召喚の手違いは世界最強   作:ぬくぬく布団

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ちょっと短めだけどどうぞ
残り数話で完結しそうな感じですねぇ


息抜きは必要です

~地球side~

 

現在、日本では大混乱に陥っていた。いや、汚点が酷すぎて各国からの圧が色々とヤバイ

その理由は、美羅が生中継した異世界の出来事が発端だ。最初は掲示板の者にだけフレンドになれたその生中継を、ただただ人気者になりたいが為だけにミラー放送したのが騒ぎを大きくした原因だ。しかも、大手動画配信サイトにR-18のそれを乗せたとなれば垢BAN確定で、その人物は警察に捕まり美羅達を拉致したメンバーだとして取り上げられてお先真っ暗となった。それだけでなく、その映像は日本のトップ達が集まる場所で大画面で放送されて、それが汚職役人に海外へと流出させられたからだ

そうなればもう大変の一言だ。異世界と言う新たな場所=天然資源が豊富に眠っている夢の世界+魔法という科学とは違う力。世界中大はしゃぎかつ、日本の教育はどうなっているのかと言われる始末だ。勇者と名乗る顔だけイケメンは色々と有名だったが、その世界の女性を拉致して犯すという蛮行を正義だと言っている事が狂っているとされた

一方、その自称勇者に相対するは一人のパッとしない地味な男子。調書では虐められていたと書かれており、誰もがあの男子生徒は敗けると思っていた。だが、結果は勝った。これには世界中の者達がハジメに賞賛を送り、天之河には処刑をと望んだ

情報は世界中に配信され、さぁ今か今かと待っていると美羅のアカウントがBANされた事で配信は消えた。目先の情報が消えた―――ならば、標的は日本。各国は日本に圧力をかけて異世界で戦い勝利した南雲ハジメとその関係者に接触を試みた。問答無用で拉致をしろと命令した

結果、スパイは誰一人帰って来なかった。それどころか拉致をしようとした国に謎の生物の襲撃が起きたと発表された。住民の一人が避難し遅れた時に撮れた映像は生放送されており、巨大な竜に食べられて死んだという情報だけがもたらされた。各国を襲っているのはどれもこれも巨大な竜で、ミサイルが直撃しても死なないという頑丈過ぎる最悪なものだった。軍施設を最優先で襲われ、最新鋭の兵器だろうと全く通用しなかった。そんな中、各国を襲っている竜が唯一襲わなかったのはハジメ達に関心も何もない国だった

天災の三日と命名されたそれは、日本が流した情報―――南雲夫妻やその関係者に手を出したら大変な事になるよ?という美羅の言葉を無視した上層部が全員死ぬ事で竜の攻撃が止んだ。一体何がどうしてこうなったのかは言うまでもなかった。尚、この時は日本も襲撃に遭っていた。だが、食い殺されたのは南雲夫妻の情報を他国に売った愚かな役員であり、そのご家族もぱっくり逝かれて土地を国に取り上げられたという結果となった

こうして、一新した各国のトップ達はリモート会議で南雲夫妻は勿論の事、ハジメ達が異世界から帰ってきたらやんわりと説得してみる程度に抑えようとの事だ。しかし、馬鹿が現れたらその関係者は吊るし上げて処刑と言う流れまで出来たのは怖い話だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~美羅side~

 

あぁ、なんか未来で忠告無視しそうな輩が出そうな気がする。色んな子達に情報を送っておこう♪

 

近い未来南雲夫妻が何かしら危険な目に遭う可能性があると感じた美羅は、地球に待機させた賢い竜達に連絡を入れていた。その中には龍もいたので、どれだけ被害が出るかは容易に想像がつくだろう

話は戻り、捕らわれていた全ての女性を救出し終えたハジメ達は、異形となっていた元クラスメイト達を一か所に集めて閉じ込めていた。犯された方の女子は、一応体を拭いて離しているから一応は大丈夫な筈だ

 

「疲れた・・・もう、色々と疲れたよ」

 

「美羅御姉様、あれらの触手ですがどうしたらいいのでしょう」

 

「あ、放置で良いわよ」

 

「どうせあいつが徴収するんだろ?だったら消えて無くなるからほっといても問題はねぇよ」

 

体験談なのか、美羅と雌煌は放置していて大丈夫との事なので放置しておくことにした。魔人族に保護された王国の男性達もこちらに帰って来たが、冒険者の仲間であろう者達だけしか来なかった事から王国に居た男性達の死体は妻を護ろうとして殺されたのだろう

 

「まぁ今は戦後処理で大変だと思いますが頑張って下さい」

 

