから対空を含む訓練にいそしんでいる。そして、この日の朝、非番の俺は訓練場で対空訓練を行っていた。
「チィッ!」
上から襲ってくる演習用の艦載機の銃撃や爆撃を避けつつ、なんとか反撃するが碌に当てる事ができない。
「ほらほら、艦載機の動きにちゃんと見なさい。そんなんじゃ今度は吹っ飛ぶわよ」
そう言ってくるのは演習用艦載機を発艦させている飛鷹だ。だが、俺はそれに反応する余裕はない。くそ、あの実戦の時は明石が相当頑張ってくれてたんだな。
「しまっ!」
不意に、艦載機の内の一機が急降下してくる。俺はそれを機銃で撃ち落としたが、その後ろから飛んできた複数の艦載機から落とされた爆弾によって、俺は吹っ飛ばされた。
「もう、だから吹っ飛ばされるって言ったじゃない」
艦載機を収納した飛鷹が呆れながら俺に近づいてきた。
「仕方ないだろ。戦車が対空攻撃する事自体が想定外なんだから……痛てて……」
なんとか体を起こそうとするが、吹っ飛んだ衝撃のせいか、体がうまく動かない。見かねたのか、飛鷹は一つ溜息をつくと、俺の腕を掴んで引き起こした。
「まったく、私の服が汚れちゃうじゃない。次はもっとしっかりしなさいよ」
「……善処する」
汚れるなら別に俺を引き起こさなくていいんだが、そう言ったらなんか余計に怒りそうな気もするから黙っておこう。
「もうこんな時間だし、今日はこの辺にしましょう。ほら、明石に行くんでしょう? 行くわよ」
「あ、ああ」
先を行く飛鷹の後を慌てて追って、俺たちは工房に行く。そして中に入ると、ちょうど明石が工房の出入り口の傍で水を飲んでいる姿があった。
「あ、飛鷹さん、チヌさん。訓練終わったんですか?」
俺達に気づき、明石が声をかけてきた。
「ああ、ズタボロに吹っ飛ばされたけどな……機銃の砲身が曲がったから修理頼みたいんだが」
「はいはい。承りますよ。妖精さん、修繕台まで持って行ってくださーい」
明石が工房の中に向かって言うと、小人達が中からわらわらと出てくると、俺から機銃を受け取って、工房の中に持って行き、変わりの機銃を持ってきたのでそれを受け取る。
「さて……と。じゃぁ、俺は着替えてくるか……流石にここまで泥と砂まみれじゃなぁ……」
「そんな恰好で食堂に行ったら追い出されるわよ。私はこの後に出撃があるから、先に食べちゃうわ」
「わかった」
受け取った機銃を装着しつつ、俺は飛鷹と別れて自分の家へ向かった。