朝野提督が来た翌日、鎮守府内の全艦娘が会議室に召集された。普段は出撃する艦娘ぐらいしかこないためか、狭く感じるな。まぁ、援軍の艦娘達も居るし当然か。
「諸君、今回の作戦について説明する」
スクリーンの前に立つ提督がそう言って説明を始めた。スクリーンに映ってるのはこの鎮守府の比較的近海にあるいくつかの離島のようだ。作戦の内容はまぁ、この離島に臨時拠点を築き、そこを拠点として敵の殲滅を行う。というものだ。
「作戦内容は以上だ。また、今回の作戦では朝野提督の艦隊も参加してもらう。皆、頼むぞ」
「朝野だ。これまで顔を合わせた者も多いし固い挨拶は抜きにさせてもらう。皆、私の艦隊共々よろしく頼む」
そう言って朝野提督が敬礼すると、艦娘達も敬礼する。こういうのを見ていると、普段は緩くてもやはり軍隊なのだと認識できる。普段本当に緩いんだよなぁ。
まぁ、そういった作戦会議も終わり、俺達は作戦に取り掛かった。と言っても流石に今回は俺が直接する機会はなく、鎮守府で明石の手伝いをしつつ、防衛組と一緒に鎮守府を防衛するという形になった。鎮守府防衛に回ったのは黒潮、明石、川内、香取、そして、朝野提督の連れてきたあきつ丸と金剛だ。戦艦である金剛を防衛組に回すというのは戦力的に惜しい気がするが、まぁ提督たちには何か考えがあるんだろう。
作戦会議が終わった後、鎮守府は一気に動きを見せた。普段遠征に行っている艦娘達も編入して目的地の敵を撃退するために艦隊を編成して出撃し、同時に資材を背負った艦隊が目的地付近の離島に簡易の補給基地を設置していく。
その間、俺が何をしていたかといえば、普段とさしたる変わりはない。まぁ、これだけの規模の作戦に俺を投入したところで役には立たないんだから当然だ。そういうわけで、俺は今日は明石と共に工廠で作業をしていた。
「妖精さーん、次の補充用の資材は向こうに置いといてくださーい。チヌさんは向こうに装備持って行ってください」
明石の指示の元、俺は妖精達に混じって作業を進める。そろそろ、専門的な資格でも習得しようかな。そんなことを考えていると、工廠に誰かが入ってきた。
「すみません、チヌ殿はここにおられますか?」
声のした方を向くと、そこにはあきつ丸の姿があった。
「これはあきつ丸殿。どうかされたのですか?」
俺が近づくと、あきつ丸殿が少し表情を崩した。
「チヌ殿、今お時間は宜しいでしょうか? 同じ陸軍同士、少しお話したいと思ったのですが」
交流を深めたいという事か。
「明石、少し離れても大丈夫か?」
「あ、大丈夫ですよー。今日の予定なら後は私と妖精さん達でこなせるんで、ゆっくりしてきてください」
明石の言葉に妖精達も頷いて、俺に手を振ってくる。多分お疲れ様的な意味なんだろう。こうして、俺はあきつ丸と共に工廠を後にした。