「予想以上に酷い有様ですね。これは占領する価値がない程荒れ果てていますが、魔人族が広く自由に生きれる為には援助をしましょう。代わりとしてしばらくの間は私がここで長を務めます」

 

今の王国に皆を纏める事が出来る権力者は居ない。いや、居るには居るのだがまだまだ子供なので除外しているだけだ。これが王妃や女王が回復したら復権出来るかもしれないがそれも恐らく厳しい

 

「さぁ~て、生配信する事が出来なくなったから録画しよっと♪」

 

美羅は再びスマホで録画する。その内容は、異形となっていた元クラスメイト達を対象にしたものだ

今現在、異形となっていた男子達は仲間を犯された冒険者や子供達から罵詈雑言の嵐を受けている。いや、もう既に手を出している者も居るので死ぬ者も出そうなので一旦割り込んで止める

 

「おらおらお前等、気持ちは分かるが殺すのは駄目だぜ?」

 

「どうしてだよ!あいつ等はかあちゃんを攫ったんだぞ!」

 

「ここに居る皆あいつ等を殺したい程憎んでいるだ!俺達が殺したって―――」

 

「いやぁ~、君達が殺すのは駄目だぞ☆」

 

少女の声が響いた瞬間、この場に居る殆どの者が凍える底なし沼に沈み込んだかと錯覚した。皆が声が聞こえた方に振り向くと、少女がクスクスと笑いながら近づいており、手にはリードを持ち犬になりきった人を従えていた。あまりにも異様な光景に皆が声を出せない中、美羅と雌煌は溜息を吐いて事後処理をしろと命令する

 

「やっと来たわね。クーリングオフしたいから引き取りなさいよ」

 

「どうせ魂ごとだろ?とっととやって身体も有効活用してろよ」

 

「あ~ん、二人共辛辣ぅ~。当たり前だけどね♪私の事を知らない人も多いと思うから自己紹介タ~イム!いあ! いあ!で有名なクトゥルフちゃんで~す。よろしくだぞ☆」

 

クトゥルフを初めて見る者達は、「クトゥルフ?」と聞いた事がない単語に首を傾げていた

 

「エヒトちゃ~ん、ワンちゃんから人になって私について説明するんだぞ☆」

 

クトゥルフの言葉を聞いた彼等は、犬の真似事をしている人が人族の創造神のエヒトだと直ぐには理解出来なかったが、普通の人とは違う雰囲気を纏っているのでもしかしたらと思っていた

 

「ヒィッ!?く、クトゥルフ様はエヒトよりも神格の高い神でございます!」

 

「ありがと~♪もうワンちゃんに戻って良いよ~♪」

 

「クゥンクゥン!」

 

何だこれは―――皆が思った事はこれだけだった。自分達が信仰していたエヒトはこんな存在だったのか?と今までの信仰は何だったのかと思っていた

 

「か、神よ!勇者の俺にもう一度力をっ!」

 

天之河の声を聞いた皆は、彼等の力の源がこの少女の物だと分かり一斉に距離を取った。中には無謀にも殴り掛かろうとしていた子供が居たが、冒険者の男性に抑えられた。命が助かったと言っても良いだろう

 

「ん~?どうして貸さないといけないの?」

 

「俺は悪である南雲を倒す使命があるんだ!」

 

「えぇ~、私言ったよね?君達に与えた力は前貸し―――将来性の力を引き出してあげただけ。これ以上の力は無いのだ☆この世界に来てから力が沸いている?それは改造されたからそう感じているだけなんだぞ☆君達が戦える様にエヒトちゃんが弄っただけなんだよん♪」

 

クトゥルフのこの言葉を聞いた元クラスメイト達は呆然としていた。自分達の身体が知らない内に改造されており、それが自分の力だと思い込んでいたという事だ。そして、クトゥルフが与えた力とは成長した時のステータス差分を上乗せして人間のリミッターを解除させていただけなのだ

 

「もし、エヒトちゃんがお気に入りに手を出していたら死んでいたんだけど、これは運がよかったね♪ミラちゃんが本気出しちゃうと私は勿論外宇宙の神も破壊されちゃうからね☆いやぁ~、あの時は痛かったな~」

 

「こっちに手を出す奴は基本的に追い払うだけど、破壊と混沌をもたらす奴を生かす理由はないわ」

 

「シコウちゃんに燃やされた感覚、熱くて熱くて体が蕩けちゃいそう♪」

 

「言葉遊びなんてしてんじゃねえ!とっとと処理しろや!」

 

「しょうがにゃいなぁ~。さて、私が力を与えたのにもかかわらず敗けちゃった負け犬ちゃん達には罰が必要だよね~。と、いう訳で魂は輪廻から外れて私が興味がなくなるまで遊ぶから壊れないでね~☆身体は改造して兵士にしようかな?苗床にしようかな♪」

 

クトゥルフの言葉を理解した異形となっていた元クラスメイト達は騒ぎ出すが、クトゥルフが彼等の前に掌を突き出して握る動作をした瞬間、彼等は糸が切れた人形の様に地面に倒れ伏した

 

「わ~い☆玩具がこんなにも手に入ったよ!ミラちゃんも遊ぶ?」

 

「そんな価値のない奴等で遊ぶわけないじゃない」

 

「だよね~♪肉も貰っていくよ~☆」

 

クトゥルフが指パッチンしただけで虚空から触手が生えて異形となっていた元クラスメイト達の身体を回収して、クトゥルフもその虚空の先へと消えて行った

凍えた空気が元に戻り、殆どの者達が地面に座り込んだ。桁違いの底なしの強さと、今生きている事が奇跡の様だと涙を流す者も居た

 

「こりゃあしばらく回復しねぇな」

 

「私達はフェアベルゲンに戻るから事後処理全部任せたわよ~」

 

「その・・・頑張って下さい」

 

「・・・えぇ、頑張りますよ」

 

アルヴはどことなく黄昏ていたが、自分に喝を入れて王国の根底から全てを作り変える為に動き出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ハジメside~

 

王国の騒動が終息して一ヶ月後―――

ハジメは地球に帰る為のアーティファクトの製作をしていたのだが、予想を遥かに超えて難航していた。それはというと、美羅のヒントから得たアーティファクトの細かな設計と能力の付与が思う様に出来なかったのだ

小さなパーツに効果を付与する事が出来ても、素材が耐えきれなくて自壊したり、力が発動しなかったりと様々だ。正直言うと、スランプに陥っていると言った方が正しい

 

「・・・これも駄目だったか。んがぁあああああーーーーー!どうやったらいいんだよ!?」

 

両手で頭をガシガシと掻いて苛立つ姿は、成果の出ない研究者の反応とそっくりだ。工房に籠ってからかなりの日数が経っており、ハジメを心配したノイントが料理を作ったりして癒しているがそれも限界が来ていた

 

「ハジメ、一度ゆっくり休みましょう」

 

ノイントはハジメを地面に倒して膝枕をし、魂魄魔法で荒れに荒れた魂を鎮静化させる。ハジメも落ち着いたのか、体を溶かす様にだらけてノイントの膝枕を堪能する

 

あ"ぁ"~、癒される。ノイントの膝枕は最高だ。あ、眠くなってきた

 

ハジメはあっという間に眠ってしまった。それは、ノイントの行使する魂魄魔法の小さな揺さぶりによるものだ

 

(ハジメは見ていないと無茶をしますね。出会った時からそうでしたが、特に今はそれが顕著です。何か手助けする事が出来ればいいのですが・・・)

 

ハジメ自身は気付いていないようだが、どこかしら急いているとノイントは感じ取れた。恐らく、故郷に帰りたいという想いが強くなっているのであろう

 

(美羅御姉様に相談するというよりも一度外出した方が良さそうですね)

 

ノイントはハジメの頭を撫でながら気晴らしの為の外出する計画を立てる

 

(二人だけの時間を作り一緒にお風呂に入りたいです)

 

しばらくの間膝枕をしていると、美羅がドライフルーツを食べながら入って来た。要件はハジメのアーティファクトの進捗状況についてだ

 

「また無茶をしたのね。気持ちに余裕がないといい物も作れないし、期待する効果も出ないわ。あ、これはハジメに内緒よ?自分で気付く事が大切だから」

 

「・・・少しだけでも助言をしたいのですが」

 

「だぁ~め、答えはすぐ近くにあるからそれに気付くかどうかが分岐点ね」

 

「近くにあるのですか?」

 

「運命は出会った瞬間に結ばれる。それが例え不必要な物だとしても、絶対に無駄になるという事はないのよ」

 

美羅は、敢えてノイントにもナゾナゾを教えて退散した。これにより、ノイントも困惑する事となった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・うん?頭に何かが当たってる。あぁ、ノイントに膝枕をしてもらってたんだ。もう少し・・・もう少しだけ

 

ハジメはようやく目覚め、柔らかな感触の正体がノイントの足である事を思い出した。しかし、すぐに起き上がる事はしない。罪悪感を感じつつも、オタクが夢見るリア充の膝枕を堪能するのだった。ノイントもハジメが目覚めている事に気付いているが、膝枕と頭を撫でるのを止めない

 

荒んだ心が浄化されるぅ~。・・・さて、そろそろ起きよう

 

ハジメは転がってノイントの膝から退いて起き上がる

 

「膝枕ありがとう」

 

「いえ、長く眠っていたのでかなり疲れていたのでしょう。この程度ならまたしますよ?」

 

「その時はよろしくお願いします」

 

色々と癒されたハジメは、再度アーティファクト作成をしようとした。しかし、ノイントがそれに待ったをして強引に外へと連れ出した

 

「今のハジメは落ち着きがなく、それではいい結果は生まれません。気晴らしで外に出ましょう?」

 

「・・・そう・・・だね。そうしようか」

 

ノイントがここまで強引に連れ出そうとするという事は、今のハジメ自身の様子がおかしいと言っている様なものだ。ハジメは、これまでの事を振り返りながら偶には休む事も必要だと思いノイントの提案に賛成した

二人は、早速転移門でエリセンへと移動した。四輪で移動を楽しみながらも良いのだが、のんびりと楽しむのならば転移門が一番便利で滞在時間も伸びるというものだ。そして、転移して先ず気づいた事は神殿騎士や教会が取り潰されていたのだ。というよりも、勇者は悪魔に変わってそれを支持する教会そのものがおかしいと気付いた市民達が反乱を起こして潰したらしい

 

「教会が無くなってからどことなく明るくなった?」

 

「それは仕方がない事だと思います。市民を無理矢理徴兵しようとしていた教会にいい感情を持っている人は殆ど居ません」

 

「統一宗教の弊害だね」

 

二人が門番にステータスプレートを見せると、それを確認した彼等は目を見開いて大声で叫んだ

 

「英雄様方がエリセンへ来られたぞ!お出迎えの準備を急げ!!」

 

「「英雄?」」

 

二人は何を言っているのか分からず首を傾げるが、心当たりがなかった。しばらく考えていると、ハジメはようやく思い出した。異形が蔓延る王国を解放したのは誰か―――美羅や雌煌も含まれているが、大元の元凶を倒したのは自身とノイントだ。王国に居た冒険者や市民達がこのエリセンに移動する可能性もあり、そこから話が大きく広がったのだろう

 

「ちょちょちょ!?僕達は静かに観光したいんだ!だから黙っててくれるかな?」

 

「いえ、それでは英雄様方に失礼に当たります!王国に蔓延っていた異形を滅し、浄化し、元凶である者を打ち倒したお二人には最上級のもてなしでも足りませぬ!各国も英雄様方が訪れたら最大級のおもてなしをするつもりでございます」

 

これは来る場所を間違えたのでは!?と思っているとそうではなかった。どこに行っても結果が同じとなると、お忍びで行く事すら不可能だ。入国にはステータスプレートの掲示が必要なので絶対に正体がバレてしまう。ハジメが取った行動とは―――

 

「すいませんが、撤収しますっ!」

 

四輪を出して乗り込んで即座に逃げる選択をした

 

「英雄様ーーーー!?」

 

フルスロットルでエリセンから離れたハジメ達は、海岸線沿いを爆走して人通りがない秘境でのんびり過ごす事にした。最初は釣りをしようかと思っていたのだが、海人族が漁で遠くに出ている可能性を考慮して二人だけの露天風呂を楽しむ事にした

海に面している大峡谷の壁面を活かし、ある程度の高さまでノイントに持ち上げてもらって錬成で大きなドーム状の空洞を作る。その後、鉱石を使って天井部分の補強と柱を作って美羅お手製の魔物除けの匂い袋を吊り下げて形は殆ど完成した。だが、これだけで終わらずにさらに詰め込むのがハジメのオタクの性だ。錬成で綺麗に浴槽の形を作り、床にするタイルを製作する

 

え~っと・・・美羅姉さんからご褒美としてエルトライト鉱石を貰ったんだよね。カブレライト鉱石よりも硬いってホントあっちの世界は化け物の巣窟だね。それと、常に燃え盛る温度を持つ紅蓮石が出番だ。二つの鉱石を多比を変えながら錬成―――。熱が丁度いい位なのは2:8かタイル状にして量産っと

 

ハジメが手早く錬成して床全てにそのタイルを敷き詰めて床部分は完成。浴槽の囲いは角がない様に滑らかに仕上げて怪我をする可能性を限りなく低くする。その後、色んな鉱石をタイル状にして壁に接着していく事で色鮮やかな壁となった

 

「念の為の空気穴も作ったから万全だね」

 

「お湯は私が準備します」

 

「なら、僕は脱衣所を作るよ」

 

役割分担も手早く、自分が出来る事をしてテキパキと進めて全てが完成となった

劇的ビフォー〇フター、ただの崖で地上に魔物が沢山生息し、海に面するライセン大峡谷の壁面の一部を開拓したハジメ。高い所から見下ろす海の景色、見上げても其処に穴が開いている程度しか思われないそれは正に秘湯の地。タイルの一枚一枚に保温性を備え、脱衣所も作られたスペース、心を癒すにはもってこいのシチュエーションであり、混浴である。まぁ、浴槽が一つしかないので当然だ

 

「ふはぁ~、気持ちぃ~。お風呂は毎日入っているけど、秘湯みたいに仕上げたからなのかとても心が落ち着く」

 

「一汗流した後のお風呂は気持ちいいですね」

 

ハジメとノイントは出来上がった秘湯を堪能している。開けた所から見える海はとても綺麗な光景だ。二人で肩を寄せ合いこの静かな時間をゆったりと過ごす。時々水分補給として美羅からお土産として貰った果実水を飲んでいるので脱水症状の心配はない

 

「こんなにのんびりとした入浴は久しぶりだな。雌煌姉が入ってくるわけでもないから落ち着くよ」

 

「・・・雌煌御姉様は色々と常識が通用しませんから」

 

ハジメが色々と大変な思いをしていたのは言うまでもない。思春期真っ只中のハジメが入浴中にもかかわらず入ってくるのは当たり前、圧し掛かりで胸のたわわを押し付けられたり、飲んでいた物を横取りして間接キスしたりと世の男共が聞いたら血涙を流したりするだろう。その色々なお陰で並の女性を見ても興奮しなくなったので彼女が出来ないと諦めていた時に、異世界召喚されてノイントという美女と出会ったのが幸いした

 

こうして異世界で彼女も出来て一緒に過ごせるなんて幸せだな。一緒にお風呂に入るなんて以前だと考えられなかったよ

 

ハジメが隣で髪を上げてうなじが見えているノイントを見て綺麗だなと内心で思っていると、急に体の奥底から熱がいきなり湧き上がる。その熱は胸から下に移動―――ハジメの息子が「呼んだ?」と言わんばかりに自己主張を始めた。ハジメは、念仏を唱えて賢者モードに移行しようとしたが目を閉じた事で先程のノイントの姿がはっきりと浮かび上がりより一層息子が元気になる。明らかにおかしいと感じたハジメは、取り敢えず反対方向を向いて少しでも落ち着かせようとした時に湯船に浮かぶヒヨコ玩具に目が行った。そのヒヨコの頭には「やれ」という文字が彫られていた。これを見ただけで己の身に何が起きているのか理解した

 

美羅姉さぁぁぁぁん!何やっちゃってくれてんの!?やれってあっちって事!?今この場で!?・・・って事はあの果実水って罠だったのか!

 

美羅がおふざけで開発した果実水はあそこが元気になるお薬が大量に溶け込んでいる―――。本来ならハジメ達に状態異常は効かないが、これは活力剤等の性能の底上げ系の回復アイテムの括りになっているので状態異常完全無効が無視されるのだ。尚、美羅はもしもの事を考えて二人がお風呂に入ったタイミングで干渉してそれを無効化しているのでどうする事も出来ないのである

 

ぐっ!今上がったらノイントにバレr―――

 

「ハジメ、我慢しなくてもいいのですよ?」

 

ここは温泉ではない為、水面からでも見える=ノイントはハジメの息子が反り立っている事に気付いている

 

「ち、違うんだ。お風呂が暖かくて血行が良くなったから大きくなっているだけだよ!」

 

「苦しくないのですか?」

 

「・・・・・お願いします」

 

ここからは皆が分かる通り、色々と発散するのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

色々なリフレッシュも終わり転移門で帰還したハジメとノイント。特に、ハジメは帰還した早々美羅にツッコミを入れる

 

「美羅姉さんのせいで色々と大変だったよ!」

 

「でも、気持ち良かったでしょ?」

 

「・・・・・はい」

 

ハジメは今までで一番良かったと即答できる程であった。色々とため込んだものを吐き出し、天にも昇る気持ちとはこの事かと思えた

さて、下ネタはここまでとしてこれからの事について再計画する事にしたハジメは、賢者モードになった時にふと気づいた。先人の知恵を借りればいいじゃないかという事だ。オルクス大迷宮の解放者の拠点には、蘇ったオスカーとミレディが一緒に住んでいるので一石二鳥である。ハジメはノイントと一緒に転移門でオルクスの拠点へと移動した

 

 

 

 

 

 

 

 




アーティファクトの作製が難航
気晴らしと発散でふと気づく
先人の知恵を聞けばいいじゃないかと!
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